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彼女にフラれた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう  作者: 遊。


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取り調べはファミレスで。

「ふーん、なるほどね。」


志麻との一件があった後、俺、リオ、日奈美、秋名、智成、茉里愛、美紀、志麻の8人は通学路徒歩圏内にあるファミレスに集まっていた。


大人数用の席に各々腰を降ろし、秋名は早速メニューを広げ、ステーキセットを凝視する。


多分こいつなら更に家飯も食べるんだろうなぁ……。


「で?」


ナチュラルに俺の隣に座ろうとした志麻を跳ね除けて、左隣に陣取った日奈美が口を開く。


ちなみに右隣は茉里愛だ。


日奈美の左隣に志麻、向こう側の席には俺の正面にリオ、右隣に秋名左隣に美紀、その左隣に智成と言う組み合わせとなった。


「と、とりあえず乾杯でもしとく?」


「は?」


日奈美に真顔で返された。


「嘘です、ごめんなさい。」


「悠太さん。


ここは素直に話した方が良いですよ。」


リオが口を挟む。


「そもそも私リオちゃんの事もよく分かってないんだよね。


一応遠い親戚だって言ってたけど私は会った事無いのにお兄ちゃんとは随分仲良さそうだもん。」


うっ、鋭い。


え、てかそれって暗に俺の知り合いなら全て把握してるって言う自白じゃないよね……?


「いい人そうだったから仲良くしたいとは思うけどそこはやっぱり気になるよ。」


言いながらも鋭い視線を向ける日奈美に、リオは真剣な表情をする。


「日奈美さんの言う通り、私が彼の親戚って言うのは本来の素性を隠す為に作ったフェイク設定です。」


「やっぱり…。」


「私は、彼を見守る為に天界から来た天使見習いです。」


「おぉ!本当に天使だったのか!通りで可愛い訳だ!」


秋名は相変わらずとして……。


「か、可愛いって…ゲフンゲフン!


か、からかわないでください。」


相変わらず満更でもない感じのリオ。


「秋名たん、ステイ。」


「はい!ハッチーカワイイヨッシャー!」


「叩くよ?」


「ごめんなさい…。」


今は秋名の隣に座る美紀が、秋名の面倒係を担っている。


それもあり、親しみの意味を込めてかはたまた他の意図もあってか……。


美紀は秋名の事を秋名たんと呼んでいる。


本当、あれが無ければこの子は常識人なのだが……。


「それに可愛いなら悠兄に言いなよ。


それで、それで…グフフ……。」


あれが無ければ…。


「それで、見守る?」


日奈美が俺に続きを促してくる。


「あぁ、さっきの話で大体察しが付いてるとは思うけど俺、本当はこの世界の人間じゃないんだよ。


本来の俺はそこにいる志麻に突き飛ばされて死んでるんだ。」


それを聞いて日奈美が志麻を睨む。


サッと気まずそうに目を逸らす志麻。


「にわかに信じ難い話だけど、悠さんが嘘を付くとは思えないしなぁ。」


言いながら考え込む智成。


「実際普通じゃ有り得ない話だろうなとは思うよ。」


同じ事を俺が聞かされたら普通に信じない。


なんなら俺自信もこの状況を最初は信じていなかった訳だし……。


「でもさ、悠兄転生したばっかりなのにウチらの事は最初から知ってたんでしょ?」


メロンソーダを可愛らしくクピクピと飲みながら、美紀が聞いてくる。


「あぁ、それなんだけどさ。


この世界はどうやら俺の知り合いが身近に住んでいる、と言う設定で作られたパラレルワールドみたいなんだ。」


俺がそう言い切ると、元から事情を知っているリオ、志麻以外が言葉を失ったように黙り込む。


当然の反応と言えば当然の反応だ。


自分達が作り物の存在だと言外に言われ、その現実を突きつけられているのだから。


「で、だ。


最初俺はこの世界を作ったのと俺を殺した人物は同一人物だと思っていた。」


「はい、実際私もそう考えていました。」


その辺はリオも確信で言っていた訳ではなかったらしい。


「そんなの知らない。


もし私が自分で世界を作れるなら悠太と私だけの世界にするもん。」


何それ怖い。


そんなの死んだ方がマシ...いや死んでるんだった...。


ともかく流石の説得力である。


コイツの事はまだ完全に信じた訳じゃないが、コイツなら本当にそうするだろうと言うのも納得だ。


嘘は付いてないのだろう。


「ゲフンゲフン!


つまりだ、この世界を作ったやつは他に居て、今俺とリオはそいつを探してるって訳だ。」


「まぁそんな所ですね。


補足をするなら実際にこの世界を作った人は私の知り合いでその知り合いにこの世界を作るようにけしかけたやつがいるってとこですかね。


どっちかって言うと私はその知り合いの目的の方が気になる感じですね。」


「そ、そうなんだ。


じゃあ私も本当はお兄ちゃんの妹じゃなかったりするの…?」


「あぁ、ひーちゃんは現世では後輩だった。


でも社会人になってからはひーちゃんが俺をお兄ちゃんって呼ぶようになったりでさ。」


「そん…な。」


分かりやすく落ち込む日奈美。


え、本当に落ち込みすぎじゃない?何があったの?


「ならまだまりにもチャンスがある!」


「無いもん!」


茉里愛の言葉を日奈美がまた半べそで食い気味に否定する。


「じゃあウチらは?」


美紀が口を挟む。


「智君はリア友だしなんなら同じ職場だったけどさ、他は大体Uthtuber知り合いかな。


だから実際にはこうして会うのも初めてなんだよ。


秋名も、ハッチーもまりちゃんも、千鶴さんも。」


「なんかよく分かんないけどさ、なら良かったんじゃないか?」


と、ここで秋名が口を挟む。


「良かった?」


「だってそうだろ?


元の世界では会えなかった俺らとこっちでは会えてリア友になれたって事だろ?


なら良いじゃないか。」


「お、秋名たんいい事言うね。」


それに美紀も同調する。


「うん、私もこの世界ではちゃんと妹になれたから…そう考えたら良かったのかも。


泥棒猫も近くに居るけど。」


いや、泥棒猫ってなんだよ……。


「まりも悠にぃに会えて良かったにゃー!」


そして泥棒猫と言う呼び名への当て付けか、語尾を猫にして茉里愛が抱きついてくる。


いや、だから当たってるってば!


何がとは言わないけど!


「ちょ!?お兄ちゃんから離れて!私も抱き着くんだから!」


「私は正面から何を見せられてるんでしょうか…。」


頭を抱えるリオ。


「まりちゃん、俺にも!」


と身を乗り出す秋名。


「違うよ、秋名たん。


そこは悠ちゃんは俺の物、だよ。


そしたらその後は…ぐふふ…。」


なんて言いながら鼻血を流す美紀に、ティッシュを差し出したりと世話を焼く智成。


「ずるい、私も抱き着きたい!」


ちゃっかり参戦しようとする志麻。


「「あなたは絶対駄目!」」


日奈美茉里愛ペアからのハモリ拒否!


何だこのカオス。


でもまぁ確かに秋名の言う通りかもしれない。


こうして転生して、本来会えなかった筈のコイツらとの日常も案外悪くないと思えてきている。


秋名にしてはいい事を言う。


いや、ここは親しみを込めて俺も秋名たんと呼んでおこうか。


それにしても秋名たんの目の前にあるステーキセットの皿はいつの間に空になったんだろう…。


「泥棒猫はチュールでも食べてなさい!」


「良いよ〜悠にぃに食べさせてもらうから。」


「だ、駄目に決まってるでしょ!?」


「じゃあ間を取って私がやればいい訳ね!


はい、悠太!あーん!」


「あ!?ちょっと!!」


言いながらポテトを差し出してくる志麻。


「あぁ、もう…!」


俺はもう恋愛をしたくないんだぁぁぁ!


新しい日常に身を委ねながら、俺は脳内でそう叫ぶのであった。

第一部!完結です!


なろうでの1ページ毎での連載は今回が初めてなのですが、今流行りのタイトル長い系転生物をちょっとやってみたくて描きたいストーリーもありチャレンジしてみました。


見切り発車で始めた今作ですが、流行り効果もあってか公開1週間にして沢山の方に読んで頂き、かつ評価、ブックマーク等して頂き、本当に感謝しかありません(泣)

おかげさまで依然は本当にたまにちょっとずつでしか描けなかった小説を毎日連載と言う形で本当に楽しくここまで描き続ける事が出来ました!本当にありがとうございます!


引き続きの応援お願いします!


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