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彼女にフラれた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう  作者: 遊。


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チラリズムと雨模様

帰り道。


ハルたん会長、絵美、蘭ちゃんには、折角だからと元々の三人で一緒に帰ってもらったらどうかと言う瑞穂の提案に乗り、意気揚々と三人で生徒会室を出て行った。


これまでだって一緒にやってきた仲間であるのは間違いないのだが、どうにも壁があってただ悪くはない仕事仲間って関係性。


それが今はちゃんと友達になれたんだなって感じ。


「ハルたん楽しそうだったね。」


必然的に余った新入りの俺と瑞穂は二人並んで歩きだす。


「そうだな。」


「急にハルたんの傷をえぐり出した時は何考えてんだと思ったけどさ。


やるじゃん。」


「それを言ったら気を利かせて三人で帰ったらって言ったお前も充分グッジョブだっただろ?」


「まぁ三人が仲良くなってくれた方が仕事中気まずくなったりとかもしないしね。


それにさ。」


「ん?」


「あたしは自然な流れで悠太と二人で帰れるしね。」


そう言って可愛らしいニヒヒと言う擬音が聞こえそうな笑顔を向けてくる瑞穂。


「か、からかうなよ。」


「別にからかってないって。


ほら、行こ。」


そう言って自然な流れで腕を引いてくる瑞穂。


そのまま特に抵抗もせず、引っ張られるままに歩く。


なんだか後ろの方から羨望の眼差しを感じるが気にしない。


瑞穂美人だしなぁ。


ストーカーくらいいるよな、うん。


いるよな……?


なんて現実逃避していると、


「いや……現実逃避だって言っちゃってんじゃん……。


って……あ……。」


「いやだから口に出してないんだわ……って……あ……。」


突如頬にポタリと水滴がつたう。


そこから数秒。


急な大雨が勢い良く降り注ぐ。


「うっそ!?傘持ってきてないのに!」


転生前の時代も季節関係なくこう言う急な大雨は確かにあった。


そしてそう言う時に備えて俺は常日頃から鞄の中にあれを……!……入れてなかった……。


この時代の俺がそんな気の利いた事してる訳無かった、、


「ふざけてる場合!?走るよ!」


「お、おう!」


そうして全力疾走し、近い場所にあった公園の屋根があるベンチスペースに避難する。


「あー……ほんと、最悪。」


隣で髪をかき上げながらボヤく瑞穂。


雨で濡れた髪が、伝う雫が、まるであの日の風呂上がりの時のような色っぽさを感じさせる。


それに不似合いのずぶ濡れなセーラー服のシャツからは、見えてはいけない黒の下着が透けてチラチラと見えていて、なんと言うか大変目に毒である。


「へぇ?やっぱりなんだかんだ見るんだ?」


そんな視線に気付いたのか、瑞穂はニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべる。


「そ、そりゃ男なら誰でもちょっとは気になるだろ!?」


「一緒にお風呂に入った時には見なかったのに?」


「そ、そりゃお前……チラ見せとモロ見せじゃ全然別次元と言うか!」


「え、なんかキモい。」


うぐっ……確かに普通の反応だけどさぁ!?


なんと言うか心臓への負担が全然違うんだよ、、


「と、とりあえずどうする?この感じだとすぐには止みそうもないしあれなら俺が近くのコンビニで傘買って来ようか?」


「うーん……それもちょっと憧れるけどね。」


憧れる?


普通に傘二つ買って戻ってくるつもりだったんだが。


「やっぱり悠太は悠太なんだね……。


鈍感と言うか馬鹿と言うか……。」


だからなんで何も言ってないのに馬鹿にされてんのかしら……。


「それよりさ、ここから近いしウチくる?」


「え?


瑞穂の……家?


瑞穂の家!?」


「だからそう言ってんじゃん……。


ここに居るよりは全然良いでしょ?


シャワーも貸すしさ。」


まぁ確かに制服はずぶ濡れで気持ちが悪いし、瑞穂の提案は渡りに船ではあるが……。


「良いのか……?急に行って。」


「まぁ婆ちゃんは驚くかもだけどこの状況見たら分かってくれるって。」


「そ、そうか……。」


付き合ってた時は当然彼女の家に行く機会なんて無かった。


まぁ付き合ってた期間自体が3日程しかないのだから当然と言えば当然だが。


何よりあの頃の瑞穂は家族に自分を紹介される事も自分が彼氏を紹介する事も、意識的に避けていた所があるように思う。


それは単純に最初からそこまでの関係を求めてなかったからなのかとあの時は思っていたが、瑞穂の過去を知った今はもしかしたら親との関係が破綻している事実を隠したかったからなのかもと思えてきた。


もしくは実際に紹介された時、自分との差を感じせられるから、なのか。


そう考えたら、こうして今コイツの状況を知れたのは、付き合っていた時よりもコイツとの距離が縮まったと言う事になるのだろうか。


なんとも変な話、だよな。


「どした?急に黙り込んで。


まさかあたしの透けブラに見惚れちゃった?」


全くコイツは……。


「おぉ、超見惚れた。


見惚れ過ぎてガン見して目に焼き付けたくなるくらい見惚れたわ。」


「っ!?」


一瞬顔を赤くした瑞穂は、すぐにムキになって背中をバシバシ叩いてくる。


「ちょ!?痛い痛い。」


「調子に乗んな!ばーか!」


そう言って思いっ切り背中を引っぱたくと、ベッと舌をだしてそんな事を言ってくる。


「はいはい……。」


「それよりさっさと行くよ!」


かと思えば、瑞穂はまた強引に腕を引く。


やれやれ……。


そんなこんなで、俺は瑞穂の家に向かう事となるのだった。








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