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本当の友達

さて、突如始まった勉強会。


いやこれ絶対無理だろ……。


実際宏美の言う通りなのである。


開幕から補習。


合宿前に元カノらとショッピングやらデートなんかもあり、合宿が終わったらバイトもして、、誕生日会にデートやお見舞い。


あとドッグラン!


兎に角そんな予定詰め込みまくりな中で宿題なんか手につかないと言うもの。


と、言うわけでほぼ手付かず。


と言うかほぼほぼ理解不能なんだよなぁ……。


「なぁ……宏美。 」


「……何?」


「小説はどうだったんだ?」


「それはもう良かったけど。


控えめに言って最高だったけど。」


「お、おう。」


「でも今それ関係ある?」


つまんねぇ事聞いてないでさっさとやれよふざけてんのか的な圧がw


うーん……やっぱりなんか怒ってるよなぁ……。


とりあえず一つも手を付けてない状態から1日、それも夏祭りが始まる時間までと言う制限時間付きで全て終わらせる、なんてどう考えても無理ゲーである。


そしてそんな現状を打破するには、まず……「手が止まってるけど?」


「はい!今やります! 」


一応手を動かしながら引き続き考える。


コイツの機嫌を直す事がまず先決だよなぁ……。


そもそもなんで怒ってんだか。


とりあえずしたそうな話題を振ってはみたものの良いからやれって感じだし……。


これはあれか……ただご機嫌とりするんじゃなくてちゃんと怒ってる理由を理解してその上で

どうしたら機嫌が直るか考えなくちゃいけない感じか……。


と、言ってもなぁ……。


普通に考えたら最初に本人も言ってたように私の知らない所で随分楽しんでいた事が気に入らない感じだと思う。


でも確かに最近は友達として関係が徐々に良くなり始めて来たと思うけど……。


だからって他の元カノに嫉妬してる?


もう恋愛として好きじゃないって言った宏美が?


……いや、流石にそれは自惚れが過ぎるだろ……。


でもなら単純にあれか?


友達として自分だけ何も誘われてないから拗ねてるとか……?


うーんありそうだが一応祭りに誘ったしなぁ……。


「ほら、また手が止まってるって。


それに何?さっきから私の顔見て、何かついてる?」


「え、いや……。


もしかしてお前自分だけ誘ってもらえなかったから拗ねてんのかなぁって……。」


「……へぇ?」


お?これは当たりか?


「だ、だったらさ、一緒に夏祭りに行くんだしそれで機嫌を直してくれないか?」


「三人ででしょ?」


えぇ……そここだわる……?


「それに前もだけど私が言わせたみたいじやゃん。」


「うっ……。」


「確かに私は元カノだし、本来こんな事言うのはおかしいのかもしれないけどさ。


どうして私を自分から誘ってくれないの?」


「そ、それは……。 」


「気まずいから?ただの友達だから?」


「うぅっ……!」


「付き合ってる訳じゃないなら他の元カノだって友達じゃん。


でも明らかに私と扱いが違うよね?」


「いや……だからそれは……。」


「悠君は私と友達になりたくないの?


せっかく友達になれると思ってたのに……。


なんだか距離を感じる。」


そう言って宏美は悲しげに目を伏せる。


「あの、やっぱり私1人で行きましょうか……?」


気遣わしげにリオが言う。


「いや、いや大丈夫だよ。


なぁ宏美。」


「何?」


「その、悪い。


実際気まずさもまだ全く無いって言われたら嘘になるし、ちゃんと友達として関われてたかって聞かれたらあんまり自信無い……。」


「ほら……。」


「でも最近はお前と過ごすのも楽しいんだ。


だからさ、今日の夜は楽しにしてるから。」


「ふーん?」


あ、満更でもなさそう。


「なんかこれも言わせたみたいだけど……。」


「うっ……。」


「でも許す。


それを言ったらキリがないし。


だから、今度は自分から誘ってよ?」


「おう……。」


「私もその、誘うから……。」


そう言って少し照れくさそうに頬を染める宏美。


「お、おう。」


「あ、あと私もその、楽しみにしてるから!」


「おう……。」


終始照れくさそうに言う宏美の態度に、思わずオットセイの鳴き声みたいな返事を繰り返してしまう。


そしてそんな態度と表情が可愛いと思えてくる。


「だからさ。」


ん?だから?


「死ぬ気で終わらせてね? 」


否!全然可愛いげもクソも無い!


悪魔だ!悪魔がいる!


結局俺は宏美に教えられながらなんとか夏休みの宿題を終わらせるのであった……。






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