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9 夏休みで パートⅢ

夏休み編第3弾!!

残り夏休みも1週間。夏休みの最後を彩るのはなんと言っても夏祭り・花火大会だ。そういう紅也たちはそれぞれ浴衣と甚平を着て祭りを謳歌していた。


「紅也!!今度はあれ食べよ~」


はしゃいでいるのは楓ではなく茜である。祭りも初めての彼女は子供のようにはしゃいでいる。妹たちはそれぞれの恋人と歩いている。そのため紅也と茜もカップルとして行動できているわけだ。それにしても興奮して時の茜の食欲には驚かされる。このまま行けば全商品制覇をしてしまいそうな勢いだった。それをほほえましそうに見つめながら購入しては一緒に食べている紅也。2人は笑顔だった。


しかしそんな楽しいひと時を破壊するやつらが現れた。人を押しのけてやってきたのは黒尽くめの男たち。ざっと10人はいた。紅也は茜をつれて走り出した。周りの人たちも場にふさわしくない男たちに白い眼を向けていた。そんな視線を無視して男たちは紅也たちを追いかけ始めた。


紅也たちは走ってコインロッカーに向かっていた。中には紅也の着るものが入っているのだ。茜をどこかに隠しておきたかったが奴らのほかにいたらどうしようもなかったので。


「今回ばかりは俺と行動してもらうぞ」


「へ??どういうこと??」


「今回お前をどこかに隠しても奴らのほかにいたら見つかって終わりだ。だから俺の傍にいてくれればいい」


「私が危険な眼にあってもいいの??」


「俺がさせない・・・」


「え??」

紅也はふっと笑いながらいった。


「俺がお前に指一本触れさせない!!」


決意のこもった宣言をした。


そうしてここは人気のない川原。黒尽くしの服装になった紅也は茜をつれてここに来ていた。程なくして男たちも到着した。


「われわれのボスからの命令だ!!お嬢様を返してもらおう」


男たちがじりじりと近づいてくる。


「生憎だがこの子を守ると約束したんでね。渡す気はさらさらないんだ」


茜を背中に隠しながらいう紅也。


「相談屋の“焔”よ。お前の強さは分かっている。だがわれわれに勝てないぞ。そうと分かっていても抵抗するのか??」


「生憎死ぬまでは約束を守り続ける主義なんでね」


「かかれ!!」


今度は武器を持った男たちが突っ込んでくる。発砲され、弾丸が飛んでくる。それを紅也は炎でブロックする。殴りかかってくる男たちの攻撃をジャンプしてかわし、木の棒で円を書く・・・。


「The world is created and five elements.(世界を創造し5つの要素)Flame of flame and revolution of flame and creation of destruction(破壊の炎・創造の炎・変革の炎)Before having called the birth angel from the flame here(ここに炎より生まれし堕天使を呼び出したまえ)The name is an aria.(その名は、アリア)[Ototenshi] [nari] of creation.(創造の堕天使なり)」


円の中からは女性の形をした炎の怪物が現れた。背中にはガーランドと同じく羽が生えていた。


「て・・んし??」


「違う。堕天使だ」

酷く疲労している紅也に肩を貸す茜。すぐに1人で立つ紅也。男たちはそれでも突っ込んできた。


「ツクル」


堕天使アリアは自らの炎から剣を作り出し。男たちと戦闘を開始する。武器同士がぶつかり、火花が散る。その火花から小さな槍を作り出し男たちに向かって放つ。それが突き刺さり刺さった痛みと追撃の炎の熱さでのた打ち回る男たち。それを見ていた茜は口を押さえてうずくまってしまう。


ドゴーン!!


何が起きたのかと紅也は顔を上げる。そこには崩れ落ちる堕天使アリアがあった。紅也は驚愕の表情をしていた。堕天使がただの人間に壊されるはずがないからだ。


「何もんだテメエは・・・」


そこにただ1人立っている男だと思っていた人物にたずねる。そこにいたのは腰まで伸びた髪を持つ女性だった。姿はシスター。手には十字架が握られていた。


「堕天使ごときが神聖なる神の力にかなうはずはありません」


女は淡々と話す。紅也はどうやって戦うかを模索していた。神の力に守られている女に攻撃が届くとは現時点でかなうはずがなかった。


「お嬢様を返していただきます」


「く!!」


「Please ..blocked hardship.. get on in front of me now and watch it to exceed it the god. Please the divine protection.(神よ、今我の前に立ちはだかる苦難を乗り超えるために見守っていてください。どうかご加護を)」


女の手には十字架ではなくステッキが握られていた。どうやら十字架が変形したものらしい。白く輝くそれから閃光が紅也に向かって放たれる。それを間一髪で回避するも、すぐに第2波が発射された。


「ぐは!!」


それが腹に命中し、勢いよく吹っ飛ばされる。

「紅也!!」


急いで駆け寄る茜。口から赤い血を吐き出す紅也。2人にゆっくりと近づく女。輝きを増すばかりのステッキ。紅也は炎の剣を作り出し。斬りかかる。それをステッキで受け止められ、更に閃光をくらい再び吹き飛ばされる。


「がは!!」


未知の攻撃によってぼろぼろの紅也。表情を変えずに近づく女。茜は腰を抜かせて立ち上がることができない。


「あなたはここで死ぬのです。神に逆らった堕天使に力を貸したことを、地獄で後悔するのです」


ステッキが今度は剣になり、紅也に斬りかかった。


「やめてー!!」


茜の叫びが響き渡った・・・。


ダーン!! グサ!!


銃声と何かに突き刺さる音が同時に聞こえた。女の剣を持つ腕には大きな穴が開いており、その剣は紅也のわき腹を突き刺していた。


「ぎゃあああぁぁぁぁ」


女はあまりの痛みに腕を押さえてのた打ち回る。


「ぐあああぁぁぁぁぁ」


紅也もまた止まらない血を何とか止めようと自らの炎で傷口を焼き、その痛みで悶絶している。


真っ白だった修道服が見る見る赤く染まっていく。女は何とか立ち上がるもその表情には怒りが浮かんでいた。


「おのれ・・・まだ神に抗おうとするのか堕天使の分際で!!」


怒りに任せた吐き捨てるかのような言葉に紅也は。


「俺は堕天使とか神とかは知らない・・・。だがこの子を助けるためなら何に対しても抗ってやるよ」


息も絶え絶えに言う。


「次にあったときにはお前を地獄に叩き落してやる!!」


「ああ・・・」


その言葉に切れた女は。


「私の名はカルマ。お前は!!」


「相談屋・・・コードネーム“焔”」


それを聞いた女は足早に消えてしまった。そこに残ったのは血だらけで倒れている紅也とその隣にいる茜だけだ。


「紅也??敵はいなくなったよ」


茜は軽く揺さぶって話しかける。紅也は口を動かさない。


「紅也??早く帰らなきゃみんな心配するよ」


先ほどよりも強く揺さぶって声をかける。それでも紅也は口を動かさない。


「・・・紅也??早く帰ろうよ・・・」


眼に涙をためながら話しかける茜。しかし動かない・・・。


「ねえ紅也!!」


大粒の涙を流しながら激しく体をゆする。涙が紅也の顔に当たる。それでも紅也は目を覚まさなかった。


気を失った紅也はその後携帯でなきながら119番通報した茜とともに病院に運ばれ7日7晩眠り続けた。茜は目が覚めるまで付きっ切りで看病した。篝にも連絡し相談屋の仕事を休むことを伝えた。傷はそれほど深くはなかったのが幸いだった。起きたときにはみんなから抱きつかれ危うく傷が開きかけたのはまた別の話だ。



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