第33話 食料
ヤンキー男から殴られ続け、数時間が経った
日はすっかり暮れていき、夜になった
ヤンキー男は満足して殴るのを止め、食事を始めた
「欲しいか?やらねえよバーカ!」
ヤンキー男は1人を倒した事でポイントに余裕ができた事で、
少し必要ポイントが多めのハンバーガーを食べていた
天野誠は何も食べていない、
幸いとも言えないが、痛みで空腹感は感じない
「そういやお前は何も食べてねえな、しょうがねえからハンバーガーの包み紙でも食わせてやんよ」
「むぐっ!?」
「はははうまいか……おらしっかり飲み込め」
「…ごっくん」
「ははは、ちゃんと吐き出さずに飲み込めて偉いぞ」
「く・・・」
「…さて、俺はそろそろ寝るが、逃げだせると思うなよ……ま、この状態から逃げられるわけねーけどな」
全身を縛られてる上に、身体の痛みで逃げる事も、ままならない
天野誠も気絶するようにやがて眠りについた
「天野君……」
混濁する意識の中で自分の名前を呼ぶ、知らない謎の声
これは転生前の記憶に関係しているのかもしれない、そんな夢
殴られ続けたショックのせいか、記憶喪失だった天野誠は転生前の記憶を取り戻しかけているのかもしれない
「……七瀬さん…?」
天野誠は目を覚ました、起きた後の夢の中の事は、はっきりとは思い出せていないが、
確かに転生前の記憶を微かに思い出していた