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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

公式企画に参加してみた ④ 2023年 なろうラジオ大賞5 

雪山の遠足と雪だるまのお化け

作者: モモル24号

 怪談、ホラージャンルになります。少しでも怖いのが苦手な方は、ブラウザバックをお願いします。

「わたしにからだをちょうだい!」


 どこからかだろうか。女の子の甲高い声が聞こえた気がした――――


 ――――あれは急に冷え込んで来た冬のはじまり、雪の降り出した日の夜だったと思う。


 私の住む町は雪山に近い。だから比較的雪には慣れている地域だと思う。


 今年は夏が長くて、冬の準備が遅れた。いつもなら、雪山が雪化粧を始めてからが冬本番だったのに。


 会社も学校も休みとなれば、たまの大雪でやることは一つ。


 童心にかえって雪かきがてら、雪だるまを作る。


 そういえば、いつ頃から雪だるまを作らなくなったのだろう……。


 ……思い出した。ずっと昔に姉が亡くなった事件の後からだ。


「身体の欲しい子がいたから、雪だるまを作ってあげようと思ったんだ」


 たしか姉はそう言っていた。地元の小学校で雪山に冬期遠足で遊びに行った時だと思う。


 雪山で雪だるまを作ったと言っていた。雪が解け暖かくなった頃に、姉は原因不明の病にかかった。


 手足が霜焼けになったように腫れあがった。そして全身が凍傷にかっかったように冷たくなり、息を引き取ったのだ。

 

 姉はきっと雪だるまのお化けに会ったのだ。



 姉が亡くなった年の五年前、雪山の遠足で事件があった。


 子供たちは遊びのつもりで、一人の女の子を雪で固め、人間雪だるまを作ったのだ。


 無邪気な、しかし残酷な遊びで女の子は凍えて亡くなった。雪だるまのように剥き出しの手は霜焼けになっていたという。


 子供達に悪意があったかどうかはわからない。ただ遠足は毎年行われた。


 私は雪山が怖かった。子供ながらに、姉が亡くなったのが雪だるまを作ったせいだとわかっていたから。


「わたしにからだをちょうだい!」


 私は姉と同じ小学四年生の時に、遠足でその声を聞くことになった。


 私は姉の言葉を思い出していた。


「作ってあげようと()()()()()


 ――――姉は確かそう言っていた。


 あの時の姉は雪だるまを作れなかったんじゃないか、私はそう思った。


 だから雪だるまのお化けは、代わりの身体を貰いに来たんだ。



 ――――私は小さいけれど雪だるまを作った。


 最初に亡くなった女の子は置いていかれた。


 姉が雪だるまを作れなかったのは、きっと時間がなかったからだ。


 私は雪だるまを作り、拾った石や枝で顔を作った。


 腕の変わりに差した枝に手袋を着けた。


 私はそれ以降、雪だるまのお化けには会っていない。


 久しぶりの雪だるま。私はなんとなく雪山へ向けて顔を作り、手には手袋を、頭に帽子を被せたのだった。

 お読みいただきありがとうございました。ラジオ大賞の企画作品となっています。


 ジャンル、投稿形式がまだよくわかっていませんが、応援、ご感想等あればよろしくお願いします。

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