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30 二度目のレベルアップ

 『ファイヤーボール』と『ウォーターカッター』が出来た途端、身体の中で何かがブワッと広がったような、湧き出したような感覚があった。これは覚えがある。それと同時にピロンとスマホが鳴った。


「レベルアップのようですね」とコパンが自分の事のみたいに嬉しそうに言った。


 俺は迷わずスキル画面を開いた。そして……


「おぉぉ……」


 思わず声が上がる。


-*-*-*-*-


谷河内 ヤゴウチアラタ 

十五歳 転生者 

総合Lv3

  

職業 旅人

魔法 Lv3

 生活魔法 『クリーン』『ウォーター』『ファイヤー』

属性魔法 火 『ファイヤーボール』  水 『ウォーターカッター』


生存能力 10

称号 芋掘り名人 タケノコ採り名人 パン作り見習い


特殊スキル 

 サバイバル Lv2 自給自足 Lv3 

 キャンプ Lv3 鑑定 Lv3 

 空間収納(インベントリ付き)


【特殊アイテム】 Lv2

『初めてのキャンプ。ソロもファミリーもこれでおまかせ!』  

 『サバイバル読本 これであなたも生き残る』

『自給自足生活をはじめよう』

 *P48 小麦を育てる(収穫・石うす製粉)取得

  *P50 自家製パン作り(天然酵母作り)取得

 『美味しいキャンプ飯』

  *P104 フライパンで出来るパン 取得

 他・テント作製 ・焚火、かまど作製 ・調理方法各種 


言語理解取得


女神の贈り物 

 キャンプセット

 ご褒美シークレットボックス


-*-*-*-*


「む、無職じゃなくなった! でも旅人って微妙……。それに属性魔法が出てきた。ああ、パン作りは見習いなのか……ふ~ん、アイテム系はまとめ表記になっていくんだな」


 なんだか色々と思うところはあるけれど、見やすいのは大事だよね。

 うん。とりあえず総合レベルが上がった。ということは……

 思った通り、インベントリのシークレットボックスがご褒美と記載されて解放されていた。


「コパン! レベルが上がったからまた母さんの料理が食べられるぞ」

「わぁぁぁぁぁ! どんな料理でしょうか。楽しみですね。では今日はこれからどのようにしますか?」 

「そうだね、まだ昼前だからとりあえず昨日の草原に行ってみよう。それで麦畑の状況を確かめて他にめぼしいものがないか確認をして、鳥? がいるなら獲ってみる?」


 というか、獲れるのかな。でも獲ってその後どうしたらいいんだろう。解体とか無理だし。

 俺は本を取り出した。可能性があるのは『自給自足生活をはじめよう』か『サバイバル読本 これであなたも生き残る』だろうか。

 パラパラとページをめくっているとサバイバルの本には狩猟のページが、自給自足のページには詳しい解体のページがあった。狩猟のページには狩ってはいけない動物や免許の取得なども載っていたが、この世界ではこれは必要なさそうだ。

 とりあえずは自分で血抜きをしたり、解体をしたりという作業はしなくてもいいらしい。

 解体用のナイフはないけれど、包丁やサバイバルナイフは女神の道具の中に入っていた。

 

「まだ獲れたわけじゃないし……」

「アラタ様?」


 どこか心配そうな表情を浮かべるコパンに「大丈夫だよ」と答えて、俺は草原へと転移をしてもらった。


 ◆ ◆ ◆


 小麦はまた元の場所で昨日と変わらない様子で実っていた。不思議な森だ。だけどありがたい。コパンの魔法でいつまでここに転移をする事が出来るのかは分からないし、他の場所に小麦があるのかも分からない。もちろん採りつくしてしまうつもりはないけれど、ある事が分かったものがなくなるというのは怖いという気持ちが湧いてくるのは仕方がない事だとも思う。

 その場にあった小麦を昨日のように収穫をして収納すると、肩の上でコパンが空を見上げながら口を開いた。

 

「今日は飛んでいないようですね」


 その言葉にホッとしている自分を感じながら俺は「仕方がないよ」と声を出した。


「とりあえずもう少し先まで行って何もないようだったら昨日進めなかった分、先に行こうか」

「そうですね」


 そうして俺たちは草原を進んだ。方向もよく分からないからとりあえず麦畑の先に向かって歩き出した。

 目の前に広がる草原。食べられるものの【鑑定】に引っかかるものはほとんどない。

 

「コパン、麦が採れているし、とりあえずここは……」


 そう言いかけた時だった。


 ポップアップが視界の中に浮かび上がって、どんどん近づいてくる。


「え……」


 最初は二つほどだったそれは見る間にいくつもの表示に代わり、その後方に新たなポップアップが浮かんだ。


[イノシシ][ホーンラビット][ホーンラビット][ホーンラビット][ホーンラビット]…………


「え…………」


 どんどん近づいてくるそれはやがて視界の中ではっきりとした姿を現した。


「アラタ様! イノシシとホーンラビットです! このままですと私達も危険です!」


 えぇぇぇぇぇぇぇぇ……


------

ご覧いただきありがとうございます。

次の更新は6時になります。


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