私は夢だと思いたい。2
女の子は私がいる布団の横に来て座ると、籠の中をゴソゴソと言わせ、糸切りバサミと針がいくつも刺さった針山を出した後何かを探し始める。
見たところ目と髪の毛の色が変わっている以外は、普通の人間ぽかった。
さっき聞いた声からして、あの時にキキとかいう子と言い争いながら入ってきた方の子だとおもう。
「何をしているのですか。というか誰?」
私は思わず女の子に聞く。
女の子は私をジィーとを見て、しばらくして答えた。
「ああ、私はユキ、あなたの傷を縫いに来たの。」
そういうとまた籠の中をゴソゴソさせながら何かを探し始めた。
この女の子はユキという名前らしい。
傷を縫いに来た?、どういう意味なんだろ
もし傷なんて開いていたらだいぶ痛いはずだし第一これは夢だ、傷なんかあるはずない。
強いて言うなら、さっきまで動いた両足が動かないというか感覚がない。まあ夢だしいわゆる金縛みたいなことかなと思っている。
しばらくするとユキさんは何か見つけたようで、それは、艶があり濃い紫色の糸束だった。
「あったあった、これがあなたにちょうどいい糸の色だ。」
その糸を糸切りバサミで切ると
針山にさしていたたくさんの針の中で、黒い色をした針を取りそれに糸を通した。
「ごめん。布団邪魔だから。」
ユキさんは布団を私から脱がした。
「うあ、いきなり何……なにこれ」
布団を脱がされて私の足が目に入る。
私は目を疑った。




