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読者の皆さん、おはようございます。ご覧いただき、ありがとうございます。この小説は、主人公が現代社会の思いをだす、色々な人と出会い、生き延びることです。ご意見などありましたら 、 お気軽にご連絡やコメントしてください。

マンションのエントランスから出て、人気のない街で歩いた。もう午前一時で、既に8月6日です。実際、5日は誕生日で、昼休みに会社階下のデザート屋でスライスケーキを買いましたが、仕事が忙しすぎで完全に忘れてた。でも食べ物に罪はない。明日普通に食べましょう。

道端の家々の明かりはすべて消え、街灯だけが今も輝いています。月も沈み、まだ星だけが瞬いています。星を夜の見張りに例える人もいますが、星は死ぬまで休むことなく仕事をしていますので、私よりも哀れでしょう。

自動販売機に近づき、缶ビールを買いました。先月、残業代が多すぎると、部長が上司に叱られた。従って、今月から仕事が終わったら帰宅し、自宅で残業をするようになりました。残業代は出ないけど、少なくとも在宅勤務の時にドレスコードはなし、部長の怒鳴りも聞きませんので、正直嬉しいと思います。

私は資料作成で凝り固まった首の後の筋肉をほぐし、ビール缶を開けて飲みながらマンションに帰ります。私の故郷は遠い山間の小さな町で、大学のために大都市に来て、卒業後この会社に入った。最初は好きな技術職に就いていたが、数年前にバックフィスの部署に異動となり、毎日の仕事は終わりのない書類作成、同じ資料を何十回も修正するのが日常茶飯事だった。部長は無能でいつも神経質、常に書類の不完全で上司に叱られる。こうなったら、上司のフィスから出てくると、すぐに社員に怒りをぶつけている。残業になると、部長もしばしば感情が不安定になるので、私は残業代が出ないのも納得していた。

両親との関係は良くも悪くもない。両親は私をとても心配してくれて、今でも時々地元の食料を送ってくれる。ですが両親も私の人生を自分たちの掌中に収めようとし、あれこれ指図する。子供の頃に習った楽器から、職業の選択、結婚する時期や相手に至るまでそうだった。両親のやり方に嫌気がさして、私は小さな町を離れ大都市に進学、卒業後も戻らなかった。

「自分一人でもうまくやっていけることを親に見せつけるため」に、働き始めてすぐにこのマンションを購入した。代償は30年のローンだった。これが新しい部長に対する辞職できない重荷にもなった。

人生はこんなものか。週末には寺に参拝に行くべきだろうか?でも貴重な寝坊時間をあきらめたくないな。

もう一度星を見上げると、夏の大三角が隣の家の屋根の上にかかっていた。子供の頃、星座観察の手引書を両親にせがんで買ってもらい、毎晩屋上に上って星を見ていた。両親は私の学業に厳しかったので、寝る前に少しだけ星を見ていた。理科の成績が良く、自分でも好きだった。あの時夢はティコやガリレオのような科学者になることだったが、今は資料を朝まで作り、明日もまた部長に怒られながら修正するだけだ。

若いっていいなあ、何もないけど未来は可能性に満ちている。今の私は蜘蛛の巣に絡まった小さな虫のようで、明日も同じ通勤、出勤、そして帰宅してまた残業という日常の網で縛られた。

子供の頃は勉強して、将来は大都市で働けばいいと思っていた。仕事をしているときは部長が異動か退職するまで我慢すればいいと思っていた。しかし、年を重ねると、今ではそういう考えもごとに薄れていき、毎日自動人形のように仕事をこなすだけだ。

マンションの前の横断歩道に戻ると、遠くからタクシーが近づいてきた。助手席の乗客はスーツを着ていて無表情だった。終電を逃した社畜だろうか。部長の「英明さ」に感嘆せざるを得なかった。この残業さんの残業代はタクシー代に足りるのだろうか。鍵を手にしながらマンションのエントランスに向かった。

えっ、なぜタクシーは減速しないのか?タクシーが高速で私に迫ってきて、運転手も乗客も驚愕の表情をしていた。逃げようと思ったが、残業と疲労で鈍くなった神経と脚は反応できなかった。「ドン!」タクシーのバンパーが太腿に当たる音のようだった。ボンネットが私の頭に飛び込んできて、視界を占拠した。

次の記憶はぼんやりとした夜空で、木の梢の横に夏の大三角が私を見つめている。それは私を嘲笑っているのか、それとも哀れんでいるのか?体は痛みを感じなかったが、頭がくらくらして手足も動かず、体全体が徐々に冷たくなっていく。何か粘り気のあるものが額から滴り落ちて目を塞ぎ、星すら見えなくなった。

ああ、神様、もし来世があるなら、自分の心に従い、後悔しない人生を送りたい。

そう祈りながら、世界は完全な暗闇に包まれた。

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