サッカーのルール(VAR)
今回はVARについて。VARとは「ビデオアシスタントレフェリー(Video Assistant Referee)」の略称となります。
今期のJリーグからも導入されています。
ただ「試合に常にVARが介入するのか」というとそうではありません。サッカー競技規則の該当箇所を下記に抜粋します。
※前回同様、文言は競技規則のままですが、記号は修正、追記しています。
--抜粋ここから--
○レビューの対象となる、試合結果を左右するような判定や事象
試合結果を左右するような判定や事象のうち、以下の「4つに関係する場合」に限り、主審はVARから援助を得ることができる。あらゆる状況において、VARを用いることができるのは主審が(最初の)判定(プレーを続けさせる判断を含む)した後、または著しく不正な出来事が見逃された、あるいは審判員から見えなかった場合に限る。
主審の最初の判定は、「はっきりとした、明白な間違い」があった場合を除いて変更されない(オフサイドなど、他の審判員からの情報に基づいて主審が下した判定を含む)。
「はっきりとした、明白な間違い」または「見逃された重大な事象」の可能性がある場合、レビューの対象となる判定や事象は以下のとおりである。
a. 得点か得点でないか
○攻撃を組み立てている間や得点時の攻撃側チームによる反則(ハンドの反則、ファウル、オフサイドなど)
○得点前にボールがアウトオブプレーになったか
○得点か得点でないかの決定
○ペナルティーキックを行う時のゴールキーパーやキッカーによる反則や、攻撃側または守備側の競技者がペナルティーエリアへ侵入し、ゴールポスト、クロスバー、またはゴールキーパーからボールが跳ね返った後、プレーに直接関与した場合
b. ペナルティーキックかペナルティーキックでないか
○攻撃の組み立てからペナルティーキックが与えられるまでに攻撃側チームが犯した反則(ハンドの反則、ファウル、オフサイドなど)
○その事象が起こる前にボールがアウトオブプレーになったか
○反則が起こった位置|(ペナルティーエリアの中か外か)
○誤ってペナルティーキックを与えた
○ペナルティーキックの対象となる反則があったにもかかわらず罰しない
c. レッドカード(2つ目の警告(イエローカード)でない)
○決定的な得点の機会の阻止(特に反則のあった位置と他の競技者の位置)
○著しく不正なプレー(あるいは無謀なチャレンジでないか)
○乱暴な行為、人をかむ、または人につばを吐く
○攻撃的な、侮辱的な、または下品な身振りをする
d. 人間違い(レッドカードまたはイエローカード)
主審が反則の判定を下し、反則を犯した(罰せられた)チームの別の競技者に対してイエローカードまたはレッドカードを示した場合、反則を犯したのは誰なのかをレビューすることができる。ただし、得点、ペナルティーキック、または退場に関わる事象の場合を除き、その反則そのものをレビューすることはできない。
--抜粋以上--
主審がVARを使う機会は「得点機」「ペナルティーキックかどうか」「一発レッド確認」「反則時に提示した警告対象の誤り確認」です。
ペナルティーエリアより外側での軽度な反則(一発レッドレベルではない反則)のレビューでVARを用いることはできません。
※VARはあくまでも主審をフォロー(アシスタント)するもの。上記以外で主審の判定を左右することはありません。
なので試合観戦をしているサポーターが、ペナルティーエリア外でのファールすれすれのプレーを見て「今のファールだろ! VARしろ!」と言っても、ほとんどの場合は行うことができません。
今回のVARについて「試合中、常に使われるものではない」ものであることを心に留めておいていただければと思います。