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お虎さんの苦労 3

あの子はしばらく放っておくことにして、

私はキキちゃんとユキちゃんを叱るために探す。

「あんたのせいで追ん出されたやん!」

「そっちのせいよ!」


裏庭にある運動場から大声で喧嘩を続けているのが聞こえ、

私は"変身"して二人がいる裏庭まで走った。

運動場に着くとキキちゃんは刀の柄を握って、ユキちゃんは魔法陣を今にもキキちゃんに向かって飛ばそうとしていた。今にもお互いに飛びかからん勢いでにらみ合っている。



「がおう!」

私は慌てて二人の間に入った。


「「お虎さん……」」

二人は睨み合うのをやめて私の方を見る。

「あなたたち、あの子を取り合って喧嘩しないの、あの子が誰の後輩になるかはあの子が決めるんだから。」

私は、キキちゃんとユキちゃんに向かって言う。

「「はい」」

キキちゃんは刀を鞘に戻し、ユキちゃんは魔法陣を消した。

「というか、あなたたちは喧嘩始めてからずっと自分の仕事をしてないでしょう。今すぐしなさい。」

「「はい」」

とどこかションボリした雰囲気で二人とも仕事をするために部屋に戻った。

さてと、静かになったところで私のお昼ご飯を取りに行こうかと考えた時、その声は家中に響いた。


「きゃああ、何なのコレェー!」

今度は何?あの子の部屋から聞こえてきたみたいだけど、何かあったのかしら。

私はあの子の部屋に向かった。


バンッ


「どうしたの!そんな大声で叫んで!」

私は部屋に入ると同時にあの子の方を見た。

あの子は自分の背中を見ながら驚いていて、私も何にあの子が驚いているのかわからなかった。

あの子はゆっくりと、背中から私に目を向けた。

「大丈夫?」

と私はあの子に聞いた。すると


「と、虎がしゃべってる。」

と言った後、白目を向いて気絶した。


あ、そういえば私、変身したままだったわ

お虎さんの苦労・終

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