【第16話】 『巨乳巫女 vs 肉体改造貴族、全面激突!』
──年に一度、王都全体が“揺れる”。
それが、古くから続く豊穣祈願の祭典──**《乳祭》**である。
元来は、農耕の実りを象徴する“母性”と“膨らみ”に感謝を捧げる、神聖なる祭り。
乳神ルクレアへの儀礼として、巫女による「奉乳舞」や、「おっぱい相撲」が伝統的な目玉となっていた。
だが今年は違った。
誠実乳義勇軍 vs 偽乳同盟──
両派が正面からぶつかる初の公開舞台が、この《乳祭》だった。
◆ ◆ ◆
王都東部・聖乳神殿前の特設会場。
祭りの中心部には、巨大な土俵台が組まれ、
「乳の威信をかけた儀式相撲」の初戦が行われようとしていた。
実況は、王都随一の乳評論家・ギルバート=トラッサ。
「本日、誠実乳義勇軍代表として登場されるのは──
我らが聖乳巫女長、ソフィア・アルフェンティア様だァーッ!!」
白銀の髪をなびかせ、乳神の加護を示す《双乳紋ローブ》を身にまとうソフィアが、
堂々と土俵に上がる。
その胸は、まさに“乳神の聖器”。
大きさ、張り、沈黙と威圧を孕んだ自然な揺れ──
まさに、“胸で語る女”そのものであった。
「神の乳を愚弄するとは……許しません」
相手陣営からは、金色の装甲に身を包んだ戦士が登場。
偽乳同盟の“肉体改造乳武者”、ベラ=デュナミス侯爵令嬢である。
「形こそが力。魔導筋肉乳こそ、真の高み!」
その身体は、鍛え上げられた魔導肉体により、乳自体が「自律揺れ」を起こすレベルに強化されていた。
「この筋乳で……アンタの巫女乳、潰してやるよォォ!!」
◆ ◆ ◆
──ルールは単純。
胸を主軸とした押し相撲(=おっぱい相撲)にて、相手を土俵から押し出す。
接触は胸限定。
ただし、乳魂を削る魔導技は禁止。
「両者、土俵中央に──」
「はっけよい、乳っ!」
開始の掛け声とともに、ふたりの胸がぶつかり合う。
──ドッ!!!!
土煙が上がる。
その激突は、まるで戦艦同士の衝突にも似た破壊力。
観客たちは、騒然としながらもその姿に目を奪われていた。
「すごい……!」
「本物同士のぶつかり合いだ……!」
「筋肉と信仰……乳が語り合ってる……!」
◆ ◆ ◆
攻守激しくぶつかる中、ソフィアはゆっくりと目を閉じる。
そして──
「《誠実波動・揺式》」
彼女の乳が、相手の乳を包み込み、吸収するような“母性の揺れ”で力を奪う。
「なっ、なにィ!? 私の筋乳が……吸い込まれる!? 乳圧が……制御不能ッッ!!」
ベラの両足が、ぐらつく。
その乳の自律振動が逆流し、制御不能に──
次の瞬間。
ドォン!!!
場外。
ベラ=デュナミス、圧倒的敗北。
──勝者、ソフィア巫女長。
義勇軍サイドから、歓声が沸き起こる。
「勝った……! 巫女長が、“誠実乳”の力で!!」
「筋肉にも魔導にも負けない乳──それが、信仰の揺れ!!」
ソフィアは微笑んで、土俵を降りた。
その姿は、まさに“聖乳女神”の化身だった。
◆ ◆ ◆
──しかしその夜。
王都乳庁より、緊急発表がなされた。
『本日の乳祭儀式対戦は、技術不正疑義のため無効試合とする』
──ベラ側が「巫女長の揺れが“魔導妨害に近い力場干渉”を含んでいた」と抗議。
「なんだと……!?」
義勇軍本部に、激震が走る。
ソフィアは静かに言う。
「……“乳圧”は、技術ではありません。祈りです」
「でも奴らは、“揺れすらもルール違反”と言い張って、勝利を奪おうとしてるんだ……!」
リリアーヌは拳を握る。
「つまり……“揺れるだけで罪”ってわけね」
「……逆風が、始まったな」
◆ ◆ ◆
そして、議会。
ヴァネッサ夫人が、冷たく微笑む。
「乳に、感情や誠実など必要ありませんわ。
必要なのは、制御された“美”だけ──」
彼女の背後で、王太子アレクシスが目を伏せる。
だがその胸中に揺れていたのは、かつて愛した“自然な揺れ”の記憶──




