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112 どう考えたらいいのかな

 風の精霊アウラからもらった情報は俺にとっては衝撃的なものだった。

 『不幸な事故』に巻き込まれてこの世界に転生をしたのは、俺以外にも何人もいたと聞いたような気がする。

 だけどその中で、赤ん坊からでなく転移に近いような転生をしたのは俺だけだって言っていたんじゃないかな。

 この世界に転生する事例は今までにもあって、『転生者』がこの世界に馴染み、この世界から逸脱しないように常識だの魔力の使い方だの、生きて行く為に必要な事を伝え、見守るのが『お助け妖精』なんだよね? で、それが不要になった者には見えなくなってしまう事もあるとか……。

 でもさっきのアウラの話だと、『お助け妖精』が傍にいれば『転生者』だって分かるくらいには周知されている感じだったよね。

 まあ、『お助け妖精』が見えない人もいるみたいだけど。

 それに…………


「コパン、『勇者』は一体何をしたんだろう? それがこの森の異常にも関係があるのかな。それに『転生者』って分かるとどうなっちゃうんだろう?」

「それは……私にもよく分かりません。どうして風の精霊があんな事を言ったのか。女神様にお聞きします」

「うん。でもさ、もしもこの世界の人達が『転生者』を嫌っていたら、生まれた赤ん坊の傍に『お助け妖精』がいたらその子が『転生者』って分かっちゃうよね。赤ん坊に生まれ変わった人達は大丈夫なんだろうか?」


 だってさ、自分が生んだ子が『転生者』って分かったら「じゃあ私の本当の子供はどうなったの⁉」ってものすごく面倒くさい事になるんじゃないかな。自分の子供が乗っ取られたみたいな感覚はないのかな。

 それとも赤ちゃんの時からのサポートでは『お助け妖精』は周りには見えないのかな。


「…………少なくとも私が知っていた話とは異なります。『転生者』と分かるとめんどくさいのは、嫌われているからではなく、どちらかと言えばその力を欲しがるような者たちがいて、そういう人によって身動きが取れなくなるのを防ぐためでした」

「ああ、なるほど」


 まぁ確かに色々な力をもらっているもんね。多分俺の力だって欲しいと思われるものがあるような気がするし。


「どっちにしても『転生者』ってばれない方がいいんだよね。あとは森をどうやって出るか……かぁ」


 出る事なんて単純に考えていた。いつのまにか視界が開けてあとはそのまま街まで歩いていけばいい。そうしてギルドのある場所を目指そう。とりあえずは女神が作ってくれた身分証明になるタグ? はあるんだからどうにかなるだろうって。それがまさか森にそれぞれの出入口があるなんて。


「どこからでも出られるんだと思っていたよ」

「ええ、ようするに出入口と呼ばれている所は私達がセーフティーゾーンと言っているような場所なのでしょうね。でもだからと言って他から出られないわけではないと思います」

「まぁ……高ランクの魔物はいるだろうけどね」

「はい。でもアラタ様と私なら大丈夫ですよ。別にドラゴンやベヒモスといったような災害級の魔物がいるわけではないのです」

「そんなのがいたら困るよ」


 いくら森からは出てこないと決められているんだとしても、そんなのがいたら森に隣接している国は恐ろしくて仕方がないだろうし。


「…………どう考えたらいいのかなぁ。なんだか疲れちゃったね。今日は早めに拠点に戻ろうか」

「そうですね。私も女神様にお尋ねする事をまとめたいと思います!」

「うん。そうだね。今日はそういう日にしよう!」


 声に出して勢いをつけて、この場をマッピングして拠点に戻ろうと思っていた俺たちの視界の中に馴染みのある姿が映った。


『待っていたわよ~~~! 祝福者』


 羽をバサバサとして早く来いとアピールをしているのは、コッコ達だった。


「………………コパン、今日はふわふわ卵のオムライスにしようか」


 前につくったからレシピ登録してあるし。


「いいと思います! カフェの本にあったみたいにケチャップで<コパン>って書いてくださいね!」


 一体どのページを見たのかな…………カフェ飯本、侮れないな。俺もアイテム本を読み込まないといけないな。


『今日は四つよ~~~!』

『うちは二つね~~!』


 まぁ、在庫は沢山増やしてあるからいいけどさ。

 モヤモヤとして少し重くなっていた気持ちは、元気なコッコ達に吹き飛ばされた。


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今週中にもう一回アップ出来るように頑張ります!

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