第五話 お茶会いびり
いびりの法則が乱れる、キュアリィのノマールいびり。
今回はノマールをお茶会に招待しました。
果たしてどんないびりが爆誕するのか……。
どうぞお楽しみください。
学園が終わる夕方。
キュアリィはヴィリアンヌの部屋を訪れました。
「失礼いたしますヴィリアンヌ様」
「キュアリィ。今日はどんな風にあの平民をいびったのか、報告なさい」
「はいっ」
ヴィリアンヌの言葉に、キュアリィは元気よく答えます。
「今日はお茶会に呼ばれた事がないと聞いたので、週末のクラスの友人とのお茶会に招待しましたわ」
「えっ」
ヴィリアンヌは一瞬怪訝な表情をしましたが、すぐに納得しました。
(成程、茶会のしきたりも作法も知らない平民を、友人との中で吊し上げにするという訳ね……。クラスでの居場所を奪うなんて、やるわねこの娘……)
「よくやりました。これからもその調子でどんどんいびりなさい」
「かしこまりました」
キュアリィは一礼をして、部屋を出て行きました。
時間は進んで週末。
キュアリィの家にノマールと二人のクラスメイトが招待されました。
「ご機嫌ようキュアリィ様。本日はお招きに預かりまして、まことにありがとうございます」
「ようこそウォミーさん。どうぞ寛いでお過ごしになってね」
「ご機嫌ようキュアリィ様。本日はノマールさんとご一緒できると聞いて、楽しみにしてましたの」
「ようこそソフィティアさん。私も皆さんとお茶を囲めるのが楽しみでしたわ。ね、ノマールさん」
「はい、あの、色々わからない事ばかりですが、よろしくお願いいたします」
ノマールの様子を見て、ウォミーが微笑みます。
「まぁ、緊張なさっているのね。大丈夫ですわ。キュアリィ様のお茶会は、いつもの堅苦しいお茶会から離れてお茶とお菓子を楽しもうという会ですもの」
「お作法は勿論大切ですけれども、そればかりだとお茶が嫌いになってしまいますわ。ノマールさんは初めてのお茶会だそうですから、まずは楽しんでくださいな」
後を継いだソフィティアの言葉に、ノマールの表情も和らぎました。
「ありがとうございます……。楽しませていただきます」
「色々お勉強のお話も聞かせてくださいませ」
「私も聞きたいですわ。詩の課題で良い言葉が思い付かなくて困っていますの」
「はい、是非!」
打ち解けた様子のクラスメイトを見て、キュアリィは嬉しそうに微笑みました。
(クラスメイトの絆を深める事もできるだなんて、いびりには無限の可能性がありますのね!)
読了ありがとうございます。
類は友を呼ぶ。
ちなみにウォミーは、『暖かい』のwarmから。
ソフィティアは『柔らかい』のsoftから。
名は体を表す。
次話もよろしくお願いいたします。