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吟遊詩人の流離い歌

盲目の預言者

作者: 綾織 吟

彼は目が見えなかった。なんでも生まれつき目が見えていなかったらしい。

真っ暗で何も見えない世界で育った彼は音や匂いを頼りにして生きてきた。

彼はある時、なにも見えなかった真っ暗な世界に唐突にある光景が目の前に広がった。眼をとしようと閉じまいとその光景が消えることはなかった。目の前に広がったのは自分が生まれ育ったであろう村の光景だった。その村が一瞬にして炎に焼かれ、廃村と化したのだ。

それ以降、彼は多くの光景を見た。しかし、そのことを誰に聞いたところで「そんなことはなかった」と返されるばかりだった。だが、数週間もするとみたその光景が現実の物となった。

彼は知った。自分が見た光景は自分のものであると。

後に、彼は預言者と呼ばれるようになった。

目の見えない盲目の預言者。その力を馬鹿にしようと後にそれが真実になったことは事実であり、それは必然でもあった。

世界の終焉を見た彼、その事実を誰にも告げることはなく、最後には自分の死を見た彼が人知れず死んでいったということも真実であった。

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― 新着の感想 ―
[一言] はじめまして(・∀・)♪ 読ませていただきました* とても面白かったです\(^O^)/ これからも頑張ってください(*^-^*)
2012/09/28 16:49 退会済み
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