私は空を飛んだ。いや、飛ばされた。4
キゾク?オニ?コンヤクハキ?
まあ、オニは鬼だとわかるけれど、
キゾク?
私が知っている貴族と多分違うだろうし、
コンヤクハキ?あのキキとかいう女の子も言っていたけど、これもよくわからない。
私が知っているコンヤクハキは、
結婚の約束をしていたけど、それを破棄する
婚約破棄だ。
でも、話の流れからしてこの婚約破棄とは違うような気がする。それに私は一般的な中流家庭に生まれ、お母さんとおばあちゃんの二人が残したお金でほそぼそと暮らしていた卒業式を間近に控えていた女子高生だった。物語に出てくるようなお金持ちの女子高生見たいに破棄されるような婚約をそもそも結んでいない。
私が鬼になった?
キゾク?
私もコンヤクハキ?
色々とよくわからないから布団の中から女の人に向かってきいた。
「えっと、私が鬼になったってどうゆうことですか。
それにキゾクやコンヤクハキってなんですか。」
「キキちゃんからそこのところ教えてもらっていなかったの?」
「……はい」
布団の外で女の人がボソリと「キキちゃん、初めてこの子見たとき、なんで教えなかったの」
と布団をかぶっているので見えないがうなだれているような気がした。
「キキちゃんに教えてもらえなかったのね。えーと、
貴女は一回死んでいるのよ。
それで鬼、鬼に属するって意味の鬼属になっちゃったのそれで、……」
貴女は一回死んでいるのよ。
そう言われて頭が痛くなった。
やっぱり、私、死んじゃったんだ。
気がつくと私はワーッと声を出して泣いていた。
布団の外で、話している途中に急に泣き出した私を気遣うように女の人は話すのをやめた。
「ごめんなさい、いきなり死んでしまいましたって言われても困るよね。ここがどこだかもわかっていないようだし、また落ち着いたら話すから。
ここにお昼ご飯置いておくから、お腹空いたら食べてね。」
そう言って襖を開けて、出て行った。
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