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シャンテル王女は見捨てられない〜虐げられてきた頑張り屋王女は婚約者候補たちに求婚される〜  作者: 大月 津美姫
2章

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44 バーバラの呼び出し

 セオ国の王子たちとの交流を終えたシャンテルは、来週のお茶会に出席するために、その日の書類を片付けていた。気は乗らないが、バーバラに遅れずに参加するよう言われたため、開始時間までに会場入りするしかない。


 書類仕事を貯めないように、段取り良くやらなくちゃ。それからお茶会までに着ていくドレスや宝飾品も選ばないと。


 そんな考えで仕事を片付けた翌日。早朝からシャンテルの部屋にバーバラの侍女が訪ねてきた。サリーに身支度を手伝ってもらいながら、シャンテルは要件を聞く。

 

「朝食後、妃殿下の部屋に来るようにとのことです」


 バーバラからの呼び出しは、この前あったばかりだ。珍しい上に、こんなに早く次の呼び出しが来るなんて……と、嫌な予感がした。


 それでもいつものように、エドマンドのエスコートで朝食会へ向かう。昨日、ロルフに言われた通り、シャンテルはジョセフにも声をかけて今日から六人で、朝食と昼食を共にすることになった。

 始まりはアルツールと二人だけの昼食だった。それが朝食に広がり、更には大所帯となったため、比例して給仕を行う使用人の数も増えた。


 晩餐会の席以外でシャンテルが大人数で食事を摂るのは初めてだった。

 昨日の経緯を知らないアルツールは、急に人が増えたことに少し文句を言っていた。それでも、賑やかな食事の場は思っていたより楽しく感じたシャンテルだった。


 食後、シャンテルはエドマンドとカール、それからサリーを連れて、その足でバーバラの部屋に向かう。


「バーバラ妃殿下、シャンテルです」


 声を掛けると扉が開いて、中に通される。エドマンドはバーバラの部屋にに入れないため、シャンテルはサリーのみを連れて入室した。


「やっと来たわね」


 複数のネックレスを片手に持ちながら、鏡に向って身に付けるアクセサリーを選んでいたバーバラが態とらしく息をつく。


「そこに置いてある書類を任せるわ」


 そう言って、机に置いてある書籍ほどの分厚い書類を指し示した。それをバーバラ付きの侍女が手に取って、サリーに手渡す。


「妃殿下、この書類は?」


 恐る恐る尋ねると、「ジョアンヌのよ」と返ってくる。


「あの子は、私が主催する来週のお茶会の手伝いで忙しいの。だから、貴女が代わりにやって頂戴」


 こちらには目もくれず、淡々と告げられた内容に「えっ」と声が漏れる。書類の分厚さからして、どう考えても昨日までの分も含まれている。


「ジョアンヌはこれからお茶会で着るドレス選びもあるし、振る舞う紅茶の選定や賓客の招待リストを覚えてもらう予定よ。他にもやってもらうことが沢山あるの。それに比べて、貴女はいつも通りの公務と騎士団の訓練だけなんだから、時間があるでしょう」


 ドレス選びに関しては私も同じ条件だけど、つまりはジョアンヌの公務を肩代わりしろということ?


 シャンテルがそう思っていると、「お茶会当日もジョアンヌはおもてなしがあるから、お茶会までの分もお願いね。書類は貴女の執務室まで毎朝届けさせるわ」と声がする。


「くれぐれも来週のお茶会、遅れてはなりませんからね」


 改めてバーバラから釘を刺された。


 これは私をお茶会に行かせないため、もしくはお茶会に遅刻させるための企てね……


「妃殿下、この中には昨日の分も含まれていますよね?」

「気のせいよ」

「全て私が代わっては、ジョアンヌのためにならな──」


 言いかけた時、振り返り様に「口答えするんじゃありません!!」と、バーバラが手に持っていたネックレスをシャンテルに投げつけた。


 反射的に目を瞑って顔を逸らしたが、宝飾品の一部ががシャンテルの頬に直撃する。


「っ!」

「黙って言われたことをなさい!」

「……分かりました」

「話は以上よ! 早く出ていって頂戴!」


 怒鳴り声でそう告げられた。その間、バーバラがシャンテルを視界に入れることは一度もなかった。

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婚約解消寸前まで冷えきっていた王太子殿下の様子がおかしいです!

悪役令嬢にされてしまった公爵令嬢は未来の旦那様を探す旅に出たい〜それなのに、婚約破棄だと言ってきた王太子殿下が止めてきます〜
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