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彼女にフラれた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう  作者: 遊。


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登頂からの盗聴ってシャレになんないよね、、

「っひ!?」


「おいおい本当に大丈...」


言いかけた言葉を止めたのは、宏美が咄嗟に俺の服の袖を掴んで来たからだ。


「...手を繋ぐのはそう言う関係になってから...じゃなかったか...。」


「袖はセーフじゃん...。」


「いや...どう言う理屈...。」


「良いから...終わるまでこうさせて...。」


「お、おん...。」


なんか調子が狂うな...。


仕方なくそのままその手に身を任せる。


そこから何を話すでもなくただゆっくりと時間が流れていく。


観覧車ってこんなに長かったっけ...。


そんな事を思いながら外の景色を見るでもなく、ただ正面で静止する宏美に目を向ける。


その間、何度か揺れたりもしたが、さっきまでのように大きな反応は示さなかった。


本当に...何考えてんのか分かんねぇな...。


観覧車が終わりに近づく頃には自然と宏美の手は離れ、その後は何となく無言の気まずさと照れくささでお互いに目を逸らし合っていた。


「ほーい二人共お疲れさん!


...何があったの...?」


降り口で待機していたのであろう瑞穂が声をかけてきたのだが、そんな俺達の様子を見て怪訝な表情を浮かべる。


「べ、別に...なんでもないから!」


「いやそれ絶対何かあったやつじゃん!」


宏美が食い気味に否定するから余計に怪しまれてるし...。


「た、ただ怖かったから袖摘んだだけだし...。」


「は?」


いや、嘘だろって顔してるけど事実なんだわ...。


その後宏美に思わせぶりな事言われて気まずかったし多分言った本人もそんな感じなだけなんだわ...。


「大丈夫!」


と、ここでそう口を挟んだのは意外にも志麻だった。


「二人はさっき言った通りの流れの会話しかしてないから!」


「うん...なんでそんな事分かるのかは聞かないから...。」


「え、とうち「聞かないってば!」」


分かる...分かるぞ...瑞穂...。


俺も聞かなかった事にしとくから...。


「でも実際分かんない..か。


声だけだもんね...。


ねぇ、悠太?お互い無言で何してたのかな?」


一瞬でも志麻が味方だと思った俺が馬鹿だった!


「後でその辺りちゃんと聞かせてね?悠太。」


こえぇ...!


「あ、それと。」


思い出したようにそう言って言葉を切る志麻。


えぇ...まだなんかあんの...?


もう充分キャパオーバーなんだけど...。


「私は今でもちゃんと大好きだよ、悠太。」


「「っ!? 」」


当てつけとばかりに宏美の方に目を向けてそんな事を言う志麻。


「え!?急に何!?どう言う流れ!?」


当然事情を知らない瑞穂は戸惑ってる...。


いや、それが普通の反応なんですけどねっ!


と言うか盗聴の制度良すぎない!?


結構小さい声だったと思うけど...!


あ、盗聴って言っちゃったわ...。


対して宏美は一度苦しそうに表情を歪め、すぐに気まずそうに目を逸らす。


なんでそんな反応なんだよ...。


「おーい、いつまでそこに居るの!


早く降りてきなさいよ。」


と、観覧車がある敷地の入口からハルたん会長のお呼びがかかる。


「あ、あぁ今行く!」


そう返し、それぞれ歩き始める。


その間宏美は何も言わずにそっぽを向き、瑞穂は頭上に?マークを浮かべ.志麻は俺の腕にしがみついてきて...あ、いい匂い...それに柔らかい感触が!?ゴホンッ...いや、なんでもないです。


「お兄ちゃんから離れて! 」


そしてすぐに気付いた日奈美と茉里愛に引き離された...。


「あーん!ご無体な!」


かと思えば今度は美江が腕にしがみついてきて...痛い痛い!?


そのままつねられる!


「女の匂いがする...。」


「そりゃさっきまで志麻がくっついてましたからね!?」


「悠太には私の匂いをつけて今の内にマーキングしておこうと思って!」


そう言ってドヤ顔な志麻。


「ま、負けんもん...。」


だぁ!?なんか煽られたみたいな感じになって腕を掴む力と同時につねる力まで強くなってるんですが!?


「はいはい、そこでイチャイチャしてないでお土産売り場適当に回って帰るよ〜。」


呆れたようにため息を吐きながらそう言う瑞穂。


「い、イチャついとらんし...!!」


真っ赤な顔で否定する美江。


「じゃあ私と変わってー!」


「それは駄目!」


かと思えば志麻の要求をあっさり一蹴する。


対して宏美は今もそんな様子をチラチラと見ながらも何も言わずにただ俯いていた。


本当どうしたんだよ...。


そんなこんなでお土産売り場。


「あ、このストラップ可愛い!


ね、お兄ちゃん!これ一緒に付けない?」


「よし買おう。


でも付けるのは勿体ないな、家宝にして神棚に「お兄ちゃん?」はいっ!今すぐ付けさせて頂きます!」


「悠にぃ!まりはこれが良い! 」


「あ!?ストラップは1つで充分だから!」


「そんな決まり無いもーん!」


「悠兄、ウチはこれが良いと思うなー。」


と、火花を散らす二人を遮る様に美紀が口を挟む


「おいおいどうした?ハッチーまで。」


「もう片方は智兄が持って...2人は運命の赤い糸で...グフフ...。」


うん、やっぱハッチーはハッチーだわ...。


そう言えばペアストラップか...。


思えば美江とも宏美ともそんなの買ったんだよな...。


結局壊れたり無くなったりして今は当然手元に無い訳だが。


多分二人も捨ててるよな、やっぱ。


「悠太!じゃあ私はお揃いのクマッキー君で!」


「いやデカいわ...。」


BIGぬいぐるみのお揃いなんて聞いた事ねぇわ...。


その大きさがそのまま愛情の大きさって事かしらん...。


「それだとこんな大きさじゃ全然足りないよ!」


あちゃー足りなかったかー...。


心の中まで盗聴されてんのはもはや突っ込むまい...。


「あ、見て見て!悠太!


お揃いのチョーカーとかもあるよ!」


次に絵美。


お前それ絶対チョーカーだと思ってないだろ...。


「一緒に付けて走り回ったら楽しそうだよね!」


あ、それは確かになんか楽しそ...いや...いかん危うく騙されるとこだったw


「悠!?気をしっかり!!」


蘭ちゃんに真面目に心配されてしまった...。








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