第七話「魔王になるためには・・・後編」
お詫び
友人に指摘され発覚したのですが、感想の受付けをユーザーからのみに設定したままでした。
もし感想を書いてくれようと思って出来なかった皆様、申し訳ありませんでした。
設定は直しましたので、これから感想を書いて下さるとうれしいです。
第七話「魔王になるためには・・・後編」
謎の人体実験室・・・もとい特殊能力計測室でジャンヌの一言によって気絶した真斗。
次に目覚めた時、彼は怪しいベットの上に寝かされ、逃げられないよう鎖らしきもので縛られていた。
***
・・・何で俺、鎖で縛られてんだろ・・・
ジャンヌさんの一言で気絶した俺は、目が覚めるとベットの上に拘束されていた。
「あら?お目覚めになられましたか?」
不意に頭上からジャンヌさんの声が聞こえる。
「ええ、こんな素晴しい目覚めは中々ないですね」
俺は精一杯の嫌味を込めて返事をした。
しかし、
「真斗様・・・緊縛プレイがお好きで?」
彼女に嫌味は通じなかった。しかも変な性癖付けられた。俺にそんな特殊な趣味は無い。
「んな訳無いでしょう・・・
で?此れは何の真似ですか?」
体に巻き付けられた、鎖らしき物を見ながら俺は尋ねた。
「ジャンヌさんこそ緊縛するのがお好きで?」
冗談半分で付け加えたその言葉。俺は次の瞬間激しく後悔するはめになった。
ジャンヌさんは妖艶な笑みを浮かべ、
「ええ、縛るの大好きなんです」
と、一言。
寧ろ質問した俺が回答に困る。思わずフリーズしてしまい、嫌な沈黙がジャンヌさんとの間に流れ出す。
「さて、冗談はさておきです」
「今の冗談かよっ!?」
余りにも驚き過ぎて一瞬、敬語が抜ける。
「何を仰られるのですか?私のちょっとしたジョークに決っています。空気が暖くなったでしょう?」
「俺の心は絶対零度並の冷たさになってるけどね・・・」
最早や、突っ込むのもめんどくさい。俺は、項垂れながら強引に話を戻した。
「で?俺のこの状況・・・「私の趣味です」
「もういいよっ!!」
くそっ。また突っ込んでしまった。
「真斗様?息が荒いですよ?どうかされたのですか?」
「あんたのせいだよ!!」
このひと、ドsか?・・・さっきからなんかうっとりしてんだけど。
「はぁ・・・」
溜息を就いて話をもう一度元に戻す。
「何なんですかこれは?いい加減説明して下さい」
「ノリの悪い人ですね・・・まぁいいです」
ジャンヌさんはそこで一呼吸置いて、ここまでの経緯を話し出した。
「ここが特殊能力計測室だというのは先程言いましたね?そして、真斗様が寝ているそのベット。これが特殊能力を図るための物ですここに寝ることによって特殊能力が自動的に計測されます」
「ちょっと待った・・・寝るだけで良いなら何で縛られてる?」
「そして真斗様の特殊能力についてですが・・・」
完全に質問スルーされたよ?
ジャンヌさんは俺の問を無視しそのまま説明を続ける。
無理に聞いても良かったが聞いてはいけない気がしたので止めた。
再びジャンヌさんの解説に耳を傾ける。
「真斗様の特殊能力は・・・ありません」
ズッコケタ。吉本○喜劇ばりの転けかただった。
「大丈夫ですか?」
ジャンヌさんが起こしに来ようとするが、それを手で制す。
「大丈夫です。というよりそれはどういうことですか?」
「簡単に申しますと、真斗様には特殊能力がまだ身に付いておりません」
「まだ?」
「はい、本来特殊能力とは、こちらの世界で生を受けた者に備わり、その者にしか使えない不思議な力。しかし真斗様はこちら出身ではない。だから特殊能力が無い・・・・・・ですが」
一度言葉が途切れる。俺は生唾を飲み込みながら次の言を待った。
「ですが、こちらの世界に存在していることは事実。だとすれば、こちらの世界に馴染んで来れば、特殊能力も目覚めるはずです」
「はず?」
確かな情報じゃないのか・・・
「ええ。あくまで可能性の話です。そもそも真斗様のような異世界から来た者は過去一人もいません。ですから分からないのです」
「なるほど・・・」
俺が一人目だからこの世界側からしても判らないことだらけなわけだ。
にしてもいい加減な事してくれやがりましたね?
行き当たりばったりな感じがぷんぷんしますよ。
「ということですので特殊能力については追い追い解明していくことにしましょう」
「なんか縛られ損な気がしないでもないけど、しょうがないですね」
***
こうして真斗の特殊能力獲得は先延ばしされたのだった。
この先彼はこれを手に入れることができるか。
こんばんわ
今回の話は主人公の能力についてでした。
そして、次回から本格的に魔王として始動する真斗となります。
今回も最後までお付き合い下さりありがとうございました。
ご意見、ご感想ありましたらよろしくおねがいします