第99話 誠死ね
「ごめん誠、アナタが気を失っていた間も探し続けていたのに、誰も見つけられなかった…」
「僕の為に探し続けてくれてありがとう……まだタイムリミットまで時間があるから、最後まで探し続けよう」
2人はどこまでも探し続けた、しかし、
残り人数も少なく日も暮れた状態から探して見つけるのは困難である
灯りを付けながら夜も行脚を続けるが、まるで人の気配は無い。
「嶺橙華……僕はもう終わりかもしれない……最後に君みたいな優しい子と過ごせてよかった」
「誠…」
「僕の事を好きと言ってくれたよね……とても嬉しいよ……」
「…誠も私の事が好き?」
「好きだよ、君に助けてもらったあの日から、ずっと…」
2人は抱きしめ合い、キスをした
静寂な空気に包まれて、2人は長く唇を合わせていた
数分ぐらいたった頃、天野誠と嶺橙華は唇を離した
そこで、ボー――っとしていた天野誠の脳裏に、ある考えが過ぎった。
(……今ならやれる…!)
天野誠は背中に手を回し、ナイフを構えた
(生き残る為なら……僕は好きな子だって殺す事が出来る……!)
「好きだよ嶺橙華……愛してる!!」
「私も誠を愛し」
天野誠は抱きしめたまま叫ぶと同時に、勢い良く嶺橙華の心臓の位置にナイフを刺した
「がふっ」
「さようなら嶺橙華……君は好きな子だから殺す事が出来た……僕は……君からの愛を糧にして、絶対に生き残るよ!」