ラストフォレスト
お久しぶりです!皆さま〜何だか気づくと時間だけが過ぎて全然投稿出来てませんでした。まぁ!今後はぼちぼち投稿していきますので!今度ともよろしく!!!
第八章 ラストフォレスト
俺達は大熊に案内されるまま森の中へ入って行った。途中大熊に話しかけようとしたが、テクテクと歩く後ろ姿を見ていると、何たが話しかけづらかった。なので
凛月「なぁコイツって管理者?に、なってから日が浅いのか?」
小声でロゼに話しかけてみた。
ロゼ「知らない〜でも、多分気配を感じるに2年目だと思うよ。毛並みもまだ生え変わったばかりだし、苦労してるんだよ」
ロゼの凄いところは観察力と直感だ。どれも生きていく上でとても重要になる【武器】この世界なら尚更この武器が、生かされるであろう。
凛月「何でロゼはそんなに観察力が凄いんだ?やっぱ獣人だからか?それとも誰かに教えて貰ったとか?」
俺の問いに対して少し考える素振りを見せた。そして出した答えが。
ロゼ「知らないうちに身に付いてた。人が当たり前に息をしてご飯を食べてぐっすり眠る様に。川に流れる水の一方通行の当たり前。決められた道を進む水。そんな感じ〜」
(なるほど、様は自然と身に付いたって事だな)
そんなお喋りをしている間に、気付くと大熊の足が止まっていた。
大熊「ここです」
到着した所は大きな大樹だった。
凛月「でっけ〜な」
クルミ「凄い、、」
ロゼ「大っきい木だーー!!!!」
二人がはしゃぐ中、メアだけが唖然と立ち尽くしていた。
凛月「ど、どうしたメア!」
返答が無い。
凛月「おい!メア!」
肩を触ると足から崩れ落ちた。そして口をガクブルと震わせながら言葉を発していた。
メア「う、うそ、、ここって、まさか、ら、【ラストフォレスト】!?!?」
その言葉聞くと俺以外の二人は理解した様で。クルミも頭を抱え崩れ落ち、ロゼは俺の元に駆け寄って来た。
ロゼ「お兄ちゃん何の事か分からないでしょ???」ニマニマしながら小悪魔らしく尻尾をフリフリさせて言って来た。断る理由も無かったので
凛月「また、教えてくれる?」
おねがしてみた。すると嬉しそうに説明してくれた。
ロゼ「あのね!【ラストフォレスト】って言うのは森の管理者の住処でね!例え主人の許可があったとしても人間や獣人は入れちゃ行けないの。そんな事が精霊の王【桜花様】にバレたら森の管理者は愚か、私達まで無事じゃ無いんだよ」
凛月「【桜花】って誰だ?」
ロゼ「桜花は精霊の国【アダマス】この世界では死者の国なんて呼ぶ人もいるね。アタダマスの王は精霊や森の管理者と呼ばれる生き物を見守る役割を神【エリス・アストレア】より条約と共に賜ってるの。その条約の中に汚れの血を持つ者をラストフォレストに入れてはならないって言うのがあって、私達は絶賛違反しちゃってる訳、だから違反した私達は桜花様に命を狙われる対象になったって事よ」
(え、それヤバくね!?俺ら全員殺されんじゃん!!!)内心めっちゃ焦ってたが【エリス・アストレア】と言う名前に聞き覚えがあったので反応した。
凛月「エリス・アストレア、、、」
俺の呟きにロゼは、こちらをじっと見つめていた。
凛月「な、何だ?なんかついてるか?」
俺の問いにロゼは
ロゼ「いや、凛月って勇者なんでしょ?ならエリス・アストレアにあったのかな〜って」
凛月「俺が会ったのは、スカーレットって言う女神様だよ」
その言葉を聞きロゼは目を丸くして。
ロゼ「スカーレット、、、第4の魔王と同じ名前、、、」
凛月「え?ま、魔王!?」
ロゼの顔が近くなる。
ロゼ「お兄ちゃんは何者?本当に、私達の味方なの?」冷たい視線、胸が締め付けられる様な感覚。思わず唇を噛んだ
ロゼ「なーんちゃってね」
そう言い放ち、絶望してるクルミとメアの所へ歩いて行った。
(ロゼ、、)
何故だろう、ロゼだけには嫌われたく無い。信じて欲しい。来る感情を抑えながら、俺は黙って大熊の所まで歩いて行った。
大熊は俺が近くに来ると口を開いた。
大熊「安心して下さい主人、ここのラストフォレストは私のスキル【陰の領域】によって隠蔽状態にしてありますから。【陰の領域】は自分と自分の仲間を対象から隠す事の出来るスキルです。期限は三〇分、現在発動してから五分が経過している状況なので」
その言葉を聞き、俺はクルリと大熊に背をむけ三人に急いで知らせに行った。
クルミ「よ!良かったーーーー!!!」
メア「で、でも!時間があまり無いです!!!」
ロゼ「くまさーん早く案内して〜」
大熊「分かりました、ではこちらへ」
そう言うと、とても自分のサイズに合わない扉の前に立った。
凛月「ここ、通れるのか?」
と、大熊に声をかけた瞬間、目の前に居た大熊が謎の光に覆われ、あり得ない光景が広がった。
大熊「普段はこうして過ごしております」
なんとあら不思議!あんなに大きくて毛並みフッサフサだったあの熊が!背が高く!すらっとした長い足に!女と間違える程美しく気高い顔になり!髪の毛はその容姿に見合う真っ黒な長い髪型になっているではありませんか〜
凛月「お、お前本当にさっきの熊か!?」
俺の驚いた顔を見るとこの大熊は何驚いてるんですか?と言わんばかりの顔をされた。周りを見ると皆んなも平然とスルーしていたので俺もここはあまり追及しない様にした。
家に入り大熊に案内されるまま奥に進んでいくと、茶色い両開きドアが見えた。
大熊「ここです」
そう言いドアを開けると大きなベッドに寝ている人?がいた。
(ここでは魔物でも人間になれるのか?)
大熊「帰ったよ、エーティ」
そう言いながら大熊は、ただの骨を優しげに撫でていた。俺達は唖然と立ち尽くしているしか無かった。
大熊「な、なぁロゼさんあの時みたいにエーティを治してくれよ、そしたら俺は何もいらないし、貴方達の言う事を聞く。だから、頼む。」深く頭を下げる大熊。ロゼの方を見ると、俯きながらその茶色い眼に透明の雫が浮かんでいた。
ロゼ「冗談じゃない、、、これじゃ、救えないじゃん、」
悔しげに拳を握りながら呟く。その言葉を聞くと今度はメアにクルミにそして最後は俺の所まで助けてくれと訴えかけて来た。だが俺達は黙って首を横にする事しかできなかった。
大熊「・・・」
大熊は黙って立ち尽くし、再びエーティの所まで行く。
大熊「ごめんなエーティ、この人達なら何とかなると思ったんだけど、無理みたい、もうちょっとだけ待ってね、もうちょっとだけ、、、」そう言い部屋から出ようとした時だった。
ロゼ「死んでるよ、そいつ」
ロゼの冷徹な一言がこの部屋を支配する。すると大熊の足はピタリと止まり
大熊「じ、冗談でも、そんな事言わないでくれ、エーティはただ、疲れて眠ってるだけなんだ、で、でも、半年もこんなんだから、そろそろ起こしてあげないと、、ご飯も飲み水も、大好きな水浴びすらもしてないんだよ、、エーティは女の子だから、水浴びくらいはさせないと、、だから、、だからエーティを早く起こしてあげないと、、、」俯きながら大きな涙をボロボロと床に落とす。
大熊「エーティ、エーティ、エーティ!!」そして
大熊「ロゼさん!お願い!!ですから、、エーティを!!エーティを治して!!!!治してよ!!!ロゼさんなら出来るだろ!!!!なぁ!!!頼むよ!!!俺は死んだって良い!!!!主人達のご飯になっても良い!!!だから!エーティだけは!エーティだけは助けて!!ロゼ!!!!!!!!」
必死にロゼの前でお願いしていた。
ロゼ「うるさい、、」
大熊「お願いします!!!!助けて!!!」
ロゼ「うるさい!!!!!!!!」
ロゼの大声が響く
ロゼ「受け入れなよ!!そいつはもう死んだ!!!!私は!神でも悪魔でも無い!!ただの獣人!!!その私にただの骨になった人を生き返らせろ??そんな事出来たら!!出来たら私だってしてるよ!!!でも現実は甘く無い!!!奇跡でも無い限り!無理よ!!!これ以上私に責任押し付けないで!!!もう嫌なの!!!!自分でも救えないって分かってる命を、、何も希望も無い根拠も、、もう散々なの!!!」
そう言い終わるとロゼはこちらに駆け寄って来た。
ロゼ「お兄ちゃんなら!!凛月なら!!何か出来ないの?、勇者なんでしょ!!凛月!!!」無理だと言いたかった。だが今は声が出ない。また、初めての感情だ。
ロゼ「黙ってないで!何か言ってよ!!!」ロゼの必死に助けを求める声だけが耳に付く。
凛月「きない、、」
ロゼ「何?」
凛月「何も、出来ない、、、」
俺の声を聞くと膝から崩れ落ちる。そして俺はまた唇を噛む、それと同時にあの時の声がまた聞こえた。
「あ〜あ、まーた唇噛んで〜口内炎になっても知らないよ〜」
凛月「!?」
そして俺はその少女らしき声に反応する。
凛月「誰だよ、」
俺の問いに
「う〜んそうだなぁ〜貴方に興味を持った純粋な少女?って事にしといて〜」
凛月「真面目に答えろ!!!!!!!」
俺の声に全員が反応する。
ロゼ「お兄ちゃん???」
クルミ「凛月?」
メア「どうしま、した?」
大熊「主人、」
「も〜察してよ!こっちからは言えない事情があるの〜も〜せっかちさんは嫌われるぞ???」
凛月「答えろ!!!何故今話しかけて来た!!」
とても冷静ではいられなかったため命令口調になってしまったが、少女は冷静だった。
「は〜凛月は察しが悪すぎるよ!なんの意味もなく!私が貴方に話しかけるわけ無いじゃん!」
その言葉を聞いた瞬間、後ろに気配を感じた。
凛月「誰だ!」
後ろを向くと黒いレースマスクをつけ、身なりはまるで夜をそのまま取り込んだかの様な美しいドレスに身を包み、髪色はその服装をより際立てる漆黒の髪色。言うなれば夜の女王様みたいな少女が立っていた。
黒「どうも凛月!改めて、私の名前は、、ん〜そうだなぁ〜本名はまだ言えないから、、、取り敢えず【黒】って呼んで〜」黒と名乗る少女はこちらに歩きながら自己紹介をしてくれた。
凛月「なんで今まで姿を見せなかった、黒」
黒「ん〜とね、接続が噛み合わなくてね〜中々連絡が取れなかったんだよ〜ごめ〜んね♡」その容姿に見合ったとても小悪魔らしい少女だ
凛月「それでお前には何が出来る?何がお望みだ?」俺の問いに対して黒は唇をニコッとさせこう呟いた。
黒「私が望むもの、それは貴方自身だよ」
凛月「俺自身?」
黒「そう、貴方自身、まぁもっと言えば貴方の魔力、その力は私の愛しい人の力そのもの、あの人がいなくなった今、貴方だけが私の光であり、罪なの」
凛月「何を言ってるんだ」
戸惑う俺を前に彼女は俺の目の前まで来ていた。そして俺はようやく気づく、俺と黒以外の【存在】が止まっている事に。
凛月「おい!黒!何をした!!」
その言葉を放つと同時に、唇に何か暖かいものが当たる。
黒「一緒だ、あの人と同じ味」
気づくと俺は黒に唇を奪われていた。
凛月「お、おい!何やってんだよ!」
俺の驚く顔と少し頬を赤らめる俺に対して黒はニマニマにしながら俺の胸に両手をつけてくる。
黒「ねぇ、凛月、未来さんと、どっちが上手かった?」
その言葉を俺は聞き逃さなかった。
凛月「なんで、何でお前がミライのことを知ってるんだ!!!」
思わず少女から距離を取る。
黒「そんなに警戒しなくても良いのに〜別に殺そうって訳じゃ無いんだしさ〜」
訳がわからない
(何故この世界で天月未来を知る人物がいるんだ、コイツは!何者なんだ!)
黒「ん〜じゃヒントをあげる!私は貴方の近くにずっといた存在です!」
凛月「近くに?いた?」
黒「うん!ずっと貴方を見てたよ!前世もその前もね!」
ふふっと笑う少女は、今の俺には悪魔に見えてしまった。
凛月「黒が何でミライを知っているか知らないし、お前が教えないならもう良い、だからこれだけ答えてくれ」
俺の言葉を聞くと少し残念そうな表情をし
黒「良いよ」
その一言だけ言ってくれた。
凛月「黒、君は何をしに俺に姿を見せたんだ?」すると少し考えた後
黒「言うなれば、未来の投資、かな」
そう言うと黒はエーティの元まで歩みを始めた。
凛月「何を、」
すると黒がエーティの頭蓋に手を当て詠唱を始めた。
黒「来たれり来たれり、我の名は黒、今この者の天命をこの地に君臨させたまえ、代償はこの者の権限と権利。魔法発動【エンジェルブレシング】」すると、目の前に四つの羽を持つ天使らしき存在が現れ。エーティを眩しい光で包み込んだ。
凛月「黒!」
思わず手を前に出し右足を一歩前に踏み出す。すると時間が再び動き始め、最後に黒の声が聞こえた。
黒「もう少し話したいけど時間切れだね〜んじゃ!まったね〜」
そう言いプツリと声が途切れた。
ここだけの話、実はもう一つ新しい作品を投稿しようと頑張っているので期待してて下さい!