第二話「突然の出来事」
第二話「突然の出来事」
小鳥遊 真斗はごくごく平凡な青年だった。取り立てて頭が良いわけでもなく、運動神経も普通。友達も親もきちんといる。高校にだって通っていた。人並に恋愛もして穏やかで幸せな人生を送っていた。
しかし彼の普通な日常は唐突に終りを告げ、代わりに非日常的な毎日が彼を待っていた。
****
チャイムが鳴り、皆が荷物を片付けだす音が聞こえて来る。
授業が終わったらしい。
俺はゆっくりと体を起こし、周りを見渡した。
既に帰宅している奴もいるのか、クラスの人間の半分しか教室にいない。
「じゃあ 俺も帰りますか・・・」
軽くノビをして椅子から立ち上がる。と同時に何も入っていない鞄を肩に下げる。
さあ帰ろう!!今日も帰って新作のゲームするんだ。(キリッ
と意気込んだがしかし、俺の前にある人物が立ちはだかった。
あきらかに俺が帰るのを邪魔してやがる。
俺はそいつに睨みを効せながら一言。
「さよならっ!!先生っ」
と同時に俺は脱兎のごとく駆け出した。
後ろから何か聞こえてきたが気にしない。
俺はそのまま家へ帰る道へと走り込んだ。
***
「・・・危なかった」
学校から逃走して約五分。ついに教師を振り切った。肩で息をしながら両手を上げる。
・・・やったぞ俺はっ!!
と勝利の余韻に浸ったものの、俺はもっと重要な事に気付いた。
・・・・・・・ここどこよ?
五分前、学校から出て来たのは確かだ。そして帰路に着いたのも間違ってない。でもここがどこか分からない。
「もしかして迷子・・・」
齢18にしてまさかの迷子。今時の小学生でもなんないよ。迷子なんて。
「まあ、いいや携帯もある・・・・・し」
俺は学生服に手を突っ込んだまま立ち尽した。
まさか・・・そんなはずは・・・
「がっこに携帯忘れたっ!?」
知らない道に携帯も無し。辺りに人気もない。しかも既に日が暮れはじめている。
「こりゃーまずいんじゃないのかな」
本当に困った状況になった。来た道を戻ろうにもどっちから来たか分からない。
こういう状況は無闇に歩き回るとどつぼに嵌る。下手に動き回らない方が良いけど・・・
俺は頭を抱えた。何もこの状況を打開する案が思い浮かばない。
「仕方がない。こういう時は・・・民家を尋ねる!!」
という事で尋ねてみた。
結果、誰もいなかった。
繰り返す。
返事がない。ただの留守のようだ。
「ちくしょーーーーーー!!何で誰も居ないんだよっっ(泣)」
結果何件もの家を回ったが人所か虫一匹見付かりませんでした。
俺はまた頭を抱えた。こうしている内に辺りは暗くなっている。何か手を打たねば・・・
ん?
俺はあることに気付いた。足元が何故か光っている。しかもどこかで見たことのあるような幾何学模様が浮かんでいる。
背中を悪寒が走る。本能が逃げろと叫ぶ。
ここにいてはまずい。それを本能的に悟る。
しかし体が動かない!?
「ちょっ、これ、やばい感じがプンプンするんですが・・・っ!?」
突然、淡い光が体を包む。
俺はその瞬間、体の感覚が失くなるのを感じた。
そしてその後意識を失った。
さっそく二話目投稿です。
主人公が何者かに誘拐されるまでのお話。
正直あんまり今回は面白くないかもですが、お許しください
次回は向こう側にたどり着いた真斗のお話の予定です。
それでは今回も最後まで読んで下さった皆さん、ありがとうございました。
ご意見、ご感想ありましたらよろしくお願いします。