表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/123

16 さあ、食べ物を見つけよう

「森の中に入っても、またこの道に出てくることは出来るかな」

「はい。出来ます」

「じゃあ、少し森の中に入ってみよう。道沿いとは違うものがあるかもしれない」


 魔法の練習も気になったけど、まずは食べられるものを探そうと俺とコパンは道を外れて森の中に入った。そして【鑑定】をフル活用して食料を確保していく。

 だけど俺のLv1の鑑定は、自分で言うのもなんだけどかなり大雑把だ。きちんとした名前も出ない。


「沢山【鑑定】をしていけばレベルが上がります」


 コパンの言葉に励まされて俺は【鑑定】を繰り返した。

 [食べられる草][食べられない草][食べられる草][石ころ][食べられる実][食べられないキノコ]

 食料に特化しているのはきっと今の状況のせいだろう。

 ちなみにコパンの鑑定ではきちんと草の名前が出るらしい。ちょっと口惜しい。


「最初はそういうものです。頑張りましょう!」


 そう言いながらコパンは食べられるものを自分の収納の中に入れていった。

 俺もインベントリがあるんだけど、どれくらいの容量か分からないのでコパンに任せる事にした。


 オレンジのような木の実。リンゴのような木の実、そして昨日は見かけなかったブドウのようなものも見つかった。果物ばかりではあまりお腹はいっぱいにはならないけれど、食べられるものがあるというだけでも安心感に繋がる。


「あ……」

「どうされましたか?

「【鑑定】に名前が出るようになった」


 手の中にある実は[コケモモ 食用可]とポップアップがされていた。 

 ついでピロンとスマホが鳴る。


「鑑定のスキルがレベルアップしたんですね。おめでとうございます!」

「ありがとう」


 どうやら俺自身のレベルが上がる時は昨日みたいな感覚があるみたいだけど、それぞれのスキルが上がった時はスマホが鳴ってレベルアップを知らせるくらいだと分かった。


「それにしても一々【鑑定】をかけないと、どういうものか分からないっていうのは結構大変だね。こう一遍にわーっと食べられるものだけをピックアップして表示されるようになったら便利なのにな」


 そういえばサバイバルの本に食べられる植物や実の一覧表みたいなものがあったな。あれを覚えていれば少しは【鑑定】が進められるかな。あ、でも『サバイバル読本 これであなたも生き残る』は特殊アイテムって書いてあった気がする。それってどういう風に使うのかな。


「アラタ様、どうかされましたか?」

「あ、うん。ちょっと試してみたい事があってさ」


 俺はデイパックの中から件の本を取り出した。


「アイテムっていうんだから、何かに使うんだよね。どういう使い方をすればいいんだろう」


 取扱説明書のみたいなものがあればいいのだけれど、あいにくステータスの画面はそれを押しても何も表示されない。ようするに自分でみつけるか、そのレベルに到達されると自然に使い方が分かるようになるという仕組みなのかもしれない。

 もしも見つけらたらレベルアップするよりも少し早くその力を使う事が出来るという仕様だったら、朝コパンが言っていたように、女神は優しいけれど少し意地悪なのかもしれないな、なんて思ってつい笑ってしまった。


「とりあえず見てみよう」


 俺はサバイバル本を開いた。サバイバル本は気をつけないと虫のページがあるんだよね。しかも恐ろしい事に食べられる虫っていうのもあった気がする。食べない。どんなにお腹がすいても絶対に虫だけは食べない! それだけはどうしてもどうしてもどうしてもダメなんだ。


 薄目のままパラパラと植物のページを探す。


「あった! 食べられる植物と実」


 その瞬間、パァーッっと本が光った。


------

ご覧いただきありがとうございます。

ブックマーク、下の☆の評価、いいねなど励みになります。


ご感想・レビューなどいただけたら幸せです♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ