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2 出発と進軍

まだ明けたばかりです。私たちはアネモス兄さんとリサンドス様の周りに集まり、作戦会議を始めました。

「皆のご存知通り、一昨日この砦に勤務するエヴァンデル様がワーグの足跡を発見し、すぐに信鳩と狼煙で知らせてくれた。そのおかげで、ワーグが村に侵入する前に解決するのが可能だ。おそらく明後日にワーグは村に到着する。ですから、彼らを徹底的に排除するために、俺たちは山に進軍し、正面から迎撃しながら包囲する。リサンドス。」アネモス兄さんは今回の行動の指揮官であり、彼の言葉が終わると、リサンドス様が壁に掛かっている地図を差し、詳細な説明を始めました。

「諸君。ここがワーグが発見された場所だ。彼らも生物であり、休憩や食事をする必要があるため、速度はやや遅くなる。俺たちはワーグがこの谷を進軍すると予想する。これは山下の村への最短ルートだ。したがって、俺たちは2つのチームに分かれ、エヴァンデル様が分隊を率いてワーグの後路を包囲し、アネモス様が本隊を率いて正面から迎撃する。今の風向きは北だ。ですからワーグは俺たちの匂いを感じない。ただし、ワーグの群に発見されるのを避けるため、エヴァンデル様には山の端に進軍する。アネモス様が信号を送った後、引き返してワーグを包囲する。」

「でももしワーグがこのルートを通らなかったらどうする?」と誰かの兵士が尋ねます。

「もちろん、他の場所でも我々の部隊がパトロールする。もしワーグがこの谷を通らなかった場合、パトロール中の部隊が私たちに知らせてくれる。その時、本討伐隊がすぐに戻り、同時ペロロス様が城から軍隊を率いて出発、ワーグが村に侵入する前に迎撃することとなる。」

エヴァンデル様がリサンドス様を見ながら頷きました。エヴァンデル様は現在のニカンドロス家の当主であり、アチリス男爵に仕える騎士です。今はこの砦に滞在し、勤務をしています。砦で勤務をする騎士は魔物の侵入痕跡を発見するためにパトロール隊を派遣し、対処できない魔物に遭遇した場合は鳩で、城の軍隊に支援を要請します。そのため、アネモス兄さんがアチリス男爵直轄の軍隊を連れてここに来て、エヴァンデル様率いる騎士領の兵士と共に戦うことになったのです。

「分かったら出発の準備だ。半刻後に出発する。」アネモス兄さんが言い終わると、皆は解散しました。私は装備を整理に戻ろうと思っていますが、アネモス兄さんに呼び止められた。隣にはリサンドス様もいる。

「本来、今回の討伐には俺たち2人で参加する訳がないが、君に討伐の経験を積ませるために俺が連れて行くことにしました。父親の息子は私たち兄弟2人しかいない。安全のために、今回は後方に留まって、旗を持ってくれ。」アネモス兄さんが言いました。

「え、なんで!久しぶりにやる気を出して討伐に参加するところだったのに、装備もたくさん持ってきて、絶対失敗しない自信があります!」私はアネモス兄さんに抗議しました。

「父親は以前から君に討伐に参加するように言ってだ。でも君には図書館か工房にいるだけだ。領主の息子として、早く魔物と戦うことに慣れるべきだ。一日中室内にいることは、錬金術師のように肌が白くなるだけ。」アネモス兄さんは私の抗議を無視しました。

「でも、でも!」

「クリュー坊や、アネモス様も君に心配しています。今回はただの見習いに過ぎない。ペトロス様も出発前に何度も言っていました。だから寝る時も鎖帷子を脱がないと言いました。今回は後方に留まってください。それに、旗を持つ役割も重要です。旗が倒れるわけにはいきません。」リサンドス様も私を説得しました。

仕方ないですが、旗を持つのもとても大切だ。私は非常に不本意ながらも頷き、荷物の置かれた小屋に向かいました。

図書館で過ごすと言ったが、貴族の子供は学校に通い、読み書きを学ぶ必要があるが、私のように常に本を読んでいる人は少ないようです。私がこうなったのは、前世の影響を受けたと思います。新しいゲームを始めるとき、必ず設定集を見ていたので、異世界で新しい人生を始めるときも同じです。ですから、ここ数年は多くの時間をドリアン師匠の鍛冶工房で修業し、残りの時間はほとんど城の図書室で過ごしています。図書室には多くの本がありませんので、すぐに読み終えてしまいました。そのため、カラティス城の図書館に行く機会も利用しています。もちろん、訓練の時間も逃がさず、ここ数年はリサンドス様に厳しく鍛えられています。

馬小屋に向かって、私はイナヅマの頭を撫で、オーツ麦をあげました。次に装備をまとめ始めました。干し肉を毛布で包み、イナヅマのそばに置くんだ。次に鎖帷子を整理しました。左腕の腕当てはエレニに渡しましたので、手元には右腕しか残っていません。すると、1人では装着できないのを感じだ。幸いエレニは近くで短弓に弦を張っているので、助けを求めました。

「はい、手を中に入れてください。革ひもを縛ります。ほら、肘の関節が動かすことができるでしょう。本来であれば2本の腕当ては互いにひもで結ぶべますが、分かれてしまったので、ひもで鎖帷子と結びます。手袋の部分は複雑すぎるので、まだ作っていません。見てください、こんな感じです。右手が武器を扱うので、左手は少しの保護を提供します。この腕当ては私の自信作です。ワーグには噛み破れないようです。」私はエレニに腕当ての装着を手伝ってあげて、装備の方法も教えました。

次に、エレニに私の腕当ての装着を手伝ってもらいました。彼女は一言も言わず、ただひたすらひもを結びます。せめて褒めてくれてもいいのに、肘の関節の調整は長い時間をかかりました。

「これで大丈夫です。ありがとう。エレニはエヴァンデル様について行くんだと聞きました。次の数日間はおそらく会えませんが、幸運を祈っています。アネモス兄さんがワーグをすべて倒せるといいな、エレニたちも安全確保でしょう。」

エレニは一言なく行っちゃた。まだ何か悪いことを言いましたか。

私は手弩を背負い、片手剣を下げ、装備をチェックしながらつぶやきました。「剣、よし;矢、よし;鎖帷子、よし;腕当て、よし;兜、よし;丸盾、よし。」これは前世で指差呼称と呼ばれています。それは列車の運転士がミスを起こさないようの確認方法で、私が借りてきたものです。手弩は実験的に作った鋼の手弩で、弦を便利に張るためにレバー構造を採用しました。そして、兜を被り、イナヅマを柵のそばに移し、柵に登り、鞍に座ります。直接馬に乗ることもできますが、柵を利用する方が便利です。

私は馬小屋のそばに掛かっている三角旗の長槍を手に取りました。旗には天に向かって咆哮するグリフォンが描かれ、その前足は蛇を掴んでいます。これはアチリス男爵領の紋章であり、グリフォン騎士としての初代男爵を記念するものです。現在、グリフォン騎兵は近衛隊の専属となっており、辺境地域の貴族になるとグリフォンとはお別れせざるを得ません。

私は馬小屋の入り口に向かいます。鎧を着るのに多くの時間を費やしたせいで、ほとんどの人が集まっていました。討伐隊の大部は騎兵で、私やアネモス兄さんのような全身鎧の重騎士が10人以上。皮の鎧を着た軽騎士が20人以上。それに2人の白ローブは聖職者、エレニと同じようなウルフライダーが5〜6人います。アネモス兄さんが馬を横切り、長剣を抜き、胸に掲げ、「神々と共に、邪悪から守り抜く覚悟!」と言いました。

みんなが槍を胸に掲げ、剣を抜き、一緒に「邪悪から守り抜く!」と叫びます。そして、それぞれが別れて出発しました。私を見るのは、エレニがコラクスに乗っていて、短弓を背負い、片手剣を携え、エヴァンデル様の隣に行くのだ。彼女が振り返り、私は手を振ると、彼女も手を振り返します。ああ、コラクスには本当に申し訳ないことをした。おそらく腕当てはかなり重いでしょうし、エレニが途中で落とさないと祈ります。

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