第77話 形勢逆転
「なんて事だ……キングオブザデッドと呼ばれたこの俺様が……なーーーんて、言うと思ったかよ!!」
「あん?」
織蛇斬凌兵の【ライトスピード・ヘヴィーメタル】によって強化された肉体を持ってしても、
現在の更に強化されたジェーンの凶悪な肉体にこれ以上のダメージを与えるのは困難なはずである
「俺様はキングオブザデッドだ、戦った相手は必ず死に追いやる、もし仮に相手が卑怯な手を使って優位に立っても必ず返り討ちにしてきた!裏闘技場のチャンピオンの座を防衛してきたこの俺様が絶対に負ける事はねえんだよ!!」
織蛇斬凌兵は変わらずジェーンに突っ込んでいくが、ジェーンは避けようというそぶりも見せなくなった
「馬鹿が!自滅しろ!」
ジェーンは進化した自慢の肉体を見せつけたまま仁王立ちしていたが、
織蛇斬凌兵は顔面を殴ると見せかけてグーの拳をチョキに変え、ジェーンの眼を突いた
しかし、眼球すらも既に鋼の硬さと剣の切れ味になっていた
「糞が!」
「ハハハハハハ!剣を飲み込む前の俺様ならやられていたが、もう遅い!もう俺様は止められねえよ!」
裏闘技場のチャンピオンを相手にするには、格闘技は素人だが、【蟲毒の捕食】によって底上げされた身体能力とパワー、【蟲毒の捕植】によって硬さと切れ味が増した肉体を用いた体術は、触れるだけで傷を付ける程の凶悪さとなり、
ライトスピードヘヴィーメタルによって硬化した肉体の硬さをも上回っていた。
「次は俺様の番だ!そろそろ俺様にも殴らせるよな!」
ジェーンも連続パンチを繰り出す、織蛇斬凌兵はプロだったが、転生後のこの世界での、この戦いにおいては、相手の攻撃をいなすだけでも至難の技と化し、ガードをしてもいかに傷を浅くするかの戦い方をするしかなかった
「この俺様を相手にここまで戦えるとは、流石チャンピオンと呼ばれるだけの事はあるな、だがいつまで持つかなァ!」
「俺様と名乗っていいのはチャンピオンであるこの俺様だけだ!」
「じゃあお前を殺せば俺様が次のチャンピオンって事だな!」