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83 卵料理はサイコーだ!

「いただきます! ん~~~おいしいですぅぅぅぅ!!」


 コパンのいただきますからの直後のおいしいですも、磨きがかかってきた!

 ほっぺたを押さえているのも可愛いぞ。

 【アイテム】の魔法で作ったのは『ふわとろオムレツ』。

 心の底から【アイテム】があって良かった。もちろんお供えもしたよ! だってほら、よく分からないけど『土精霊の祝福』なんていうのをもらってそれが役だったわけだからさ。

 でも女神的にはどうなのかなって思ったんだよね。精霊と女神の立ち位置っていうか、どういう関係になっているのか俺にはよく分からないからさ。

 コパンは人も妖精も精霊も獣人もエルフもドワーフもいますよっていう感じで、横並び的に話していたからさ。

 だけど、精霊は祝福とか特別な力みたいなのを与えられるんだよね。

 まぁ供えたふわとろオムレツは消えていたから、じゃあ、もらっても別に構わないのかなってちょっとホッとしたよ。

 

 もっとも今一番の注目は『お助け妖精』の可愛さだよ!


「コッコの卵なんてまず食べられないから、こんなに美味しかったんだなって! アラタ様は本当にすごいです!」


 キラキラした目で見つめてくるコパンに「良かったね」と言って、俺も一口スプーンですくって口に入れた。

 うん、確かに味が濃くて美味しいな。

 多分もう二度と手に入れられないような気がするので、卵は沢山【補充】した。使う前から【補充】するのもなんだけど、卵料理っていうのは数が多いからね。

 でもさすがに生卵はやめるよ。魔物の卵だし、この世界の寄生虫とかそういう事は分からないし。

 実はコカトリスの卵はどうなのかなーってちょっと考えた事もあったんだ。でも石化の呪いを持っている魔物だし、何より尾がヘビだからさ……

 とにかく、きちんと話をして、無精卵だけを譲って貰えたのは本当にありがたかったな。


「アラタ様、後でお料理が載っている【アイテム】を見せて頂いてもいいですか?」

「いいよ。何か食べたいものがあったら教えて? 【アイテム】に書かれているものなら、多分、多少の無理があってもいけると思うから」

「はい!」


 女神が聞いていたら苦笑いしそうな言葉を口にして、元気よく返事をするコパンの声を聞きながら俺はふわとろオムレツの最後の一口を口に入れた。


   ◆ ◆ ◆

 

 『クリーン』と『プットバック』で食事の片付けをサクッと終わらせた後、コパンは結構じっくりとキャンプご飯と男飯の本を眺めていた。

 以前俺が使った事がある付箋もしっかり使っているのが笑えた。


「コパン、卵はインベントリにも、コパンの収納にも入っているから、急いで決めなくても大丈夫だよ」

「はい……でも見ていると気になってしまって」

「どれどれ? 何が気になるのかな?」

 

 俺はキャンプチェアーに座ったままコパンを抱き上げて、膝の上に座らせると、コパンの見ていた本を覗き込んだ。

 う~ん、ちょっと見づらいか。でもまぁいいか。


「このピタッとは使いやすいです!」


 ああ、商品名も読めたんだね。えらいえらい。そんな事を考えながら付箋が貼られているページをめくると……


 『ドカ盛親子丼』


 うん? 大食い系なの?


「これ、コカトリスのお肉でやったら美味しいかなーって! 親子じゃないけど!」


 そうだね、厳密には親子じゃないけど、まぁ同類だよね。多分。


「ふむふむ、こっちの付箋は?」


『マヨネーズで作るふわふわ卵とトマトときのこの炒め物』


 ほぉ~~~、これはまた確かに美味しそうだ。


「えっと、収納の中にまだいっぱいキノコがあるのです!」


 ああ、うん。そうね~。ちゃんとチェックしているんだね。えらいなぁ。


 その他にも

 『ベーコンと卵とキノコのキッシュ』

 『ポテトと卵のキッシュ』

 「長芋のふわふわお好み焼き』

 『トロトロ卵のホワイトソース掛けオムレツ』

 『具だくさんのチーズオムレツ』

 『味付け卵の天ぷらと季節の野菜の天ぷら』


 コパンが食材をよくチェックしているのが分かるね。でも食べたいものはしっかりと選んでいるな。さすが俺の『お助け妖精』だ。


「すごいなぁ。どれも美味しそうだし。持っている食材で作れるよ」

「えへへへ、はい。でもこれも本当は食べたいなぁって思うのです』

「うん? どれどれ?」


 おおおおお! キターーーーーー!

 

 でかプリン!


「あ~~~、レンジを使うのかぁ」

「で、出来ませんか?」

「う~ん。オーブンの代わりにレンジ使うみたいだね。さすがに電子レンジはなぁ。ああ、でも石窯はあるんだから何とかなりそうな気もするよね。ようするに蒸し焼きすればいいんだよね。【アイテム】と組み合わせをしてやってみようか。せっかくの卵だもん。プリン食べたいよね」

「はい!」


 プリンかぁ、以前だったら作ろうなんて間違っても思わなかったよね。ごり押し出来ないかなぁ。だって、オーブンもレンジもないもん。

 あ、ミスリルで大きなプリン型を作ろう。でもあんまり大きいとプリンの中が穴だらけになっちゃうのかな。


「アラタ様?」

「うん? ミスリルが沢山あるからね、このプリンの型を作ろうかなって。とりあえず明日はまた少し前には進んで午後からはプリン型を作ったり石窯での代用が出来ないか考えてみよう。すぐには出来ないかもしれないけどこれだけ詳しく書いてあるんだから何とかなるよ」

「そうですね!」

「いっそちょっと大きめの蒸し器みたいなものを作っちゃえばいいのかな。そうしたら蒸料理もきっともっと出来るようになるよね」

「アラタ様は天才です!」


 ニコニコしているコパンを見ているとなんだか俺も嬉しくなって、ついその端っこに載っていた蜂蜜のパンケーキが気になって魔力を流してしまった。途端にピカッと本が光って、程なく小さめの蜂蜜がかかったパンケーキが出来上がった。

 ビバ! 【アイテム魔法】!


「ふわぁぁぁぁぁぁ!」

「プリンはすぐには無理だから、今日のデザートはこれね」

「ありがとうございます! いただきます! んんんんんんん、おいひぃです~~~~」


 コパン、ほっぺたが本当に落っこちそうだよ!


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ご覧いただきありがとうございます。

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