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14 仲間たちのそれぞれの戦い

その頃篝は・・・。


「なかなかやるねえ・・・ボウヤ」


「そこまで年は若くはないぞ??オバサン」


外では篝が若い男と戦っていた。しかしどうも押され気味である。


「貴様が現炎術師最強なのか??笑ってしまう!!こんなにも炎術師とは弱くなってしまったのか!!」


跪く篝に罵声が浴びせられる。そして。


「天使の力に屈指よ!!」


しゅぱぱぱぱ!!


天使の羽が篝の体に突き刺さった。


「ぐあああぁぁぁっぁっぁ」


篝は悶絶する。体中から血が噴き出す。


「ふあはははっは。止めだ!!」


「止め??」


とたんに空気が変わった。そこには・・・。


「なぜ立っていられる!!先ほど杭によって四肢を射抜いたはずだ!!」


「ァ~これね、こんな痛みなら・・・家族を殺されたときに心の痛みのほうがずっと痛かったよ!!」


「な!!??」


「けちらせ!!サラマンドラ!!」


高速で描かれた魔法陣からはトカゲの形をした炎をまとった怪物が現れた。


「久しいね~」


サラマンドラを撫でながらつぶやく。すぐにきっと目を睨みに戻す。


「あいつを・・・天使を殺してきな!!」


恐ろしい表情になった。あまりの恐ろしさに思わずたちろぐ。


(ばかな・・・なぜ私が恐怖しなければいけないんだ??)


焦る若い男。それに呼応して天使も弱る。


「まずい!!やつの殺気に飲まれるな!!」


「ぎしゃああぁぁぁっぁぁ!!」


天子に向かって炎弾を繰り出すサラマンドラ。しかし天使の羽を数本打ち落とすくらいしかできなかった。それでも繰り返し攻撃する。天使も負けじと羽をサラマンドラに突き刺して抗戦。しかしサラマンドラは弱る気配がない。むしろだんだんと天使の羽が消えてくる。


「なんていう防御力だ・・・」


「私はね・・・目の前で大切な家族を殺された・・・。なぜか私は強姦にあっただけで助かった。でも殺された家族は帰ってこなかった。だから私は耐えた。あの悲しみを!!辛さを!!だから私にとって耐えることは取り柄なのよ!!」


ついに羽が安定を失い地面に天使が墜落した。それをサラマンドラが大口あをあけて飲み込んだ。


「ぎゃあああぁぁぁっぁぁ」


この世の叫びとは思えない声が響く。驚愕する若い男。おそらく初めての敗北なのだろう・・・。


「貴様には弟子たちがお世話になったな」


「ああぁぁ・・・」


「たっぷりとお返ししてやるよ!!」


「ぎゃああぁぁぁっぁ!!」


「バースト・ハンマー!!」


紅蓮に輝く炎のハンマーが叩き下ろされた。ぐしゃりと音がしたが篝は見向きもせずにサラマンドラにキスし、魔法陣を消す。


「あの子なら神の扱い方に気づくでしょうね」


心の中でつぶやく。だって私の大切な教え子だから・・・。


ここは神父と戦っている姫・影だ。


「哀れな子供よ・・・神の裁きで改心せよ」


次々と振ってくる雷に何とか炎で防ぎながら戦う影とその隙に拳銃で攻撃する姫がいた。影は炎を出せるくらいしか力があらず、むしろ炎による幻覚を見せ敵にまぎれるという得意技を持っているに過ぎなかった。更に姫は炎術師でないため、拳銃に頼るしかなかった。しかもまったく防御ができないので守ってもらうしかない。


「神を殺しし十字架・・・」


どがががぁぁぁん!!


宙から無数の十字架が落ちてきた。それを炎で防ごうとしたがあまりの力に2人とも押しつぶされた。


「あががぁぁぁぁ」


「ぎゃああぁぁぁぁ」


悲鳴を上げる二人。骨がかなり持っていかれただろう。


「あまり聞きたくありませんな・・・子供の悲鳴とは・・・」


泣きそうな声で言っているが顔は無表情。


「く・・・そお・・・」


痛みに耐えながら影が立ち上がる。小さな体からは血が流れていた。


「お前なんかに・・・焔さんの夢を壊させるか!!」


再び手に炎が出現した。しかし・・・。


「十字架・・・」


ばたんと目の前から倒れてきた。


「くっそーーーおおおぉぉぉぉぉ」


炎の出力を最大にして防ぐ。


「十字架・・・」


容赦なく後ろからも倒れてくる・・・。


(僕には無理なのか・・・・??)


しかし一向に倒れてこない。そこには・・・。


「姫さん!!」


姫が体を張って防いでいたのだった。炎術師でもない生身の女が神の力を防いでいた。


「神に抗うか・・・人間・・・」


「生憎だが僕たちは無宗教だからね」


「そうそう、神とかはいてもどれが正しいとかは関係ない」


「神に抗いし人間・・・」


「「紅也の夢を守る!!」」


「人間・・・」


そして影は今ならいけると直感した。自分の中に何かが生まれたことを感じだ。


「これが僕の力だ!!」


拳に炎をまとわせる。青白い炎だ。


「聖火・・・神を焼く炎・・・」


顔が崩れる神父・・・。中からは光り輝く羽を生やしたものが出てきた。


「あれは・・・」


「天使だね・・・」


拳を構えたまま止まる影。拳銃を構える姫。それらと退治するのは天使。


「人間・・・神に背きし存在・・・コロス」


「勝手に玩具扱いするな!!」


影は走り出す。しかしこのままでは回避されてしまう。一箇所にとどめなければ・・・。


「やるしかないわね・・・」


姫は拳銃を構え近くにあった本棚などを固定していたボルトをはずし、タックルで天使のいる方向へ本棚を倒す。それを回避した天使だが、目の前には・・・。


「これで終わりだ・・・天使が!!」


炎をまとった拳が天使の頬にジャストミートした。ぶっ飛んだ天使は倒れて光の粒子となった。


「勝った・・・」


「勝った??」


そのままへ垂れ込んでしまう二人。相当疲れたのだろう。立ち上がることもできない。


「私インドア派だから明日は筋肉痛ね」


「あははは、僕はこれから前線で戦わなければ行けないですかね??」


「あんたの力じゃまだ焔みたいには戦えないわ」


「あの人は天才ですから・・・」


「あいつの強さは見えてるものだけじゃないの・・・」


「え??」


「もっと大切なものをあいつは持ってる・・・」

ここはカルマと氷河・空が戦っていた。十字架を剣に変えたカルマと炎の剣を操る氷河と遠距離から炎弾を着実に当てる空。完全に押していた。


「このクソガキども~!!」


完全に切れているカルマ。完全に清楚な女性という皮を破ってしまっている。


「おらおらどうしたシスターさんよ!!」


「このまま行ってしまいましょう~」


剣を振るう氷河。計算づくされた確実な援護の空。しかしこのくらいで負ける3忠臣ではない。


「このやろおおぉぉぉぉぉぉぉ」


カルマの体が崩れた・・・。


「何なの??」


「びっくりです~」


驚く2人の前に現れたのはまたもや天使だった。天使は2人に向かって羽を飛ばしてくる。


ひゅばばばっばばばば!!


それを炎で防御する。しかし一向に収まらない攻撃。反撃ができない。


「くそ!!何か策はないのか??」


「う~ん、いい策がありませんな」


防戦一方の2人。じりじりと交代してる。


「見つけました」


「本当か??」

ポツリと光を提示した空と喜ぶ氷河。


「あなたが怪物を出すのです」


「マジか・・・」


「それしかないです。僕が何とか防ぎますのであなたは早く魔法陣を」


「チクショウ!!分かったよ!!」


急いで描き始める氷河と耐える空。激しさを増す竜巻と羽による攻撃。防ぎきれずに切り傷を負う空。それでも耐える。決定的な切り札があること思い出したから。そして。


「できた!!」


しかしその瞬間・・・。


ずばばばばっばばばば!!


体中に羽を突き刺した空が倒れる。血を吐きながらつぶやく・・・。


「ごー」


「うおおおおぉぉぉぉぉぉ」


氷河は叫んだ。仲間が傷ついたから。そして自分は救われたから。


「だからお前を倒す!!出でよ!!神に仕えし堕天使・・・オファニス!!」


そこに現れたのは6枚の羽を持った堕天使だった。天使は攻撃を開始する。しかしそれを掻い潜り突き出た爪と手で天使を突き刺す。


「ぎいいぃぃぃぃぃぃぃ」


叫び声とともに粒子となって消えた。そして倒れた空の元へ急ぐ。


「おい!!倒したぞ!!」


「よくやってくれましたね~」


「まったく・・・あれはあまり使いたくないんだ・・・」


「ですよね~あれは女の子過ぎますからね~。男勝りな氷河ちゃんには似合わないですよね~」


「うううぅぅぅぅ、そんなこと言うな~」


顔を真っ赤にしながらぽかぽかと叩く。


「大丈夫か??」


体中に傷を負っている空。小さいからといっても女の子。服が所々切れて肌が見えていた。


「大丈夫ですよ~、これも作戦のうちです。これで焔ちゃんを・・・ぐふふふ」


「なんか怖いぞお前・・・」


そんな会話をしながら大広間を目指した。ほかの2組も同じだった。


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