この世界で生きていく鍵
この度は2ヶ月の間活動を停止してしまい申し訳ありませんでした。言い訳を言わせて下さい!新作の方が手一杯だったんです!それに新しい環境にも慣れなくて!遅れました!!!では楽しんで下さい!!!
第九章 この世界で生きていく鍵
凛月「おい待てよ!!黒!!」
思わず声が出る。
ロゼ「ね、ねぇ!凛月!さっきから誰と話してるの!!!」
ロゼの声が耳を刺激する。そして新たな声が、この空間を支配した。
「んー!!!よく寝た〜〜〜!!!」
その声に反応し、全員がエーティの方を向く。すると。
エーティ「あ、あれ?お客さん?」
大熊とは違う雰囲気の、綺麗で金髪のお姉さんがベットに居た。
メア「え?え!!!」
クルミ「う、嘘、、」
ロゼ「き、奇跡、起きた」
大熊「・・・」
全員が驚き、お大熊は立ち上がりながらピクリとも動かながった。そして俺はエーティの所まで近づく。すると物珍しげな顔をしこちらに話しかけて来た。
エーティ「貴方は?」
その問いに俺は。
凛月「俺は凛月、この世界に召喚された勇者だよ、おはよう!エーティさん」
満面の笑みで答えてあげた。すると立ち尽くしていた大熊が、エーティめがけて一直線に走って来た。
大熊「エーティ!!!!!よがっだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!やっどおぎでぐれだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
顔をグッチャグチャにしながらエーティに抱きつく。思わずエーティは顔を真っ赤にしながら。
エーティ「え!ちょ、ちょっと!お客さんの前で何してんのよ!ルイス!!」必死に大熊を退けようとしていた。
(アイツ名前あったんだなぁ知らなかった)
目の前で起きている状況に浸っているとロゼが俺の元まで歩き服を掴みながら出口の方に腕を引っ張って行った。ドアを出るとパタリと閉め。ドアに寄り掛かりながら話を始めた。
ロゼ「凛月、何をどうしたら死者を蘇られる事が出来るの?教えて?」
冷たい表情で問うロゼの雰囲気は、まるであの男を連想させる様だった。
凛月「分からない、俺がエーティを蘇られた訳じゃ無いから」
ロゼ「じゃあ、誰が?」
少し言う事を惜しんだがロゼの表情を見ると、そんな気も失せてしまった。
凛月「黒、奴はそう名乗ってた。俺は黒の事は何も知らなかったけど、アイツは俺の事を良く知ってる様子だった」
ロゼ「黒、、、」
ロゼはそう呟くと顎に人差し指と親指を添え、考える。少し時間が経つと。
ロゼ「あの人なら、もしかしたら、、」
ロゼの答えに、質問を交わそうとした途端。ドアがガチャリと開きロゼが後ろに倒れそうになった。
凛月「ロゼ!」
急いでロゼの手を取り、何とか転ばずに済んだ。だが勢い余ったのでロゼを想像より強く引きてしまった。
ロゼ「きゃ、、、」
気付くとロゼを抱きしめる体制になっていた。
凛月「平気か?」
俺の問いに顔を真っ赤にしながらこくりと頷く。
クルミ「な、何やってるのよ!!!」
ドアから出て来たクルミに見つかってしまった。
凛月「どうしたクルミ?急に飛び出して来て」俺は内心ロゼに抱きつかれた事がめちゃくちゃ嬉しく、顔がニヤけそうになりながら必死に顔に出さないようにした。
クルミ「あ、うん、何かエーティさんが凛月に改めてお礼が言いたいんだってさ〜」
俺は顔を真っ赤にしているロゼを優しく引き剥がし、再びエーティの元まで行った。
エーティ「先ほどとまでの無礼をお許し下さい、勇者様話はルイスから聞きました」
すると体勢を低くし、ルイスと共に跪いていた。
凛月「良いよもっと楽にして、エーティはまだ体調も優れないだろうし、それに君を生き返らせたのは俺じゃ無くて、黒って言う少女だからあと、勇者って呼ばれるの好きじゃ無いから凛月って呼び捨てで良いよ」
だが二人は跪くのをやめず話を続けた
エーティ「では凛月様と、凛月様貴方はこの森の【管理者】であり、この森の王を倒したお方。すなわち今の王は凛月様です」
またその話かとも思ったが、この森の王ならもしかしたら俺のやりたい事を出来るのではないか?とも思った。だが次の一言でその夢は閉ざされた。
エーティ「ですが、条約により凛月様はこの森の王にはなれないのです」
凛月「と、言うと?」
エーティ「はい、女神エリス・アストレア様の条約により。汚れの血を引く者は森の管理者にしてはならないと、記載してあるのです」エーティから発せられる声は、先ほどと違いとても恐怖している様だった。
(まぁ無理もないよな、この世界では力が絶対。この行為はそれに反している訳だから、殺される覚悟で言ってるんだろうな)
凛月「それじゃ俺はどうしたら良いのかな?」俺の問いにエーティは体を震わせながら答える。
エーティ「は、はい!ですから名目上は私が王になり!この森の権限と覇権は凛月様の物。と言う事を考えたのですが、どうですか?」
凛月「前みたいにルイスが森の管理者じゃ駄目なのか?」出来るだけ質問は避けたいが、そう言う訳にもいかなかった。俺はこの世界の事を何も知らない、だからまずは目先の情報を確実に物にする。これがこの世界で生きていく【鍵】になると思った。すると今度はルイス《大熊》が話を始める
ルイス「それは無理なんです主人。私は一度敗北した身、私と言う存在が生きていても、森の支配者と言う私は死に絶えました。なので私が森の管理者になる事は不可能なのです。」
(なるほど、てっきりまた条約がどうのこうの言うと思ったら違うのか)
ま、この原因は俺にある訳だからこれ以上問い詰めるのは辞めておこう。そう思い、挨拶だけして去ろうとした瞬間、ロゼの悲鳴が聞こえた。
ロゼ「キャー!!!!!!!!」
その声にこの場の全員が動き出す。そしてロゼの悲鳴の元まで行くと。
ロゼ「お兄ちゃん!!!見て!!!果物とお肉が!!!!こんなにある!!!!しかも全部腐ってない!!!!!食べれるよ!!!」
何と先ほどの悲鳴はロゼが食料を見つけた悲鳴だった。
凛月「な、何事かと思ったろ!!」
俺が少し怒った声を出すと。
ロゼ「あ、ごめんついお腹空いてて、、」
申し訳無さそうに耳をしゅんとさせその場に座り込んだ、それを見て少し安心する。
(良かった、いつものロゼに戻って)
そしてクルミとメアもその場に座り込みお腹の音が響く。
クルミ「メア、意地汚いですよ」
メア「え!?わ、私じゃないです!!」
ロゼ「メアってば〜、ほーんとそう言うとこ否めないよね〜」
メア「だから違うってば!」
凛月「ロゼ、安心しろ!俺もお腹空いてるから!!気持ちは分かる!」
ロゼ「だから!私じゃないって!ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ロゼの真っ赤になった顔は、まるで赤いリンゴみたいだった。
ルイス「主人達はお腹が空いておられたな」
エーティ「あ、あの!もし宜しければお召し上がりになりますか?」エーティとルイスの発言で、この場の全員が笑顔になった。
新作をTwitterで公開するのはだいぶ先になりそうです。末長くお待ちください!次回のファミスキはもっと早く仕上げます!