11 ステータス、弱!
スマホの画面に写し出されたそれを見て俺は固まった。
ステータス、弱! マジで弱すぎだし、謎過ぎだ!
「アラタ様、何が書かれていましたか? 良いスキルがありましたか?」
嬉しそうに尋ねてくる声になんと言っていいのか分からない。
「ええっと、ええっと……」
これはどう考えたらいいんだろう。何となくゲームの一番初めに出てくる村人よりも低い気がするのは俺だけかな。1、2,1,2……よく言う『アヒルの行進』だ。
「あ、あのさ、普通の転生者ってどんな力を持っているのかな……」
「普通の転生者ですか? 私はよく分からないのですが、転生される方の中には勇者や賢者、大魔導士や聖女などの特別な職業を持っている方もいらっしゃると聞いた事がありますが、あとは珍しいスキルとか……ハッ! もしかしてアラタ様何か特別なスキルをお持ちでしたか?」
ワクワクした表情を浮かべた『お助け妖精』に俺のテンションはまた一段下がった。
「う、ううん。そういうわけじゃなくて」
「見せてください! 『お助け妖精』はお仕えする方の文字は読めるんです」
「………………」
「あの……私には見せたくないですか?」
今度はいきなりしょんぼりとする。ミニチュア幼児に肩を落とされるとものすごい罪悪感が湧くからやめてほしい。
「ち、ちがうんだ。あの、なんか俺、すごくよ、弱いみたいで。だから、がっかりされちゃうんじゃないかって」
「! 大丈夫です。そんな事はありません。どれどれ?」
そう言うと『お助け妖精』ふわりと飛んで、歩いてきた時のように俺の肩に下りてからスマホを覗き込んで…………
「こ、これは……」
固まった。
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谷河内 新
十五歳 転生者
総合Lv2
職業 無職
魔法 Lv1
生存能力 2
特殊スキル
サバイバル Lv2 自給自足 Lv1
キャンプ Lv2 鑑定 Lv1 空間収納(インベントリ付き)
【特殊アイテム】
『初めてのキャンプ。ソロもファミリーもこれでおまかせ!』
『サバイバル読本 これであなたも生き残る』
『自給自足をはじめよう』
『美味しいキャンプ飯』
言語理解取得
女神の贈り物 キャンプセット
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「…………ふ、不思議な能力ですね。さすがアラタ様です」
ああ、なんかこう……やんわりと慰められたような気がする。
「あ、でもちゃんと魔法がありますよ。練習していけば使えるようになります。あとスキルが四つもあるからこれからきっと役に立ちます」
「そう……だね。どんな事が出来るんだろうね……」
テントを張って、焚火を作ってレベルが上がったんだから、やっぱりそういう感じなのかな。
「あくまでも、サバイバルやキャンプなんだな……ふふふふふふふふ」
「! アラタ様、しっかりなさってください!」
あ、まずい。『お助け妖精』の目がまたグルグルしはじめてしまった。
「まぁ、とりあえずはレベルを上げて出来る事を増やしていくよ。なんだか【鑑定】も出来るみたいだし」
うん、これはありがたいな。とりあえずは魔法の練習かな。
スマホを閉じてバッグにしまいながら、俺はハタと気づいてそれをもう一度取り出した。圏外は変わらないけれど、時間を確かめたり、インベントリからキャンプセットを取り出したり、なんだかんだとちょこちょこ使っているんだ。だけど……
「充電、減っていない……」
もしかしたら充電は不要なのかな。そうだとしたらかなりありがたい。でもスキルの中にインベントリ付きの空間収納があるんだから、そうなのかもしれいな。そうしたらもしかしてもしかすると前に読んだ事がある小説みたいに通販とか出来たりしないかな。
「…………やっぱり繋がらないか。そうだよな。圏外だもんな」
現地調達で生き抜いていくしかないのか。うん。書かれているのってそういうスキルだもんね。
「アラタ様? 大丈夫ですよ。これからレベルが上がっていけばもっと出来る事が増えていく筈です。私もお助けレベルが上がって出来る事を増やしていきますから」
心配そうにそう言う『お助け妖精』を俺はそっと掌の上に載せた。
「ありがとう。一緒に頑張ろう」
「はい!」
とても良い場面だったが、タイミング良く? 俺の腹がグウゥゥゥと鳴り、手の中から「はわわわわ」という声がして、『お助け妖精』は本日何度目かのグルグルの目になった。
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