第十話 敵への対策
結局、ほとんどの国から訓練生を向かかえることとなった。講義を行う場所は、都心の大規模会議場で先程までの場所よりも広い場所となっている。
見るからに集まった生徒は、軍人ばかりであった。ちらほら研究者や官僚らしき姿も見えるけど。総理、大統領の皆さんは引き続き、画面上で確認されている。勿論、中国の参加は断わった。
「では皆さん、魔法についての講義を始めさせて頂きます。講師は私、工藤大貴が務めさせて頂きます。先程、中国政府から問答がありましたが、私に反抗的な態度を取られた方々は、問答無用で退出させますので、お忘れなきよう。」
今度は、頷くだけで反抗的な姿勢は見せない。おそらく、先程の会議後で上から何かしらの指示があったんだろう。
「それでは、皆様の前に置かれている書籍をご覧下さい。こちらでは、私が異世界にて出版していた魔法の心得と基礎について触れています。まずは、この教本にて魔法にいての基礎知識を身につけて頂きます。」
そこで、一人の軍人が手を挙げた。
「そちらの方、何か?」
「講義を止めてしまい申し訳ない。私は、米海軍Navy SEALs所属で、階級は大佐。ここには、他の国の連中もいるので、名乗れないが、あなたに質問したいことがある。構わないだろうか。」
「ええ、確認を取って頂きましたので、構いませんよ。何でしょうか?」
「こんなに悠長に構えていて大丈夫なのだろうか?今、世界各国に飛来している。宇宙船がこの間に再攻撃してこないだろうか。」
「ええ。その可用性はあります。まぁ、あなたのおっしゃるとおり、まずは現在の飛来している敵を殲滅してから講義を行うべきなのでしょうが、彼らを殲滅となると現在、私にしかできません。その報酬は、国際連合で出して頂けるのでしょうか?また、今後も私は国際組織に所属する予定はございません。それを国際社会が良しとするのか、それが確定し、私と私の家族の身の安全を確保していた頂けなければ、私も行動に移れません。」
「つまりは、君と君の家族の身の安全を保証し、君に対して国際社会が束縛しないと約束。更に攻撃に対する報酬を用意する。これらが保証されるのであれば、敵を殲滅すると?」
「ええ。お約束します。」
「それならば、まずはそこから動くべきだろう。」
「ええ。総理、大統領の皆様。聞いていたとおりです。先程の条件を呑んでいただけるのであれば、敵については私の方で殲滅します。どうされますか?私としては、先にそちらについての協議を皆様でして頂き、安全を確認してから講義を進めたほうが良いと思いますが。」