第48話 KKK
「あ、いえ…戦わせてもらいます…」
「あ、ああ、これだけ人数がいれば、な…」
「よ、吉田さんの為に張り切っちゃいまーす…」
「吉田様と呼ぶがいい」
「よ、吉田様ー!」
「では行ってこい……あと念の為、これを付けさせてもらう」
「これは?」
「この首輪は王の命令ですぐに爆発する、忠誠を誓ったからには、裏切れない様にしてやろう」
「は、ははぁ~」
首輪を付けられた3人は嫌そうな顔をしながらテントを出た
「くそ、仲間になったふりをして逃げて片桐さんと合流するつもりが…」
「ああ、この首輪のせいで仲間にならざるを得ないじゃねーか」
「でも片桐さんと3人がかりで戦っても片桐さんに叶うはずも無いしどうすればいいんだ…」
「最悪9人の奴隷達と共に片桐さんを倒す事になるのかもしれない、勝てるかもしれないが、できれば戦いたくない」
「鉢合わせしないように祈ろうぜ、首輪のせいで仲間にならざるを得ない事がバレたら本当に切り捨てられる」
「ああ、片桐さんと戦えばただでは済まない可能性が高いが、こうなってしまったら仕方がない」
「いくら片桐さんでもこの人数を相手にすれば…」
「ああ、勝てる可能性はあるが、長期戦になれば一人ずつ倒されていくだろうし、普通に危険で未知数だ」
「元仲間でも容赦無く狩るだろうからな、この先どうなるか分からないが、死なないように祈ろうぜ」
「ケケケ、奴隷という身分に落ちた気分はどうだ?」
「…お前は確か、奴隷のくせに唯一吉田からお仕置きを受けなかった奴」
「ケケケ、俺はあの奴隷達の中では唯一特別な立ち位置だからな」
「特別だと?」
「俺は吉田様の持つユニークスキル【王の力】に屈していない、つまりそれなりの実力者であり、吉田様からの信頼を得ているのさ」
「奴隷のくせにそんな奴がいたのか」
「元は異世界転生者だが、プレイヤーだとめんどくさいし、奴隷になった方が楽だと判断して、自分から奴隷になりたいと運営に懇願したのさ、ケケケ」
「自ら奴隷に身をやつしたというのか!?」
「もちろんご主人様は選んだぜ、弱いご主人だと良い待遇は得られなくて、何度も半端なご主人達を裏切って殺して回ったが、吉田様は俺よりも少しばかり強くて頭も回るし待遇も良い、だからこいつは出来る奴だと思って完全なる忠誠を誓ったんだよ、吉田様に捕まったお前達は運が良いと思うぜ、片桐なんてのよりもこっちに乗り換えた方がお得だと思うぜ、ケケケ」
「それもそうだな、考えとこう」
「城之内お前…」
「ケケケ、話が早くていいなお前、歓迎だ、身の振り方を教えてやろう」