第95話 死んだ眼
「お前……僕に何を食べさせた…」
「フフフ……しばらく待てば効果は現れるはずさ、その時に君は覚醒するだろう」
ハットトリッカー滝川はさっきの場所から少し離れた地点で天野誠を地面に下した
「強くなった君と戦う事を楽しみにしているよ」
嶺橙華は2人を見つけ出し、音速を超えるスピードでハットトリッカー滝川に突っ込んだ
ハットトリッカー滝川の死神の鎌は嶺橙華の太刀筋に対して簡単に対応していた
「君のスピードも悪くないけど、僕の方がもっと速い」
嶺橙華の剣技はあっさりと見切られ、嶺橙華はハットトリッカー滝川の鎌で腹を切り裂かれた
「ぐはっ!」
嶺橙華はすぐにユニークスキル【森凛の花】を発動させて回復した
「君と遊ぶのも楽しそうだけど、君は死んだ眼をしている、そんな君からは新鮮な悲鳴を聴けそうにないし、残念だけど君とは遊ばない」
ハットトリッカー滝川は飛び去った
「待て…」
せっかくのターゲットだったが、相手が悪かった、どのみちピンチに変わりは無い
「誠!……あの男に何かされてない?」
「口移しで変な物を食べさせられた…」
ハットトリッカー滝川は、2人の元に蝙蝠の使い魔を向かわせた。
蝙蝠の使い魔の眼を通してこっそり2人を観察する為である。
「フフフ……あの死んだ眼をした少女の相手をするのはボクじゃない……好きな相手はボクじゃなくて、あのつまらそうな少女だと答えた、あの少年さ」