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カイキ 渋谷で突如起こった三十人首無し怪死事件 防犯カメラには一気に無差別に人間の首が飛んだように見えたが おどろくべき事に その詳細について 警察は一切 情報を得られず ただニュース特番や雑誌等が

カイキ


渋谷で突如起こった三十人首無し怪死事件

防犯カメラには一気に無差別に人間の首が飛んだように見えたが

おどろくべき事に

その詳細について

警察は一切 情報を得られず

ただニュース特番や雑誌等が集団自殺や

狭まった思想によるカルト集団の犯行と言うが

一向に進展しない捜査に文句を言うだけで終わりそうである

ニュースの報道の裏

警察が捜査の範囲を広げようと

中沢健の元へと訪れていた

雑誌が山のように積まれ廃屋同然の部屋に

紙袋を被っていな

さえないおっさんが眼鏡の向こうから

少年のような怪しい無邪気さをこちらに向けている

刑事は端的にノートでその視線を避けながら聞く

「こう言うのはオカルト関係に聞くのはどうかと思うのですが

しかし どうも 事が事ですし

何か そういう情報を得ているかも知れないと

警察に不審者としてマークされていたあなたには

恰好の得意分野かと思いまして」

中沢氏は少々 不服そうに顔を歪ましたが

そんなことはどうでも良いというように

紙の束を山から持ち出すと

座るところも無いような畳の上に置く

「カマイタチ ひきこさん かしまれいこ

口サケ女 人を切る妖怪は暇がありません

しかし 東京だと平将門 鈴ヶ森等々

怨念渦巻く大都市 それ故に」

刑事のひとりが帰ろうとするがもう一人が先を促す

「それで 中沢さんは 何が事件の首謀だと思われますか」

中沢氏は腐ったようn湿った畳の上に置かれた紙をめくり

何枚か広げたが

「もしかすると都市伝説の一つかも知れません」

都市伝説ですかと刑事は呟くが中沢は続ける

「ええ ピアノ線ってご存知ですか」

中沢氏の声に頷く刑事

「都市伝説の中に

細くて見えない強度のあるピアノ線を道に張って

バイクが知らずに通ると首がなくなると言う話しです」

そんな馬鹿なと言う声を無視するように

「まあ 説の一つですし

6チャンネルでずと集団自殺説が非常に今の所 盛り上がっていますね」

刑事は呟く

「そうはいいましても どうやって 首がきられたのかも

検討がつかんのです」

「はあ」

曖昧な中沢氏の返事に対し刑事が言う

「どうです これから 現場に一緒に行って頂けませんか」

応答に困る中沢氏はいつの間にかパトカーに乗せられ

車内で

中沢氏による予想を聞いていた

「つまり あなたは 今回の事件は 巨大化したカマイタチだとお考えを」

ええという中沢氏に対して

もう人るの刑事が

座席の前を蹴る

現場は黄色いテープが貼られ

とても活気のある場所とは思えない

店は閉まり人は警察関係者がいるだけで

他に一般人は見当たらない

「どうです 霊能者の知り合いとか居ないんです」

辺りはそろそろ夕日が差し

ビルが暗闇を追っている

一カ月前のまま

その犯行時刻に近づいている

中沢氏の呆けた眼鏡の奥

その怪しげな風体とは裏腹に

等々としゃべり出した

「やはり 風 UMA 未確認生物ではなく

ただの風ですね 大カマイタチです」

中沢氏が何を言っているのか分からず

刑事が首をかしげ聞く

「風で人が死にますか三十人も

それに 第一 そんな事件聞いたことがありません」

中沢氏は反論した

「今までに無いからと言って それが百%になることはありません

現に風で皮膚は切れますし 最近できた00ビル

そして気温が下がり温度変化により生まれた気流が

あの日 最高潮に達したんです」

しかしと刑事は言う

「しかしですね

死体は皆首だけが切り取られ落ちている

他の体に傷は一切なく

本当にそんな事が出来るんでしょうか

やはり いい加減な人でしたか」

その時 前方で悲鳴が上がる

どうやらなにかあったようで

黒い制服から血が吹き上がっている

「っあ」

刑事が何か言う前に倒れる

しかし どういうわけか中沢氏は前に出ると

「これは やはり風ではなく 透明な生物の可能性がある」

中沢氏の眼前で何か大気のような物が

薄暗い夕焼けの下動いた気がした。


逃げ惑う警察官の中

中沢は一歩又一歩後ろに下がる

何も見えない

しかし 次々に警官が倒れていく

もう駄目かも知れないと言う気持ちが中沢氏にあるのかどうかふめいである

しかしながら中沢氏は携帯を構えいう

「あきらかに温度が一部違う生体反応だ」

横で刑事の首が飛ぶ

「これはもしかしたらUMAかも知れない」

倒れた刑事から拳銃を奪い

画面の中で青く動く物を見て引き金を絞る

鈍い音と共に何かが地面に落ちる

震える声と共に近寄ると

青い液体がアスファルトに染み入る

殺してよかったのだろうか

中沢氏は血液のサンプルを取ると

近くの郵便ポストに入れる

これで今月三軒目だ

そう呟くと中沢氏の姿はかき消えていた。





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