表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界おっぱい『おっぱいに誠実で何が悪い!〜異世界転生したら悪役令嬢の味方になってた件〜』  作者: 《本能寺から始める信長との天下統一》の、常陸之介寛浩


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/104

【第6話】 『おっぱいと政略のはざまで──学園潜入任務』

──その学園は、王都の北、丘の上に静かに佇んでいた。


 【王立乙女育成学園サン・ミネルヴァ】。

 王族・貴族の娘たちが通い、社交・魔導・礼儀・乳育(※一部実在)を修める、由緒ある乙女学園である。


 


「……なあ、これほんとに俺が行くの……?」


 拓真は、騎士団本部の窓際で首を傾げていた。


 手にした書状は、正式な任務指令──


 《乳詐欺潜入犯捜索。潜入先:サン・ミネルヴァ乙女学園。乳眼能力者を派遣せよ》。


 


「これ、完全にハニートラップじゃないですか」


「安心しろ。男子が学内にいるのは前代未聞だが、あくまで“監視目的の特例措置”として許可が出ている」


 と答えたのは、第三調査部隊長・ガロ少佐である。


 


「よいか、拓真。お前は今や“国家乳眼官”。この国の胸の平和を守るため、私たちはお前に全てを託す」


「……それを真顔で言えるあなたが一番すごいと思います」


「ちなみに、内部協力者をひとり用意している。学内の喫茶部門スタッフに、心強い者がいるはずだ」


 


 ──そして翌日。


 


「というわけで、如月拓真、乙女学園に潜入します……」


 騎士団の特殊制服から、貴族男子風の正装へ。

 魔導付き眼鏡と身分偽装魔法により、彼は“王都の名もなき侯爵家の末弟”として送り込まれた。


 


「男がいるって、ほんと?」


「でも……ちょっと格好いいかも……」


「でも変な噂もあるわ。“胸を見ただけで全てを暴く”とか……都市伝説じゃないの?」


 


 女学生たちの視線が、毎日刺さる。

 だが彼の目は──常に、乳に向けられていた。


 


「……昨日の子はナチュラル。乳眼反応なし。今日の子は……揺れが人工的! くっ、幻惑魔法か!?」


「ちょっと、あの男子……乳を“測って”るような目してない!?」


「キャー変態ー!!」


 


 騒動が起きるたびに逃げ回り、教室で“乳成分感知図”を描く日々。


 


 そして、ある日の昼休み──


 学園のカフェ《ル・ラパン・ルージュ》を訪れた拓真は、絶句した。


 


「いらっしゃいませ──って……」


 そこに立っていた制服姿の店員、それは──


 


「リリアーヌ!?」


「………………なぜあなたがここにいるの!?」


「いやいやいや、こっちのセリフ!!」


 


 まさかの再会に、場が凍る。


 


「っていうか、なんで君が学園カフェで働いてるの!? ここ、貴族令嬢の学び舎だよ!?」


「王立機関の副業紹介を通じて採用されたのよ。あなたが変態行為をしないように“監視役”としてね!」


「そんな……乳神様、俺を見捨てないで……!」


 


 カフェの裏に呼び出された拓真は、リリアーヌにしっかり説教を喰らっていた。


 


「仮にも騎士団官職に就いたなら、もう少し振る舞いをわきまえなさい! おっぱいしか見てないとか……何考えてるのよ!」


「いや、俺は乳の正義を見抜くために……!」


「そういうところよ!!」


 


 しかし、彼女は小さく笑う。


 


「……でも、少しだけ安心したわ」


「え?」


「あなたは、やっぱり変わってない。“胸に誠実なまま”なのね」


「……リリアーヌ」


「バカ」


 


 その言葉に、どこか照れくさそうに彼は笑った。


 


 だが──それを遠くから見ていた、生徒会の少女がひとり。


 金の瞳を細め、不穏な気配を纏いながら、静かに呟く。


 


「……あれが、乳眼の使い手──如月拓真。やはりこの学園に送り込まれたか」


 


 そして彼女の胸元には──**完全無音で揺れない、“魔法で構成された乳”**があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ