68話 善きものよ、我が悲劇を想え
〜数時間前、冒険都市アガトラ近郊、平原地帯、北部〜
「ブモオオオオオオオオオオオ!!!」
平原を駆ける四つ足。
蹄は茂みを裂き、泥を駆ける。
「ハッ、ハッ! よっし、よしよし、こっちだ、こっち! 化け物め、追いかけてこい!」
平原を跳ねる2つ足。
米軍の払い下げオークションで手に入れた合成素材のコンバットブーツの靴底が、地面を踏みしめる。
「ブモオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
「ヒイ!? 牙デカ! ひ、ヒヒヒヒヒヒ、下手しなくても死ぬな、これは!」
大型のSUV乗用車ほどのサイズのイノシシのモンスターに追いかけられて、その男は笑う。
猛り狂う化け物、その牙は太く、人の身体など容易に貫いてしまうだろうそれが迫るも、男は嗤う。
脳が、歪んでいるのだ。歪んだそれは恐怖を怒りに、危機を愉悦に変えてしまう。
「ブモ! モモモ!」
「ひ、ヒヒヒ、ラザール!!」
半笑いで、イノシシから逃げ続ける男、遠山鳴人が仲間の名前を呼んだ。ここだ、作戦通りに遠山は化け物を目的の場所まで誘き寄せていた。
「ああ、充分だ」
茂みの中から、声。聴き慣れたトカゲの友人の声に遠山は笑みを深めた。
ずむん。
「ブモ!?」
イノシシの体勢が崩れた。突如、現れた闇、いや、影が粘性の沼となって地面に広がる。
ラザールのスキル、その応用。影を利用した落とし穴に大イノシシがハマった。
「ストル!」
「ディス」
遠山鳴人の剣が、ラザールと反対側の茂みから飛び出る。モンスターをも超えるその速度、ただ、ただ、疾い。
影に足を取られることなく現れた水色の風が舞う。
「モモモ?!?」
深い切り傷、厚い毛皮、強い肉を鈍い刃が叩き裂く。
びきり、その傷跡が出来ると同時に、ジャイアントボアの鼻に備える大牙に亀裂が。
いや、完全に根本からその牙が折れた。
市場で売られていた鋳造製の量産剣でも、ストル・プーラが扱えば、それはモンスターの牙をすら容易く断つ兵器となる。
「悪いな、モンスター。これな、殺し合いじゃなくて、狩りなんだ、よっ!」
手筈通り。
この狩りの為に、遠山が用意した槍を構える。シンプルな作りの木と鉄を材料にした槍。
「ピギュエエエ、ブモオオオオオオ!!」
猛る化け物。賢いそのモンスターは己の危機を理解した。故に吠える。近づくな、近づくな、殺すぞ、と。
「ヒヒ、お前、びびったな?」
だがその虚勢は逆効果だ。
その男には怯えも、躊躇いもない。
影に足を取られ、剣に牙と肉皮を断たれた獲物に、狩人が襲いかかる。
ずぐん。遠山がイノシシの眼を槍で突く。あまり深く刺さず、しかししっかり体重を乗せて。
「ピギュエエエエエエエ!?! エ……」
「そこ、ディス!」
暴れようともがき始めた化け物の四肢を、ストルが狙う。正確に足の腱を断たれたモンスターはもう歩くことも出来ない。
崩れた体勢、腹、胸、生き物の急所ががら空きだ。
「お、いしょっと!」
ぞぶん。遠山の槍が今度はジャイアントボアの胸の真ん中を。今度は深く、えぐるように。
「お、オオオオオオオ!!!」
「ピギィイイイイイ?!? ギュ、ギュギュイ!?」
槍先を捻り、更に傷を広げる。肉の中で骨を掠め、血管を破る感覚が槍を通して遠山に伝わる。
「ぴ。ぎ」
「ひ、ひ」
ああ、良い…… 命を奪う感覚、はっきりとモンスターと自分が対等に生きている実感がそこにはあって。
遠山鳴人はその感覚が、嫌いではなかった。
ずうん。心臓を貫かれた巨体が沈む。びくり、びくり何度か大きく、体を震わせた後はもう2度と動くことはなかった。
平原の草花がまた、新しい血を吸っていく。冒険者とモンスターの営みはこうして続いていくのだ。
「よーし、3匹目! なかなかコツが掴めたきたな」
「ふう、こちらとしてはヒヤヒヤするな。ナルヒトがいつあのモンスターの牙に貫かれるか、気が気ではないな」
「ディス、トオヤマ。貴方は私より足が遅い。囮役は貴方より、私の方が適任では?」
手筈通り。
先日の塔級冒険者から得た情報、遠山の求める質の良いソーセージのレシピのため彼らは本日から、狩りの獲物をこのイノシシのモンスターに切り替えていた。
「あー、まあそうなんだけどよ、ストル、お前の足の速さだとあの化け物振り切っちまうだろ? この狩りはいかに奴らに気付かれずにラザールの影の落とし穴にぶちこむのがキモだからなあ……」
イノシシのモンスター、冒険者ギルドでの分類は"3級モンスター、獣毛種、ジャイアント・ボア" 、遠山とラザール2人組の時は、相性の関係から安全に狩れないと遠山が判断して、狩猟の対象には入れなかったモンスターだ。
だが、今は違う。
「まどろっこしいやり方ディス。ジャイアン・ボア程度なら、私が正面から斬り殺しますディス」
びっ。
水色髪の少女騎士が、安物の剣にべっとりこびりついた血糊を一振りで振り払う。
ストル・プーラの加入は、遠山たちの戦術の幅を一気に広げた。秘蹟や副葬品なしでも、足がモンスターよりも速く、膂力も化け物並みのチート騎士。
遠山が囮、ラザールが足止め、ストルが遊撃。遠山の手筈通りに怪我もなく、トラブルもなく、狩りは狩りのまま、殺し合いにはならずに冒険者が勝利していた。
だが、ストルはイマイチそのやり方が気に入らないらしい。
「キャラ性能でのゴリ押しは趣味じゃないんだよ、ストル。お前のそのスピードとパワーを正面からぶつけるよりも、落とし穴にかかったイノシシに喰らわせる方が効率がいいの」
「む、むむむむむ」
ぷひーとため息をつく遠山に、ストルがほっぺたを膨らませる。しかし、言葉が見つからないのだろう。文句があるのを態度で示すことしか彼女には出来なくて。
「ストル、少しいいかい?」
「なんディス、ラザール」
ラザールがちょいちょいとストルを手招き。素直にストルが駆け寄る。
「ナルヒトはつまるところ君に囮役をさせたくないわけさ。君を戦力として扱う割に、子どもとして扱うひねくれ者の意地みたいなものだ。譲ってやってはくれないか?」
「どういう意味ディス?」
「君が心配なんだよ、我らが竜殺しはな」
ニッと笑うリザドニアン、彼の視線はストルへ微笑みかけた後、遠山に注がれた。
「あ、おい! ラザール、てめ、何言って」
「ディーース?」
「げ」
最高に調子に乗ってます、そんなストルの声に遠山が思わずうめいた。
「ウイーフック、む、ふふふふ、ト、オ、ヤ、マ。なんディスなんディス、そんな嫌そうな顔をして。ふーん、心配なら初めからそう言えばいいのに、むふふふふ」
「うっぜー、わかりやすく調子に乗りやがってからに……」
「むふふ、大人の男のくせに照れるなんて、可愛いとこもあるじゃないディスかー? 言っていいんディスよー? 私のことが心配だから囮をさせたくなかったからってー? んー?」
ニヨニヨと唇を緩ませて、どうやってかその水色のポニーテールをぷらぷら揺らしながらストルが遠山を突き回す。
「このバカガキ……」
明らかに調子に乗っているストル、流せばいいものの、あまりにもその顔が腹立たしい。
なので、遠山は決めた。ここ数日、ストルとの付き合いで気付いたことがあるのだ。
「んー? どうしましたディ「そうだよ、ストル。お前にあんまあぶねー真似させたくないんだ」
「ディっ?!」
安い挑発に乗った遠山が、ぐいっとストルに顔を近づける。
「お前は強い、まともにやり合ったら俺もラザールもお前には勝てないだろ、だけどな、俺にも意地があるんだ」
「い、意地? て、と、というか、ち、近いのディス……」
ストルのポニテはもう揺れていない。
ずいっと、迫る遠山から眼を逸らす。何度も何度も、その水色の髪を手で梳きはじめて。
「意地さ。女を囮になんか出来るか。ましてや自分より年下の女をよ、なあ? ストル・プーラ」
「わ、わわわ、わかった! わかったのディス……! だ、だから、少し離れて…… わ、私、今、汗とかかいてるから……」
そう、このストル・プーラというガキンチョ。自分からぐいぐい絡むのは得意らしいが、絡まれると弱いのだ。
遠山は真っ直ぐストルを見つめる。ストルは水色の眼を泳がせ続ける。白いモチモチのほっぺたがみるみる間に赤くなりーー
「と、トオヤマ、ほ、ほんとに近い、から」
ぎゅっと、ストルが目を瞑った。
「プヒ」
「え?」
ストルが眼を開く。
遠山鳴人の我慢の限界が来た。
「ブフ! ひ、ひひひ、あは! はははははは!! スゥトルちゃああん? お顔が真っ赤でちゅわよ! あはははは! てめー、人をからかう時はあんなクソガキなのに、あれれー? 揶揄われた時よっわ! 汗臭いどころか、なんかいい匂い、アロマみたいな香りがしますけどー?」
腹を抱えて笑う遠山。先程までクソガキムーブをかましていたストルが、ぷるぷるしている姿はとても面白かった。
「ッッ……」
遠山がストルの匂いに言及した辺りで、彼女の動きが止まった。
それは遠山の思った反応とは違った。いつもならぎゃーぎゃー騒ぎ始めるのだがーー
「あれ? 動かんくなった。ラザールくん、これは?」
「はあ……」
遠山の言葉に、ラザールが眉間に手を当ててため息をついた。
「ッバカ!!」
パッシイイイイン!
良い音だ。ストルの鋭いキックが遠山の尻を叩いた。
「ギャァ?!? イッタァァ?! ら、ラザール! ラザールラザールラザール! 今の見た?! このガキすげえ鋭いキックかましてきたんだけども?!」
「ナルヒト、今回はあんたが悪い」
ラザールは首を振る。助けてくれる気はないらしい。
「ディス! ディス! ディス!」
パァン、パァン、パァン!! 小気味良く乾いた音を遠山の尻が奏でる。
少し涙目になってる第一の騎士、リズミカルにキックが続く。
「イタ! 痛い! こいつ、的確に穴をっ!?」
「ふん! ニコちゃんの言う通りディス、トオヤマは女の子の扱いが雑なのディス!」
一通り蹴り倒した後、ストルがほっぺたを膨らませてつーんとそっぽを向く。
あれだけ蹴られて、痛みが残らないので手加減はしているみたいだ。
「……女?」
あまり懲りてない遠山がストルの言葉に首を傾げて。
「ナルヒト、お前さっき自分でストルに言ってたこと忘れたのか」
「人のケツ蹴る時に的確に穴を狙ってくる奴は女じゃなくてクソガキ分類だろ。痔になったらマジで許さんぞ」
「……まだ足りないようディスね」
「あー! うそうそうそ! レディストル、私めが間違っておりました」
シッ、シッ、とストルがキックの素振りを始めた所でようやく遠山が慌て始めた。
「うそ?」
「うわ、めんど。正義スイッチ入れちったよ」
「まったく、ほんと、退屈しないよ、ナルヒト、ストルーー」
狩りの合間の呑気なひととき。
広がる緑色の絨毯、辺りに生える低木がちらほらと。所々に小川や、小さな池もあることから多様な生命を育むのだろう。
ここは、森林にも近い、眼を凝らせば平原の奥には木が生い茂っている場所が見える。
今のところ、平原地帯での狩りは、極めて順調。
「ん?」
その、はずだった。
だが、それはもう始まっていた。
ラザールが、ぴたり。動きを止めて。
「ディス? どうしました、ラザール?」
「ーー今、何か聞こえなかったか?」
びゅおおおおおおう。
風の音だけ。
平原の種々が踊るように、風に。
風は前方、森林の方から吹いている。
遠山たちが以前、2級モンスター、ティタノスメヤを狩りまくっていた場所の方向だ。
ただ、風の音だけ。少なくとも遠山にはそれしか聞こえない。
「いや? なんも。なあ、ストル」
「ディス、周囲にモンスターの気配もありませんディス。今のうちに、ジャイアント・ボアの血抜きをして荷車に乗せた方がいいディス」
「ーーいや、たしかに聞こえる…… これは、なんだ。唄? いや、泣き声……」
「お、おい、ラザール? どしたんだ、お前。なんか、大丈夫か?」
何か、おかしい。
嫌な予感だ。
「呼んでる…… 俺を、なんて、哀しい声……」
「……トオヤマ、ラザールの様子がおかしいディス」
ストルも遠山と同じく、何かまずいのを感じとったらしい。低い声で警告を発する。
「だな。おい、ラザール、落ち着け、一体どうし
遠山が、ラザールに手を伸ばした。
ぱんっ。
遠山の言葉が途切れるのと、乾いた音が鳴るのは同時だった。
「呼んでる……」
惚けたラザールが、遠山の差し出した手を、払い叩いたのだ。
蝿でも叩くかのように。ラザールが行ったのは明らかな拒絶。
「あ……?」
「ラザール?!」
遠山の身体が硬直する。ストルが悲鳴じみた声をあげた。
「俺を、あの子が呼んでる…… ひとりぼっちのあの子が、俺を、なんて、悲しい歌……善き者を、呼んでる……」
ぱちり。
ラザールの眼、そこにはもう虹彩はない。白目を剥いて何かをつぶやく。
ふらふらと、どこかへ歩き始めた。
「っ! おい、ラザール! お前、いきなりどうしたんだよ!」
遠山が、ハッと動き出す。どこかへ向かうラザールを引き止めようとその肩に手を再び。
「"影の導き"」
「は?」「ディス?」
どぽん。
トカゲ男、影の牙の足元に影が溜まる。それが何か、遠山もストルも知っている。
影の導き、この世の外にいる大いなる存在、"眷属"によりもたらされたラザールの才能。
己の姿を覆い隠し、存在を、悪事を包み隠す隠形の技。夜の街では、ストルや遠山、仲間たちと共に被った影の帷。
でも、今回、その影の帳が包むのはラザール1人だけだった。
「……いま、ゆくよ、だから泣かないでおくれ」
とぷん。
ラザールが、影に沈んだ。唐突に、遠山たちの目の前から消えた。
遠山と、ストル。2人だけが、残された。
「は?」
「ハァ?」
「「はあああああああ?!」」
人はわけわからない事態に陥った時、元気があれば叫ぶらしい。
ラザールが、どこかへ消えた。
「ちょ、ラザ、ラザール?! おい! どこ行った?!」
「か、影、トオヤマ、あれって、ラザールのスキル……」
「んなこたぁ、一目見たら分かる! いや、待て、落ち着け、落ち着け落ち着け…… ストル」
遠山が、すぐさま切り替える。非常事態に肝要なのは焦らないことだ。
「な、なんディス?! トオヤマ、ラザールはどうして…… 自分で消えて……」
しかし、ストルは未だ浮き足たったまま、遠山の呼びかけも聴こえていないようで。
「ストル・プーラ」
「っ、はい、ディス」
低く、しっかりと遠山が彼女の名前を呼ぶ。
ぴしり、ストルがワタワタ動くのをやめて直立になった。
「周辺警戒、お前の感覚で周りにモンスターの存在は確認出来るか?」
「……いません、視界に入る範囲、茂みの中、今、私たちを見ているモンスターはいないのディス」
「そうか。さて、考えよう。ラザールはどこに行った?」
頭を回せ、探索でも冒険でも考えることをやめた奴から死んでいくのは同じことだ。
「……様子がおかしかったディス。あれは、まるで」
「言ってくれ。今は状況を理解する為にどんなヒントでも欲しい」
言い淀むストルに、遠山が先を促す。
「……私の、以前の力と装備。"正義"や"首吊りの剣"の影響下にある人間がする表情と似ていましたディス……」
一瞬、ストルが遠山を、その首の辺りに視線を向けて、少しバツが悪そうに俯いた。
「正義…… 秘蹟とかいうインチキパワーか。いや、スキルやらなんやらもそうだけども」
その辺の機微、というか過去のなんやかんやを割と忘れつつある遠山は、あの時自分を殺しかけた力のことを思い出す。
秘蹟、スキル、あとは魔術式。
この世界には遠山の経験ではすぐには対処しえない力もある。
「"秘蹟"には他者の心に強い影響を与えるものも確認されていますディス。ラザールのあの顔は、普通ではありませんディス」
「……なるほど、だとしたらラザールは、いや、俺たちは今何者かに攻撃を受けてるってことか。じゃあ、なんでラザールだけがその影響を受けちまったんだ?」
「わかりませんディス、これが秘蹟やスキルによる影響だった場合、それを我々がすぐに理解する方法はありません」
ストルは、既に戦闘モードに切り替わっているらしい。普段よりも頭が良さそうなことを言っている。
良い傾向だ。遠山は最悪の事態の中で少しずつプラスを見つけていく。
「トオヤマ、指示を。これから、どうしますか?」
ストルが、遠山の剣が己の主人に切先を委ねる。
「ラザールを探す」
なんの迷いもなく言い切る。異質な状況、足りない情報、正体の見えない力。
それでも、遠山にラザールを置いて撤退するという選択肢など存在しない。
「ストル、狩りは中止だ。荷車のことも、獲物のことも今は頭から消せ。切り替えるぞ」
「ウイーフック、審問官殿」
2人の顔つきが切り替わる。
混乱も、戸惑いもまだ心に燻る、しかしそれはもう面にでることはない。
目的だけを絞り、集中して。
「どこから始めますディス、トオヤマ」
「闇雲に動いてもダメだ。ラザールの痕跡を探す。考えるのは俺の仕事、感じるのはお前の仕事だ」
「了解ディス」
落ち着け、焦らず急げ。
遠山が、ラザールが消えたこの事態を見つめて。
ピコン
遠山の冒険には常にそれがつきまとう。
運命を知らせる悪趣味な力はしかし、遠山鳴人の選択により少しづつ、その在り方を変え始めていた。
【警告 スキルの影響下にあります "知識の眷属、ハーヴィー"の手助けによりスキル名判明
スキル名 "善き者よ、我が悲劇を想え"
半径500メートル半位内の"善"属性を持つものの精神に感応する精神系のスキル。"善"属性の存在の良識、同情、心に己の悲劇を魅せることで、自我を犯し支配することが出来る。
善き者とはつまり、寄り添うことが出来るものだ。それが例え喜びでも悲しみであれ、善き者にとっては寄り添い、理解し、分かち合うことこそに価値がある。時にそれが己の身を滅ぼすことになろうとも。
それは"悪"には決して理解できぬ在り方であるが】
ピコン。
矢印が現れる、ラザールが消えた地面、そこに残る黒いシミを指していた。
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