第61話 海堂と片桐
「よう海堂」
「…その不快な面は片桐か、…相変わらず子分を連れてお山の大将気取り……今日は一人か」
「ああ、全員吉田とかいう王様気取りの奴に捕まって、それから吉田と一緒に歩いていた」
「何の用だ?俺はあの時お前に切り捨てられてから酷い目にあって、今すぐにでもお前を撃ち殺したい気分なんだが?」
「いつまで昔の事を根に持ってるんだ?おかげでお前は強くなれたから良かったじゃねーか」
「黙れ、一歩間違えれば俺はここにはいなかった」
「でも今も生き残ってここにいるという事はお前はかなり強くなった、そんな強いお前にだから頼みたい事があるんだ」
「そうやっておだてられてもお前からの頼み事なんか聞きたくないんだがな」
「吉田という男を一緒に狩らないか?昨日吉田の従えていた奴隷達がどういうわけか全滅した、力を持ちすぎた奴だが、弱まってる今が潰すチャンスだ、2人で奇襲を掛ければ確実に仕留められる」
「…待て、それはもう少し様子を見るべきだ」
「何?」
「一度に奴隷が死亡したという事は、何かが起きている、奴を囮にしてその原因を究明するべきだ」
「俺の仲間も巻き込まれてんだぞ?」
「お前の仲間の責任だ、どうしても救いたいなら一人でやれ、いつ死ぬか分からないこのゲームであの3人は今日か明日にでも死ぬ運命が決まっていた、それだけの話だ」
「つめてえ奴だな」
「お前が言うな糞野郎」
「あの時は俺も未熟で、あの判断がベストだった、今回はお前と組むのがベストだと判断した」
「…原因の究明に際して奴を倒せそうなら、手伝ってやってもいい……手に負えなければ退かせてもらうが。」
「本当か?」
「ああ、少しでも機嫌を損ねたら、いつでもお前を撃ち殺すがな」
「おお、それは気を付けないとなー」