第二話 魔法が使えた
「では、二次面接については、後ほど日程のご相談をさせて頂来ますので、宜しくお願い致します。」
「こちらこそ、お時間を取って頂き、ありがとうございます。失礼致します。」
お互いにお辞儀をしたままエレベーターの扉が閉まる。楽しくおしゃべりしている中で、面接官の心をつかみ、二次面接に繋げた。良かった…。
さぁ、これで今日は終わりだから新幹線で家に帰るか。でも、せっかくだからどっか見て帰ろうか…。
あれ?会社を出ると街の人達が空を見上げている。
なんだろう…?
「…宇宙船?…って、マジで?」
俺たちの頭上にいるのは、間違いなく宇宙船だ。
銀河で騎士と機械兵が戦う映画に出てくる戦艦みたいだ。
その船から次々と飛行機が飛び出してくる。
あれは飛行機なのだろか、どちらかというとガンシップのようにも見える。そのガンシップがこちらに向かってミサイルを…
「って、ミサイル!」
俺は咄嗟に唱えた…この行動が俺の人生を大きく変えてしまうとはその時の俺は想像できなかった。
『その名は炎、その役は剣 されば我は求め訴えたり
光に覆われし漆黒よ 燃え尽きろ、紅蓮の中で 我は歩む 雷豪歩』
俺は、一瞬にして東京ドームに移動した。
これは、移動魔法の中でも最速の魔法。
移動距離は絞られるけど、10km位ならどこへでも跳べる。というか、どうしてつかえたんだろう。
向こうからこっちに戻ってきて、
身体能力は格段に上がっていたけど、魔法は使えなかった。身体能力の向上だけが、俺が異世界に行っていた証拠だと思っていた。たが、今まさに魔法が使えた。
攻撃魔法ではなかったが、それでもこの意味はでかい。
『知識の精霊よ。われにこの者の情報を与え給え。情報公開』
【名前】 エドワード・フォン・ディナン・アルカディア (工藤大貴)
【種族】 亜神 【年齢】 24 【職業】 無職
【レベル】 9999【称号】 最強無比、元勇者、元皇帝 【HP】 99999 【MP】 99999 【攻撃力】 999
【防御力】 99 【魔力】 99999 【素早さ】 999
【魅力】 10 【運】 5 【スキル】 神の加護 魔法(全属性)、創造魔法、状態異常無効化、物理攻撃絶対耐性、全言語翻訳、念話
あぁ…元のままだけど、久方ぶりに見るととんでもないステータス数値。そもそも、種族人間でもないし。種族亜神の無職ってなんだよ。
…でも、この状況って俺に取ったら最高のシチュエーションなのでは?命の危機を救ったら、アイドルでも有名女優とでも公式に付き合えるのでは?どうせ、俺には薬も銃も効かないし。
…やってやるか。