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異世界おっぱい『おっぱいに誠実で何が悪い!〜異世界転生したら悪役令嬢の味方になってた件〜』  作者: 《本能寺から始める信長との天下統一》の、常陸之介寛浩


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【第49話】 『国を越えて、胸を張る』

──王都・誠実乳育成塾、特別分校“第ゼロ教室”。


 


 会場には国際揺動文化会議(IBC)に参加していた各国の若き代表たち──

 主に10代後半〜20代前半の青年少女たち、計32名が集まっていた。


 


 乳の形、言葉、宗教、性別、そして揺れ方。

 彼らは皆、「乳とは何か」という問いに、それぞれの国で悩み続けてきた。


 


 その合同授業の講師として前に立ったのは、かつて揺れることに怯え、

 それでも“自分の乳を自分で選んだ”少女──エミリア=ハーツ。


 


 彼女が今日、世界中の“揺れの若者たち”へ伝えるのは、ただ一つのこと。


「乳は、“誇る”ためじゃない。“生きる”ためにある」


 


◆ ◆ ◆


 


 「こんにちは。今日は、言語も文化も違うみなさんに、ひとつお願いがあります」


 


 教室の中央に設けられた、乳動解析魔導板《M.P.A.》。

 乳の動きを五感的に可視化し、“感情との相関”を記録できる装置だ。


 


 エミリアはシャツの前を軽く開き、自分の胸に手を当てる。


 


 「私は、あなたたちに“揺れなさい”とは言いません」


 「ただ、“揺れることを選べるんだ”ということを、知ってほしいのです」


 


 「張ってもいい。沈黙してもいい。小さくても、大きくても、片方でも、なくても──

 あなたが“今、この乳で生きている”と感じたなら、それが誠実です」


 


 彼女の乳が、そっと揺れた。


 


 緊張、決意、そして静かな自信。

 揺れは明確に“彼女の言葉”を語っていた。


 


◆ ◆ ◆


 


 生徒たちが次々と前に立つ。


 最初は誰も、乳に手を置こうとしなかった。


 だが、沈黙の中でひとり──東方の仮面少女が、震える声で言った。


 


 「……私は、揺れないように生きてきました」


 「でも今日、この教室で、初めて……“私の乳が生きたがってる”って思いました」


 


 彼女が胸にそっと触れると、その場にいた他の生徒たちも、自分の乳に手を添えていく。


 


 「私は……この乳で、泣いた日がある。だから、笑ってもいいと許したい」

 「この形は、母から受け継いだものです。私は、誇りたい」

 「揺れは怖い。でも、“怖い”って言えるようになった今、私は張ってる」

 「僕は、男だけど……この胸を“誠実に育てたい”と思っている」

 「義乳です。でも、それを選んだ私の選択は、本物です」


 


 胸に宿った声が、次々と流れ出す。


 それぞれの乳に、それぞれの物語があった。


 


 そして、自発的に誰かが言った。


 


 「……ねえ、記録しませんか? “私は、自分の乳をこう生きたい”って」


 


 エミリアは笑って頷いた。


 


 「ええ、記録しましょう。

 あなたたちが“自分の乳を自分で語った”最初の日として──この世界に刻みましょう」


 


◆ ◆ ◆


 


 こうして開かれたのが、即席の集会──


【第1回 乳の意志宣言会】


 


 参加者全員が、自らの乳について宣言を行い、魔導記録文として記す。


 


「私は、この乳で、私自身を肯定する」

「私は、張らないことで誠実である」

「私は、今は揺れない。でも、いつか揺れる日を夢見ている」

「私は、矛盾と共にこの胸を抱きしめる」


 


 その全てが、思想ではなく、生活だった。


 


◆ ◆ ◆


 


 集会の終盤、リリアーヌが教室に入ってきた。


 そして、黒板に書かれた“誠実乳宣言集”を見て、静かに涙をこぼす。


 


 「……これが、生活」


 


 「思想じゃない。誰かが今日を、生きようとした証なのよ……」


 


 ユーフィリアがそっとリリアーヌの肩に手を置く。


 


 「私たち、ここまで来たね」


 


 リリアーヌは涙をぬぐい、胸を張って言った。


 


 「ううん、始まったばかりよ。

 でも今なら言える。“世界の乳は、ひとつの揺れで繋がれる”って」


 


◆ ◆ ◆


 


 その夜。王都の空に記された光の文字。


 


【私は、自分の乳をこう生きたい。】


 


 それは各国へと魔導送信され、世界中で同時に掲げられた。

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