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78 これからの事

 『神気(低)』に入ってオークとワイルドボアとビッグボア、そしてミスリルスライムにリザードマンと、思い返すと結構な種類の魔物たちと、二日続けて戦う事になってしまった翌日。俺たちは拠点で少し話をする事にした。


 よく考えたら『神気(中)』のエリアには二か月近くいた事になるんだ。

 その間も食べ物を見つけたり、魔物たちと戦ったりはしたけれど、トータル的に見れば魔物と遭遇しない日の方が多かったし、連日というのはあまりない。(意図的に訓練みたいな事はあったけど……)

 どうやらこのエリアは、森の中に入れば高確率で魔物と遭遇しそうだ。それにそのまま通り過ぎようとしても昨日のような事もある。


「低のエリアでも拠点を探す。それは変わらない」


 俺はコパンにそう言った。コパンもコクリと頷いた。


「でも心配な事もある」

「そうですね」


 それはコパンも俺も感じている事だと思う。

 昨日、道に小さな動物が出てこられたようにセーフティゾーンが今までのセーフティゾーンと同じように安全だという保証はない。


「でも魔物は出られないみたいだったから、このエリアの道は弱い者達の救済みたいな感じになっているのではないでしょうか」

「うん。その可能性はあるんだけどさ、道がそうだとしたら、その弱い者達はセーフティーゾーンにも入ってこられる可能性があるんだよね」

「…………そうなんですよね」


 昨日はネズミくらいだった。でもこの先に進めば弱い者の基準は違ってくるかもしれない。

 そうしたらセーフティーゾーンの中にも弱い者達が入ってくるかもしれなくて、弱い者達がいつまでも野ネズミくらいのものである保証はどこにもない。

 う~~~ん、まさか『神気(低)』のエリアがこんなはじまりだとは思ってもいなかった。


「今までは、念のためにテントに守りの結界はかけていたけど、これからはしっかり守らないと駄目かもしれないし、それこそ交代で番をしないといけないかもしれない」

「う~~ん、さすがに防御の結界を破れるようなものがセーフティーゾーンに現れるような事になったら、それはもうセーフティーゾーンではないと思いますよ。拠点の意味がありません」


 コパンの言葉に俺は確かにと思った。そこまでの想定外の事があるならコパンの『予見』に何かおかしいと引っかかってくるだろう。


「そうだね。でも、どんな者達が入ってこられるのかはきちんと把握をしておかないといけないかもね」

「そうですね。あのオークたちのように想定外の事が絶対に起こらないとは言い切れませんから。でも私の『予見』もレベルが上がりましたし、もう少し具体的な事も分かるようになってくると思いますよ。これからも頑張ってレベルアップをしていきます! おまかせあれ~!」

「あはははは、うん。おまかせするよ、コパン。じゃあとにかく先に進もう。どんな風に基準が変わってくるのかもしっかり調べていこう」

「はい、昨日はネズミが道に出られました。その次は何が出られるのか。違うものが出てきたら、基準が変わったっていう目安になるのかもしれません」


 なるほど、そうかもしれないな。


「何か魔物よけになるものを作った方がいいのかな。その辺りの事も少しずつ考えていこうね」

「はい!」


 ちなみにマッピング転移は全部を残しているわけではないんだ。ここは残しておこうっていう所以外は次の拠点が見つかったら解除をしている。

 でもまだ『神気(高)』のところにも、いくつか残していて、行かれるんだって。よっぱど疲れたらそこに飛んでしまうのも一つの手かもしれないな。


「コパンのお陰で絶対安全な場所が確保出来ているのはありがたいな。さすが俺の『お助け妖精』だね」

「うふふふふ、大丈夫ですよ。困ったらいつでもお助けします! おまかせあれ~!」


 こうして俺たちはお昼過ぎまでを話し合いの時間にして、それからお昼を食べて、今日は無理をせずに石窯を出してパンを焼いて、夕食はビッグボアのステーキを焼いてみた。

 ミスリルがどんなものなのかを試したくて、大きなフライパンを作ったんだ。


「ミスリルでフライパンを作っちゃうなんて、アラタ様はサイコーです!」


 コパンは笑いながらそう言った。普通はミスリルでフライパンなんて作らないんだろうね。でもほら、思っていたよりもミスリルスライムが落としたミスリルが多かったからさ。


 バーベキューの網とはまた違った感じで、綺麗なミディアムレアに焼き上がって、俺としては大満足だった。

 そして、お供えも綺麗になくなっていたよ。



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