2/14
私は空を飛んだ。いや、飛ばされた。2
フーフフ、フフフ、フフ、フフーフフ、フフフ
誰が鼻歌を歌っている。
死んで痛みに苦しんでいたはず
目の前に真っ暗な世界が広がっていて、地面もあるようでないような場所に私と同じくらいの歳の女の子が
鼻歌を歌いながら、私を背負って走っている。
ぼんやりと見ていると女の子は振り向いて私の方を見た。
「起きた?」
そう私に聞いてきた。
黒い髪を二つに分けた三つ編みで、大きな眼鏡を掛けどこか古いドラマに出てくるような赤いリボンのセーラー服を着ていた。
「うん、あなた、 だれ? 」
とにかく、私を背負ってくれている女の子のことが知りたかった。
「うち?ああ、うちはコンヤクハキのキキ。あなたの先輩やで!」
そう言うと頭の両側に赤黒い角が生えて、耳がとがった。
その姿は、絵本で見た鬼の姿そのものだった。
地獄の住人かはたまた私を食べるつもりなのか
「きゃあああ、オニィィ!?」
奇声を発しながら死んでるはずなのに気絶した。
それが鬼々姐さんとの出会いであり、
私がコンヤクハキとして生きる事の始まりだった。