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現代ダンジョンライフの続きは異世界オープンワールドで!【コミカライズ5巻 2025年2月25日発売】  作者: しば犬部隊
サイドクエスト【路地裏のトカゲを追って】

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20話 トオヤマナルヒト

 



「ナルヒト! きてくれ! 酷い怪我だ、クソ…… まだ子供だぞ」




「お、おう。ニコ、なんで……」




「ごめんなさい、ごめんなさい、おにいさん…… めいわく、かけちゃって、ごめんなさい……」




 倒れかけたニコをラザールが優しく受け止める。ブツブツつぶやくニコは、明らかに悪意をもって痛めつけられていた。




「知り合いか? ナルヒト」



「ああ、アンタを探すのに協力してもらったこの街の住民だ。別れてからまだ時間も経ってねえんだが……」



「ごめん、ごめんなさい、めいわく、だよね…… でも、頼れる人、あなたしかいなくて…… それで」



 消え入りそうな声、小さな顔には殴られた痕が痛々しく。



「ナルヒト……」



 ラザールが遠山に視線を向けて。



「ああ、ニコ、何があった?」



 遠山がしゃがみ込み、ニコに語りかける。



「カラスが、おにいさんを探してる…… ローブの男、トカゲを探してるローブの男の場所を教えろって、その人が、ゆって」



 こほ、こほ、とむせるニコの目には涙が溜まっている。



「カラス…… いや、その前に、お嬢ちゃん、口を開けるかい? ああ、いい子だ」




「ラザール?」



 懐から小さな瓶を取り出したラザールに遠山が問う。



「部族に伝わる霊薬だ。痛みを和げ、血を止めてくれる。素材が希少で帝国ではあまり作れないのが難点だな」




 広場の隅にニコを運び、仰向けに寝かせる。そのままラザールが瓶の中身をニコの口元に運ぶ。



「けほ、けほ。ありがとう、トカゲさん…… にがい、わ」



「いい薬の証拠さ。お嬢ちゃん、その傷は……」




「う、ん。奴らにやられたの…… 狭い路地に連れ込まれて、シロとペロだけはなんとか逃がせたんだけど…… わたし達はそのまま捕まって……」




「ペロ……まさか、金髪の癖っ毛の子かい? 小さな子をいつもおんぶひもで背負ってる……」



 ラザールを見たというのは確かペロだ。顔見知り程度の仲ではあったのだろう。




「えけ、そうよ……. カラスに捕まって、それで路地裏に連れていかれたの…… けほ」




「……なんてことだ、なぜ、カラスが……」




「俺とコイツらが話してたのを見てた奴がチクッたか? リダとルカは?」



 おそらく遠山に関わったせいだろう。カラスとやらはラザールを追っていた。それを探している男、遠山はカラスの興味をひいてしまったらしく。




「わたしを、逃すために、そいつらに逆らって…… ルカがスキルで、私を屋根に……それで、にげれたの。でも、もう、ルカはスキルも使えない…… どうしよう…… 2人が、殺されちゃう」




「奴らはこどもにも容赦がない…… ナルヒト、どうする?」




「どうするって、お前……」




 ラザールからの問いかけに遠山が慄いた。



「俺の命はアンタに助けられたものだ。だから、決めた。これから先、命を賭けるかどうかの瀬戸際で、おれはアンタについていくよ」




「お、にいさん……」



 ニコが遠山を見る。縋るような目つき。遠山は意識してその視線に気づかないふりをした。



「カラスってのは組織だったな。規模は?」



「帝国全土に奴らの商売の手は広がっている。王侯貴族や帝都の冒険者ギルドとも繋がりはあるだろう」




「ヤマグチ組みたいなもんか…… だめ、だな。悪い、ニコ。リダとルカは助けられない」




 迷う暇もなく、遠山は結論を出した。



「え……」



「ナルヒト、それは……」



 ニコの目が大きく開かれる。ラザールも同じく。



 2人にとって、遠山のその反応は意外だったのだろう。



「ラザール、アンタならわかるだろ。リスクとメリットが釣り合わねえ。もし、仮にアンタが奴らに攫われたりしたら、俺は迷い無しでそいつらを追うだろう。だが、ラザール、それはアンタが俺の相棒で、俺に必要な人間だからだ」




 遠山鳴人には理由が必要だ。




 遠山はおそらく狂人の類ではあるが、行くところまではまだ行っていない。




 これが本当に、もうどうしようもなくイかれてしまって後戻り出来ない真の狂人ならばニコの言葉にすぐ頷いただろう。




 "気分が悪い" 真の狂人とはそんな本当に下らない理由で世界をぶち壊す、そんな存在なのだから。





 だが、遠山はそうではない。



 イカれたことをするにも理由がいるのだ。そして、彼らは、リダは、ニコは、ルカはその理由にはなれない。




「あ……、お、にいさん」




「悪いな、ニコ。俺はこういう人間だ。お前らとは対等なビジネスの関係だった筈だ。銅貨10枚で俺とお前らの関係は終わっている。気の毒だが、助けられない」




「……あ、あ………」




 泣く、だろうか。



 それとも、怒るだろうか。



 冷たいこちらの言い分に対しての、ニコの反応を遠山は予想する。



「で、も、おにいさん、あんなに、私たちに、優しく……」



「そりゃ勘違いだよ、ニコ。俺は…… 優しくない。こういう人間だ」



 そういうのは慣れている。



 人じゃない。人でなし、化け物、クズ、カス、ゴミ。




 ーー悪魔。



 数々の周りの人間達が遠山に対して投げかけてきた言葉の数々。



 遠山鳴人はその欲望に従う時ならば、この世の不条理、理不尽その全てを嗤いながら殺しに向かう人間だ。




 ラザールを送還し、アリスに挑んだのも、それが遠山の欲望だったからだ。同じ夢の光景を共有するラザールを死なせたくなかったからだ。それが遠山の欲望だったからだ。




 今は違う。



 ニコたちは理由にはなれない。




「俺は…… お前たちの為には命を賭けれない。悪い……」




 そう、彼らこどもたちは違う。



 シンプルに、遠山は彼らをその強欲の範囲に入れることが出来なかった。




 だから、頼む。



 惨めに泣き喚いてくれ、唾を散らし罵ってくれ、やり場のない怒りと悲しみを俺にぶつけてくれ。



 俺を、失望させてくれ。見捨てさせてくれ。頼むから。



 遠山は願う、子ども達がその範囲から外れてくれることを願う。



 でないと、あまりにもーー




「…………リダ、ルカ」




 薬を飲み、少し回復したニコがゆっくりと立ち上がる。




 憔悴しきった顔、ボロ布の服は所々破れ、赤毛も埃まみれ、可愛い顔にはつい先程付けられただろう生傷が、生々しく。




 そして、今、その最後の希望を、遠山は振り払った。



 ニコが、遠山を見つめる。遠山はそのまっすぐな目からつい、目を逸らしてしまった。




 さあ、喚け、怒れ、それで、全部終わりだ。



 遠山が目を瞑るーー








「ありがとね、おにいさん!」





「………………は?」




 素で、そうつぶやいてしまった。いま、目の前のこの少女はなんと言ったのだろう。




 絶望に沈み、自分や仲間の命の危機のなか、力を振り絞って差し出した助けを求める小さな手のひら。




 それをあっけなく振り払った人でなしに、なぜ、そんな顔でーー



 遠山は晒していた目を、少女へと向ける。




「いや、ニコ。なんで……」



 笑っていた。



 ボロボロの姿。



 目には青あざ。服は所々破け、砂まみれ。




「嬉しかったのは、リダやニコだけじゃないわ。わたしも、大人の人に優しくされたの生まれてはじめてだったの」




 ふらつきながら、ニコが立ち上がる。薬が効いてるのは確かだが、その足取りからはっきりダメージが見てとれた。



「お、おい、キミ……」




「困らせてごめんなさい、トカゲのおにいさんもおくすり、ありがとうございました」




「……なんで、そんなこと言える? 俺はお前らを見捨てたんだぞ」




「え? どうして? そんなの当たり前じゃない。ごめんなさい、おにいさんがとても、とても暖かいから忘れちゃってた……自分のことは自分でなんとかしないと、いけないもの」





「それでね、たぶん、もう会えないから言いたかったの! ありがとう! おにいさん、私たちを人間として扱ってくれて、ありがとう!」




 大きな声で、しっかり彼女は頭を下げた。



 遠山とニコの目が合う。



 大きな緑色の瞳、遠山を捉えてにっかりと。




 なんのことはない、ただの無邪気な少女そのものの笑顔で。




「さよなら!」




「……ああ、さよなら」




 少女がぴょこんと頭を下げて、歩いていく。よたよたと、身体のダメージが抜けていないのだろう。



 元気な声は明らかに、彼女なりの強さからくるもので。





 遠山はそれから目を逸らした。




 被る、かぶる。



 かぶるのだ。彼らがどうしても昔の自分とあのけむくじゃらの友とかぶって仕方ない。



 彼らは弱い。だから、奪われる。昔の自分たちのように。



 もう嫌だ。弱い奴を欲しくなるのはもうやめた筈だ。だって、弱いからすぐいなくなる、消えてしまう。




 遠山は自分を理解している。その手に、その強欲に抱える範囲は思ったよりも少ないこと。





「ナルヒト……いいのか?」



「……俺は慈善家じゃねー。アイツらを助けてなんになるんだよ」




 ラザールを助けたのは彼が同じ夢を共有していたこと、そして何より彼が大人で強いと解っていたからだ。




 自分の面倒を、自分で見れる人物だと遠山は理解していた。事実、その通りラザールは結局、帝国という国家、その他の勢力の手から1ヶ月も逃げ延びていたのだから。




「……そうか」



「ああ」




 きっと、もう彼ら、彼女とは2度と会うことはないだろう。遠山はその欲望のままに、生きていく。



 その人生の光景の中に、彼らはいない。遠山はどうしても彼らにその価値を見出せない。



 己の強欲の中に彼らはいないのだ。




 だから、これでいい。



 これで、いい。




「なんで……」




 なんだよ、ありがとうって。



 ニコの笑顔。きっと、本当は泣きたかったのだろう。まなじりには涙が溜まっていた。



 雑踏をゆく、その背中を横目でちらり。



 今、彼女の心の中には絶望が詰まっている。それでも小さな身体を引きずり仲間のもとに戻るのだ。



 その先にはちっぽけな悲劇しか待っていないとしても。





「知らねー…… 俺には、関係ねえ」



 好きにしている筈だ。



 思ったとおりにしてる筈だ。だってそうだろ、元々ここにはラザールを探しに来たんだ。アイツらはたまたまその途中で出会っただけの他人だ。




「知らねー……、俺は間違って、なんか」




 目を逸らす。早く、早く消えてくれ。



 そういうのに、弱いんだ。でも、だめだ。理由がねえ、理由が。



 これでいい。進もう。ようやく夢を共有出来る奴を見つけた。ラザールは必要だ、だけど子ども達はそうじゃない。




 遠山が、去っていくニコから顔を晒す。



 嵐が通り過ぎるのは待つように、ぐっと目を瞑り、息を、止めた。













「高揚したんだ、あの時」



 低く、しかしよく聞こえる声、ラザールの声だ。





「あ?」




「あの時だよ、アンタが、俺の名前を呼んでくれた時だ。覚えているかい、ナルヒト」




「ドラ子んときか…… それがどうした」




「高揚したんだ。あの時のアンタの顔を見て。竜すら食い殺さんばかりの顔、何かに酔っているようにも、茹っているようにも見えた。アンタの顔」




「また会おう、と言ってくれたあの顔だ。俺はあの時心底から思ったよ。また、アンタに会いたいと」




「だから、何が言いてえんだよ、ラザール。簡潔に言え」




「……アンタが今、本当にやりたいことはなんなんだ?」




「は、そんなん決まってるだろ。計画があるんだ。この街で店をやろう。アンタ、パン作れるんだろ? あれは美味かった。俺はこう見えてかなり美食家でな。俺が監修、市場調査、商品開発、アンタが作る。売れるぞ、俺たちのパン屋。そこで金を稼ぐ。色々考えてんだ、俺はーー」



 遠山の言葉はいつになく、荒々しく早口で。何かを誤魔化したいようにも思えた。




「ナルヒト、今、アンタがやりたいことはなんだ。俺のことや、ほかのことを無視して、教えてくれ」




 ラザールがそんな遠山とは対照的に、静かに、そして短く言葉を紡ぐ。




「なんだよ、だからいま言ったろ? 早くここから離れよう。面倒ごとに巻き込まれるわけにはいかねー」




「違う。アンタの顔はそれじゃない」




「……………あ?」




「これから長い付き合いになるんだ、アンタは恩人だが言いたいことは言わせてもらう。アンタとは知り合ってまだ時間が経っていない、だが言うぞ」




 すう、とラザールが息を吸って。




「らしくない、らしくないじゃないか、トオヤマナルヒト」




「……なんだって」




「あの時のアンタはそんな顔していなかった。なんだ、そのしょぼくれたツラは。 何を我慢している? らしくない、お前らしくないんだ、ナルヒト」




「ち、ちょっと、待てよラザール。お前、何言ってんだ」



「欲望のままに」




 ラザールの言葉に、遠山の動きが止まる。




「アンタの言葉だ。今のアンタは本当にそうなのか?」




「……ああ、そうだよ」




「だったら、笑え! あの時みたいに、笑ってくれよ! なんで、そんな、()()()()()()()()()()()()()()()()()





「は? 俺が、何。辛そう……?」



 椅子に座り込む。



 廃材のテーブルの上に忘れたように置かれたビン。



 琥珀色の液体の向こう側に、遠山の顔が歪んで映り込む。



 きっと、それは目の錯覚なのだろう。しかし、遠山には一瞬それが見えた。




 ガキの頃の自分、そして毛むくじゃらの友がそばにいて。



 2人でどこかを歩いていた。あの時、間に合っていれば、そんな未来もあったのかも知れない。



「あ……」




 そんなもしもの光景は、琥珀色の向こうにすぐに溶けて、当たり前の自分がビンに映る。





 酷く、疲れて、ひどく、弱そうな自分の顔が頼りなく映っていた。




「……ひでえツラだな」



 頭を掻く。




 あの時は間に合わなかった。あの時は遠山も、友も弱かった。



 今は、どうなんだろうか。



 あの時、もし、遠山が強ければ。金が、力が、考えが有れば。



 あの毛むくじゃらで、モフモフの友を喪うことはなかったのかもしれない。




「くそ」




 メッセージが視界に躍る。




【クエスト目標 子供たちの運命を決める】




 今、遠山には何があるのだろう。




 うずり。身体の芯が疼いた。



 それは欲望の萌芽。



 知りたくなる。未知を、もしもを探りたくなるのも人の欲望なれば。




「今の俺が、もし、あの時と同じ状況にいれば」




 敵は、理不尽。弱者を踏みつけ、己の欲望を武器として遠山の領域を冒そうとしている外敵。




「あの時はだめだった。タロウは死んだ。……一緒にはもう、いられなくなった」




 幼く、愚かで、弱かった。



 じゃあ、今は?



「歳とって、バカだ。でも、……殺せる、大抵の奴を、俺は殺せる」




 遠山のそれに火がつく。



 ラザールや夢のことを置いて、好奇心が、欲望の呼び水となる。



 知りたい。あの時、もし俺が強ければ、どうなっていたのかを、知りたい。



 理不尽なクソどもが、弱いものから奪おうとするその時、今の俺がいればどうなるのか。




 知りたい、知りたい、知りたい。





「……いい顔になってきたな、ナルヒト」



「うるせえ」




 遠山はこういう人間だ。他人の為にその心はブレても動くことはない。



 だが、ひとたび己の中にあるその力。強欲が疼けば、もうそれに逆らうことはない。




 今の自分がこのクソだらけの世界に何が出来るか、知りたい。




 それが、今の遠山の欲望だ。












「アンタが何を選ぼうと、これだけは確かだ」



 ラザールが、遠山を見つめ




「ーーアンタについていくよ、ナルヒト」



 口角を上げて、笑った。



 遠山鳴人も、同じく。



「……ラザール、パン屋には従業員が必要だよな? なるべく素直に働く奴らがいい。心当たりがある、ラザールベーカリー最初の人材登用の時間だ」







「フッ、いいだろう」











「ニコ!!! 待て!」



 遠山鳴人の大声がスラムを貫いた。




 死地へ向かう少女の足が止まり、振り返る。



「………………えっ?」



 その目、歩き始めた後に泣いていたのがわかる。青あざと別に、赤く大きく腫れていた。




「お前、料理はできるな?」




 ずかずかと遠山が歩み寄る。ニコの肩に手を置いてその場に膝をついて目線を合わせた。



「え、え? おにいさん? お、おりょうり? う、ううん、お料理なんて、ネズミを焼いたりぐらいしか」




「いよおおおし!! 採用!! ネズミを焼けるってのは料理が出来るわけだ! ニコ、お前は栄えある我がパン屋会社、"ラザール・ベーカリー"の面接に合格した!! もうこの時点で、お前はうちの従業員だ! 俺の資産だ! オーケー?!」




「え、え、え? お、おに、いさん?」




「あと他にも何人かいる!! ニコ、お前の友達を紹介しろ! そいつらをスカウトしにいく、たまたまもし、そいつらが誰かにぶち殺されかけていたりした場合は!! ラザールベーカリー販売部兼人材開発部兼広報部兼商品開発部兼警備部兼管理部"部長"のこの俺が厳正に対処しなければならない!」




 早口。こじつけ。



 でも、これが遠山には必要だった。理由は出来た。



 リダとルカ、ニコ、シロとペロ。



 全員、必要だ。全員、欲しいのだ。



「へ? あ、あの、おにいさんが何を言ってるか、わたし……」




 目を白黒させるニコ。まともな彼女は目の前の狂人がなにを言っているのか理解できない。




「ああ、もう!! あれだよ! リダとルカんとこに案内しろってこと! アイツら助けに行くって言ってんの! あー…… もう、クソダセえ」




「……!! だいすき!」



 目に涙を溜め、ニコが遠山の腰に抱きつく。あまりにも軽い彼女を受け止め、遠山が笑い、そして、ハッとした顔で動きを止めた。




「うお? ら、ラザール、これ事案じゃないよな! ニコから触ってきたから、セーフだよな?!」




「アンタは何を言ってるんだ? お嬢ちゃん、案内してくれ。うちの偏屈屋はどうやら君たちを助ける理由をようやく見つけたらしい」




 くっくっく、ラザールが喉を鳴らす。満足げにその爬虫類の目を細めて。



「誰が偏屈屋だ、誰が」




「うん!! うん! こっち、こっちよ! 案内するわ!」



 元気りんりん。傷だらけだが、希望がニコの身体を軽やかに。




 その様子を眺め、遠山が、ラザールが一歩、前へ。



「ラザール、作戦がある。約束通り、全能力を懸けて頑張って貰う。俺は割と人使いが荒いぞ?」




「ああ。覚悟の上さ。いい顔になったな、それでこそ、だ」




 2人が、並び立ち、少女を追って進み始める。



 目も合わさずに、どちらとも突き出した拳と拳、コツンと合わせて




「行くぞ、相棒」



「望むところだ、友よ」




 遠山達がスラム街を進み始めた、標的は決まった。今から欲望のままに助けるもの、そして滅ぼすべきものも決まっていた。





【サイドクエスト "汝、その強欲をいだいて率いよ】




【クエスト目標更新 従業員を救え】




【オプション目標 "カラス"と友好関係を築く 失敗】



【カラスルート 消滅、メインクエスト "黒羽のはためきと共に" が発生しなくなりました】





 ………

 ……

 …




 暗い路地裏の中、捕食者たちがニヤニヤと嗤い続けていた。




「いやさあ、正直、なんていうの。結構ムカついちゃったんだよねー、俺」



 頬にカラス羽の刺青を刺した長身の優男。にっこりと浮かんだ笑顔が、彼らを見下していた。



「ゲボッ?!」



 取り押さえられたリダの腹に長身の優男のつま先が食い込む。



 黒い革鎧の上から外套を羽織ったその姿。カラスの中である程度の自由行動を許された構成員の証だ。



「リダ?!」




 同じく取り抑えられているルカ。顔はボコボコ。殴られ蹴られ、痛ぶられたあとだ。



「おっと、動くなよ、おい、きちんと抑えておきなよ」



「は、はい! オラっ! 暴れんじゃねえ! このガキ」




 がっしりとカラスの構成員たちに身体を抑えられてリダとルカは暗い路地裏で、リンチに遭い続ける。




 起死回生の一手はしかし、ニコを逃すことで精一杯だった。



「ほいほいほいっと、えーと、リダくんだったかな? なー、もうそろそろ話してくれよーう、俺もさ、君らみたいにヒマじゃないわけ。時間取られるの好きじゃ、ないんだよねっ!」




 執拗に優男はリダを狙い続ける。この男はもう理解していた。リダこそがこの集団の柱。


 それを折れば、話がはやいということを。



「ヴっ?! …….こと、わる、なにも。しらねえ。ローブの男も、リザドニアンのこと、もしらねえ」



 しかし、何度蹴られ、殴らてもリダは口を割らない。



 本人も知らないその感情の名前は、誇り。



 自らを対等に扱ってくれた存在を裏切る、それはリダにとって肉体の死よりも重たいことだった。





「なわけないじゃーん、いろんなスラムのクズどもが見てんのよ、君たちがトカゲを探しているローブの男といたことをさー、なーんで庇うわけ? 意味わかんないんだけど」




「はあ、はあ…… しらねえもんはしらねえ…… 」




 胃液を吐き散らかす。吐瀉物はもう出し切っていた。





「ふーん、ねえ、もしかして、あれかな。君ら、さっき逃した女の子がさ、ローブの男を呼んできてくれるとか思ってる? それで助けに来てくれるとか、思ってない?」



 リダの髪を掴み、首を持ち上げながら優男が笑う。



 張り付いた笑顔、目だけ笑っていないその顔がリダを見つめる。




「………なん、のことだ」




「いやいやいやいや、もしさ、そんなこと思ってんなら早めに否定しておいてあげないとって思ってさ! お前らみたいなボロ雑巾助けに来る奴なんかいないって」



 話の合間にリダの首を殴り、優男が立ち上がる。



 壊れない程度の暴力を振るう、それはカラスの構成員にとって造作もないことだ。




「ぐほ?! げほ、げほ!」



「なんとなく、なーんとなくなんだけど、君ら勘違いしてんじゃない? ローブの男に絆されてさ、優しくでもされて、勘違いしてんじゃない?」




「な、にを、だ……」



 リダが息も絶え絶えに、しかし目に宿した光だけは絶やさずそいつを見上げた。




「君らが、自分を人間だと勘違いしてんじゃないかなって。はは、お前らスラムのガキなんてなんの価値もないチリゴミなのにね。ウケる」




「……………」




 笑顔で告げられる言葉。それはしかし、この世界の人間にとっては当たり前の言葉だ。




 社会の底辺、スラム街。行き場をなくし、もうこれ以上堕ちるとこさえない場所、その中での最弱者。それがリダたち、みなしごだ。




「君らみたいな汚いのにほんとなら触るのも嫌なんだけどさ、仕事だからね、仕方ないね。ほら、早く教えろよ、この後も忙しいんだからさ」




「しらねえ……」



 リダの言葉に、優男が息をついた。心底めんどくさそうに、がっくりと肩を落として。




「はあ、めんどくさくなったなー、ま、ゴミムシはまだ2匹いるし、よし、こうしよう」




 ぽんと、手を叩き徐に腰からなにかを引き抜いた。



 すらり。それは夕方直前、傾きはじめた陽光を受けて鈍く光って。





「は? え……」



「り、だ……?」





 すっくり。



 男が、リダの横腹にナイフを刺し入れた。



 リダがその場にうつ伏せに崩れる。膝をついたまましかし上半身は力なく。




 必死に傷口に手を当てる。しかし、赤黒いシミがどんどんそのボロ布のチェニックに広がる。



「急所は外してるよー、でもさ、早めに治療しないとま、死ぬでしょ。ほれほれ、ゴミムシでも死にたくないっしょ? そんな君たちにもう一度くえすちょーん」



 心底楽しそうに、優男が血のついたナイフを振りながらニコニコ笑う。



「ローブの男はどこにいる? リザドニアンをどこへ探しに行った? 言え、教えればそのガキを治療してやるから」




 そして明るい声のあと、冷たい声でリダとルカに問いかける。



「ほ、んとに、教えたら……」




 折れたのは、リダではなく、ルカだった。


「る、か、やめ、ろ」



 リダの声が途切れ途切れ。



 その様子が更にルカの心を折る。



「チッ、はーい、黙っててねー」




「げほ」



 ゴミでも蹴飛ばすように、優男が瀕死のリダを蹴りつける。



 本気で死んでも、どうでもいい。どんな言葉よりもその蹴りが優男の心境を伝えている。



「や、やめろ、やめてくれ、わ、わかった、言う、言うから!! 教えるから、リダを蹴るのをやめて!」



 ルカはもう半分泣いている。



 恐怖と怒り。しかし万人がそれを立ち向かう為の力に変えることができるわけではない。




 むしろ、それに屈する人の方が多いだろう。ルカにはまだ恐怖に立ち向かえるだけの心も、力もなかった。




「オラっ、おっと、1発多めに蹴っちった。もーう、最初から素直に教えてくれよー、ほら、蹴って悪かった、で? 居場所は?」




 いい汗かきながらリダをなぶるカラスの優男。



「ル、か、ばかやろう……」





「お前は黙ってろっての。あ、うそだった場合は戻ってきてお前ら皆殺しにするからね。ほい、どうぞ」



 必ずそうするだろう。それはルカにもわかった。



 リダの静止を無視して、ルカが告げる。




「廃屋通りの、古屋敷…… 下水道への降りるところの1番近い屋敷だ、あの人はあそこにいる、筈だ」



 あの人と別れた場所を嘘偽りなく、伝えた。



「はずぅぅ? はい、ふざけた答えなのでマイナス5点。よいしょっ!」




 しかしその曖昧な言い方は優男の気に障ったらしい。



 また、容赦なくリダが蹴られる。



「ゔえっ……」




 悲鳴すら、もうリダは力なく。赤色のシミが石畳みに沈んでいく。




「やめろよ! うそじゃない! すぐに別れたんだ! だから今もそこにいるかなんてわからないんだよ!」




「ふーん、ほんほん。なるほどねえ。あの辺は確かにあんま探してなかったなあ。OK、そこ探してみよう。お前ら、ついてこいよー」




「ういーす」



 ルカは言ってしまった。あの男を売ってしまった。



 でも、これでリダはーー



 ルカはそれに縋る。希望。



 しかし、ルカは知らなかった。



「ワイズさん、こいつらはどうします?」



「うーん、殺す価値もないし、どーでもいいや、そこの短髪のはぼちぼち死ぬっしょ、ほっとけほっとけー。ナイフ磨くのだってタダじゃねーんだからさ」





 誰かに与えられる希望ほど、いい加減なものはないということに。その希望は容易に絶望へと変わることを今、知らされた。




「…………………は? い、いや、待て、待てよ。リダは? リダを、治してくれるって」




「およ? なに? まだなんかあんの?」




「とぼけるなよ! あんた、言ったじゃないか! リダを治してくれるって! あの人の場所を教えたら治してくれるって、約束ーー」




 ルカの言葉が止まる。



 そいつらの表情を見て、気付いたのだ。初めからーー




「プッ」



「聞いた? ねえ、今のお前ら聞いてた?」



「はい、聞いてました、ひ、ふひひひ、ま、マジでワイズさんの言葉信じてましたね」




「ふふ、あはははははははは!! ガキ、お前、ほんとにスラムのガキかよ!? 他人信じすぎだろ! 誰が治すかよ、バァーか」




 ぎゃははははは。



 取り巻き連中の嘲笑が、ルカと、ぐったりして動かず、しかし血を流し続けるリダを包む。






「あ、ああ……」




「約束なんか守るわけねーでしょうが! お前みたいなゴミムシとの約束を、人間様のこの俺が! あー、笑った、笑った。ま、そこで冷たくなるお友達にきちーんとお別れ言ってなちゃい。よーし、お前らお仕事の再開だー、張り切っていくぞー」





「ういーす」



「ひゃはは、リダもこれでようやく終わりだな。目障りだったんだよ、今まで」.



 スラムの年長組もニヤニヤ笑いながらルカとリダを見下ろし去ろうとしていた。





「なん、で……」




「………ルカ」




「リダ!? リダ、ああ、こんなに、こんなに血が…… ダメだ、ダメだよ、リダ、死んじゃだめだ!」




「る、か…… すまん…… しくじ、った……」




「リダ、ダメだ! 喋ったら血が」




「お? なんか、面白そうだ。お前ら、ちょいあれ最後まで見てから行こうぜ」




「ワイズさん趣味ワリー」



「うーるせー。ほい、じゃあ俺、あのガキがキレて俺に向かってくるに銀貨1枚、ストン、お前胴元やれよー」




「うす」



「あー、じゃあ、俺泣いてなにも出来ないに大銅貨5枚で!」




「俺もそれに大銅貨一枚!」




「ケチーな、お前、俺はキレる方に大銅貨2枚!」




「てめえも変わんねえじゃねえか」




 陽気に笑うそいつらが賭けを始める。



 今、まさに友を失いそうになっているルカで賭けをしているのだ。



 向かってくるか、諦めるか。こいつらは仕事の時にいつも似たようなことをする。






「る、か…… おれのことは、も、いい。ニコと、ペロと、シロを……頼む……」




「何言ってんだよ、リダもいないと意味ねえじゃん! やめろ、やめろよ。お前ら、笑うな、笑うなよ!! リダが、死にそうなのに……!!」






「ぎゃっははははははははは!! 聞いたかよ! リダがちにそうなのに、だってよ」




「だーからどうしたってんだよ、ガキ! スラムのゴミが一つ片付いていいじゃねーか」




「あははは、いやー、ルカくんにリダくんいいねー。うん、この仕事の愉しみだよ、全く。君らみたいなゴミムシいじって遊ぶのはさー。死ねよ、もう」




「なんで、俺たちを、なんで俺たちだって生きてんのに!」




「あはははは! 聞いた? お前ら? 生きてんのにだってさ! お前ら死ねばいいじゃん、生きてる価値ないんだから。親もなく、金もない。薄汚いところにネズミのように集まってカスを食って生き延びている…… あー、やだやだ、ばっちくてやってらんねー。ほれ、しーね、しーね」




 ぱん、ぱん。



 ほおにカラス羽の刺青を入れた優男が手を叩き始める。酒を飲む人間を煽るようなコール。



 死にかけのこどもと、涙と鼻水まみれの子供に向かい、大人が嗤いを向け続けた。





「しーね、しーね、それ」



「ひゃははは、趣味わりーな、ほんと、ほれ、しーね、しーね!」





「「「「「しーね、しーね」」」」」




 嗤いと言葉がルカとリダを包んでいた。



 深い絶望の中にルカはいる。友は血を流し死にかけている。その魂すら侮辱されつくされ、誇りも踏み躙られた。





「る。か…… いい、おとなしく、してろ…… 反応するな」




 リダの顔色がどんどん悪くなる。それでも静かに傷口を押さえながら、ルカに言うのだ。



 やり過ごせ。反応するな。反抗するな、そうすれば過ぎ去る。




 ルカは気付いた。リダはもう自分の生を諦めている。この場をやり過ごし、ルカだけでも生き残らせる方に思考を切り替えている、と。





「ああ、ああ…… リダ……」




 死に向かっていく友に、なにも出来ない。なにもしてやれない。




 なぜだ?



 アイツらは嗤って、リダが死にかけている。



 この差はなんなんだ?



 ルカは小さな脳みそで必死に考える。かんがえて、考えて、結局なにも分からなかった。




 アイツらが生きて、リダが死ぬ理由がわからない。



 ルカはしかし、その疑問に答える力がない。知力も暴力もなにも足りなかった。




「なんで、……てんしさま」



 だからつぶやいたのは、てんしへの祈り。この世界に住まう人間ならば皆が知っている創造主への言葉。



 それしか出来ない弱者のあり方。



「お?」



「そっちかー。天使頼りの方かー。誰か賭けてたっけ?」




 少年の願いや祈りは届かない。



 どんな世界でも共通の事実があるのだ。



 たいてい肝心な時に天使()は留守だ。弱者の祈りは届かず聞きいられることはない。





「よーし、まあもうこれ以上面白くなさそうだから、撤収するかー。つまんねー」




「なんかぶつぶつ言ってますがいいんすか、ワイズさん」



「あー、いい。肝心な時にキレることも出来ねーゴミムシだ。ああやって、天使に祈ってりゃなんかした気になるんだろ。弱いってのはほんと罪だねえ」




 奴らが嗤って去ろうとする。いつものことだ。好き放題に振る舞い弱者から奪ってそれで終わり。




 弱者の怨嗟も、祈りも彼らには届かない。



 昨日も、そのまた昨日も、ずっと前の昨日もそうだった。彼らは弱者を踏み躙り、生きてきた。




 そして、皆が確信している。それがずっと続くのだ。



 今日も明日も、自分たちは弱者を踏み躙り続ける、捕食者のままでいられる。そう、信じていた。


















「あれ? なんだ、これ」



 ふと1人のカラスの構成員が気付いた。



 視界。曇る。



 空気がひんやりとしていたことに。



「あ? なんだ、こりゃ、霧?」




 白いモヤが急に彼らを包んでいた。





「リダ、リダ、お願いします、てんしさま、リダを助けて……」




 少年の声、祈りはてんしへは届かない。人の祈りをそれらは決して聞き入れない。




 だが、それをたまに聞き入れる存在がいる。




 天使よりも人に近く、神よりも傲慢で、人ほどではないがあくどい存在。




 人の作り出した概念。祈りと願いを割とよく聞き入れることがあるものが、いる。




 "悪魔"ーー




「霧だ…… おいおいおい、なんだ、こりゃ、お前ら早くここを離れるぞ」



「そっすね、なんか、キミワルイ…… ん? ワイズさん、いまなんか、そこで動きませんでした?」



 1人のカラスの構成員が薄いキリの向こうにそれを一瞬見た。



 黒い影が、ふわりと霧の中を進んだことを。




「はー? なんだよ、ビビらせんなよ、なんもねーってさ」




「……え? あれ、ワイズさん、あの、ガキどもが……」




「あ?」



 男が後ろを振り向く。白いモヤの向こう、壁際にいたはずのガキどもが




「……おい、ガキども、どこにいった。誰かみてたか?」




 ガキどもが、消えていた。



 こぼした血はそのままに、嘘のようにその場から消えていて。





「いや、なにも見てないです、ていうか、この霧、どんどん濃くなってませんか?」




「……嫌な感じだ。おい、お前ら、ここから離れるぞ」




 優男の判断は早かった。異常に対し、退避を優先。



 しかし、その"キリ"相手ではもう、全てが手遅れでーー





「いて!! へ、なんで、俺、血……」



 1人。指から血を流した。唐突に、意味も分からず。




 それが始まりの合図だった。




「おい、どうし、ギャ?! 痛い! 痛い?! なんで、ギャァアアア!!」




 そのキリの中で悲鳴が響き始める。



 肉が裂かれ、皮が斬られ、血が吹き出し始める。



「なにがあった? おい、お前、イ、痛っ?! 噛まれ、いや、違う、斬られてる……?! あ、俺の指ーー ヒ、ギャアアアアアアアアアアアアアア?!」




 肉が飛ぶ。命が流れていく。




「おい、なにがあってーー べべバババババ」




 キリの中にいた。真白で、いつのまにか前も見えないほど濃くなったキリの中。




 赤い血と、汚い悲鳴が飛び散り、獲物たちが死んでいく。ここは、もう彼らの狩場なのだから。





「ひ、ヒイ?! なんだ、なにが起きてる?!! おい、お前ら、なにがあった?!」




 もう、その優男の顔に余裕はなかった。リダやルカに向けていた嘲笑いもなにもなく、ただそこには被食者の恐怖だけが張り付いて。




 彼らは忘れていたのだ。弱者を狩り続け、いたぶり続けていたから忘れていた。



 昨日は永遠には続かない。()()()()()()()()()()()()()()()()()()彼らはそして知るだろう。








「皆殺せ、キリヤイバ」




 真の捕食者がいかに、恐ろしい存在なのかを。













クソ長文量お疲れ様でした。しば犬部隊がまとまるの下手すぎるので話がモニョる時はもう一気にスッキリするとこまで行ったれいという悪癖があります。


次回も宜しくお願いします。

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― 新着の感想 ―
真の狂人の例えにされてナチュラルにdisられるA山さん
[良い点] いい葛藤だ
[一言] ク○野郎共に対して溜飲が下がる回で良かった もっと苦しめてもいいけども(笑)
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