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第93話 残り少ない人数と時間
天野誠と嶺橙華はターゲットを中々見つけられず、サバイバルゲーム終了によるゲームオーバーの時間も迫っていた
「…もうダメだ、僕はこのまま終わるんだ…」
「最後まで諦めないで、誠は絶対に死なせない」
「もう無理だ、結局僕には……誰も殺せなかった」
「最後まで諦めなければ希望はある、私にとってもアナタは希望、絶対に生き残って…」
「どうしてそこまで僕の事を…」
「アナタが奇麗な石をくれた時、嬉しかった…運命を感じた…」
「……僕の事が好き?」
「ええ、アナタの事が好き……だから死なないで」
「そっか……ろくに人を殺せなくて生き残れなかった僕も……こんなかわいい子にそんな事を言ってもらえて嬉しいよ…」
「…誠も私の事が好き…?」
「僕は…」
天野誠の脳裏に一瞬だけ七瀬美亜の顔が浮かんだが
「僕は……今の僕が好きな人は……」
「それはボクの事だよね?」
天野誠と嶺橙華の前に、空の上から蝙蝠の様な黒い翼を生やしたハットトリッカー滝川が舞い降りた