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第92話 昔の仲間のよしみ
追い詰められて最後の最後にユニークスキルに覚醒し、敵を倒して初勝利を収めた高岡は勝ち誇っていた
「7種の属性の銃弾を撃てるスキルか、氷属性しか撃てなかったアイツより強いじゃないか、なんて僕は幸運なんだ…!」
しかし喜びも束の間、高岡は背後からの陰に気づかなかった
「死ね」
「えっ?」
覚醒して、死闘を制して、初勝利に浮かれて、ぬか喜びしていた高岡は、あっけなく片桐に撃たれた
高岡【DEADEND】
残り8人
「…お前の事を仲間に加えようか迷ったが、わりぃな、昔の仲間のよしみで海堂の敵討ちを優先しちまったわ」
片桐は煙草に火を付け、線香を立てるように海堂の死体に立てた
「海堂までやられちまったか……それも無名の参加者にやられるとは、あいつの運も尽きちまったな……俺が巻き込んで大ダメージを負ったせいか、ま、しょうがないわな、だが仇は討ったぞ、安らかに眠れ」