表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/13

第九話「国を建て直してみよう 中編」


 第九話「国を建て直してみよう 後編」



 激闘の末負けてしまった真斗。しかし何とかリュートという仲間を手に入れることに成功した。


 次なる目標は更に仲間を集め、本格的に国を立て直す事だった。


 


 ***


 「今からどうするんだ真斗」


 昨日の死闘の末に仲間になってくれたリュートが声を掛けてくる。


 俺は机に突っ伏したまま返事をした。


 「とりあえず朝から人材雇用の面接が始まる予定。これはジャンヌさんに任せてるからいいとして・・・んで俺は今から御忍びで視察に出るつもり」


 リュートが眉を顰めた。


 「いやいや、リュートさん?遊びに行く訳では無いんだよ?あくまで視察。この国の商業とか見ときたいし、それにめぼしい人材が見つかるかもしれないからな」


 しばしの沈黙。なんか空気が痛い。


 「お前の言う事も最もだ。だがその間俺は何をすれば良い?」


 「決まってるじゃないか」


 俺はリュートを見据え、ストレートに言った。


 「リュートはニブルヘイム軍の再建を頼む。聞けばリュートは前の軍の実権を握ってたそうじゃないか。だったらその経験やら人脈を使って軍の再建をしてほしい」


 「期間は?いつまでに再建すればいいんだ」


 「そうだな・・・」


 俺はそこまで考えていなかった為、一度考え込む。


 メンバー集めに鍛え直し、新人育成もあるよな・・・ 


 「とりあえず二日以内に人員を確保してくれ。そこまで出来たら後は訓練なり自由にしてくれていい」


 「承知した」


 それだけ言うと颯爽と出て行こうとするリュートに俺はもう一度声を掛ける。


 「リュート、もう一つ用事があった。軍の人員確保のついでに魔導に長けた奴を探して俺の元に連れて来てくれ」


 「ふむ・・・それも承知した。では行って来る」


 そしてリュートは足早に部屋から出て行った。

  

 「じゃ、俺も町へ繰り出すとしますか」


 誰もいなくなった部屋で俺はゆっくりと腰を上げた。



 ***ニブルヘイム城下街***


 部屋をでた後、俺はさっそく町へと繰り出した。


 こっちに来てからの初めての自由行動。自然とテンションが上がる。


 幸いジャンヌさんからお金(こちらでは一円=一ミラ)を貰ったので買い物もできる。

 

 「なんか食いながら探そかな」


 そんなことを言いながら町の大通りを歩く。


 国として機能してない割には街は驚く程賑っていた。商店街のように、色々な店が道の両側に並び多くの人が行き来している。


 商業活動が衰退してる訳では無さ気だな・・・とすると上手く機能してないのは政治だけ・・・か?


 まだ結論出すのは早いか・・・もっと見て回らないとな。


 「ちょっと!!そこの坊やっ」


 背後から誰かを呼ぶ声が聞こえる。


 俺か?確かに童顔だが坊やって歳ではないぞ。


 そう思いながらも一応、声のする方を振り向く。


 かっぷくの良いおばちゃん(背中から羽が生えていて鱗がある。竜と人を足して二で割ったような風貌)が、案の定俺の方を向いて手招きしていた。


 「なに?」


 俺はそっちに歩み寄っておばちゃんに尋ねた。


 「これを買わないかい?」 


 おばちゃんはどうも商売人らしい。俺が歩み寄るや否や、さっそく食べ物を売り付けてきた。


 串に鳥らしき物が刺さっていて、スパイシーな匂いが鼻をくすぐる。


 「これなんて食い物なの?」


 日本で言う焼き鳥に似ているが決定的に違うのは鳥が丸ごと刺さっていること。


 「あんたこれを知らないのかい?」


 おばちゃんが信じられない目でこっちを見ている。


 そりゅ知らないよ、こっち来たばかりだし。


 「俺ニブルヘイムに来たばかりでさ、ここの事良くわからないんだよね」


 少し困ったように弁解する。ていうか俺が魔王だって気付かないのか?


 おばちゃんはそんな俺の疑問を他所に簡単に料理の説明をしてくれた。


 「これはキュイって名前でね、見たまんまだけど鳥を香辛料で焼いただけのシンプルな料理さね」

 

 「へ~」


 俺は感心しながらその説明を聞き終えた。


 「安くしとくよ?魔王さま特別価格で5ミラ」


 「よし買った!!」


 「毎度あり~」


 ・・・はて?何かを聞き落しているような・・・


 「おばちゃんさっきなんて言った?」


 「魔王さま特別価格かい?」


 「気付いてたのかよ!!」


 おばちゃんはそりゃあ気付くさとか言いながら笑っている。


 「なんだよ~」


 「で?それは置いといて何で魔王さま一人でこんなとこにいるんだい?」


 俺はキュイを頬張りながら問に答える。


 「視察というかなんというかニブルヘイムの人の様子を見にきた、ついでにブラブラしようかなとね」


 本音を入れつつ目的を話す。おばちゃんは時折頷き最後に一言。


 「つまり遊んでいると」


 「なんで最後のブラブラだけピックアップした?」


 「冗談さね。どうだい?見た感じは」


 「想像よりはかなり活気があった。だから市場に関しては特にないのかなあと思ったりしたんだけどね」


 思った事を言った。


 「そうだね~魔王さまの言うとおり。市場に関しては特に問題は無いよ、工業に関してもあんまり問題は聞かないね~」


 「そうなんだ?」


 「そうさ。税金が重い、職業が自由じゃないのは政治の問題だろ?だから特に人の問題は無いのさ」


 ふむ・・・やっぱり政治だけか


 俺はそこまで聞いて、店先から立ち上がった。


 「ありがとおばちゃん。参考になったよ。キュイも上手かったし」


 「そうかいそうかい、まあがんばりなよ若き魔王さま」


 「うん。それじゃあね」


 俺はそう言って店から立ち去った。


 店から出ると丁度時刻は昼。


 そろそろ引き上げて、人材がどうなったかを聞かなきゃな。


 俺は城へと足を向けるがふと立ち止まった。


 ・・・声?


 路地裏からか弱い悲鳴が聞こえたような。


 俺は少し早めに歩きその悲鳴が聞こえた方に歩いた。


 また悲鳴が聞こえる。


 間違いない!?


 俺はその路地裏へと飛び込んだ。


 案の定というかそこでは数人の柄の悪い男に幼・・・小柄な女の子が危害を加えられていた。


 「てめえら何してやがるっ!?」


 俺はすかさず女の子を守る形で間に割り込んだ。

 

 「なんだてめ・・・え?」

 

 男の一人が俺の顔を見て固まる。俺が魔王だと気付いたか?


 「大の男が数人で弱いもん苛めかおい、いい趣味してんな」


 「ああ?」


 「おいやめとけ。こいつ新しい魔王だぞ」


 「「まじ!?」」


 空気が固まる。


 これはチャンスだな。


 俺は女の子の手をとり男の一人を蹴飛ばす。


 「あばよっ」


 そしてそのまま逃走。偉い人が言いました。三十六計逃げるに如かず。


 どれくらい走っただろうか?


 息があがったので一度止まる。


 しんどいわ~。


 「大丈夫か?」


 走るのに夢中であれだったが女の子の方を振り返って安否を確認する。


 「うん・・・大丈夫」


 美幼女だった。外見はさっき行ったように幼女。髪は地面に着きそうなほど長く、銀色。


 顔も幼きながらものすごく美しい顔をしている。


 俺はその子を前に一瞬固まったが気を取り直して、尋ねる。


 「えっと名前は?」


 「・・・ヒナタ」


 透き通る声。


 「そっかヒナタか・・・お家は?」


 「・・・無い」


 WHY?


 「なんで?」


 俺は若干戸惑いつつもヒナタに問う。


 「歩いてたら・・・ここに辿りついたから・・・」


 俺はそれを聞いた瞬間、ヒナタの手を取って、魔王城へと歩き出していた。


 はいなんか中途半端ですよ・・・


 まじでごめんなさい。


 ほんとはもっと上手く行く予定でしたけどね・・・


 というわけなので、次回も国を建て直してみようが続きます。


 ご了承ください。


 早ければ明後日にはアップしたいと思います。


 新キャラ登場です。美少女。


 作者の趣味が軽く入ってるかなw


 今回もお付き合い下さりありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ