132話 キリヤイバと竜への道
「狩猟大会! パーティで参加するぞ!」
「これ見ろよ、優勝者には蒐集竜様直々に、宝物の授与があるって」
「竜の宝物……なんなんだろうな」
「わ、私はもう竜を間近で見れるだけで、もう……」
「わあ! 見て、ラウド! あそこに見えるすごい綺麗な建物。これが、竜大使館……御伽噺に出てくる蒐集竜様のお家なのね!」
「うおー、まだ結構距離あんのにがっつり見える。どんだけでかいんだよ」
「うへー、喉乾いた……あ! お水屋さん!」
「俺はグレプ酒ひとつ! おっちゃん、この皮袋に注いで!」
「あいよー、ヒナヤの雪解け水に、グレプ酒ねー。お兄ちゃんたち、冒険者かい? 竜様の狩猟大会に出るんだね、頑張ってくれよー」
竜大使館へ続く丘の道、数多の人々が騒ぎながら進んでいく。
道の脇には商人たちが街の中核と変わらないくらいの規模で店を展開。喉を乾かした人々に水や果実酒を売りつけている。
竜祭りは街の中央だけの賑わいではない。郊外にある街を一望出来るこの丘にまで祭りの熱は十分に広がっていて。
かぽ、かぽ、かぽ。
人混みの中をゆっくり、ゆっくり進む大きな馬車が一つ。
人々が怪訝な顔を馬車に向け、そしてその御者を一目見た瞬間、はっと息を呑む。
「聖女様だ……」
「ありがたや、ありがたや」
「天使教会に安寧を……」
帝国統一宗教の権威はなかなかのものらしい。天使教会の刻印と、そしてその御者を聖女が勤めている、それだけで帝国市民は馬車の中に誰がいるかを察していた。
「ありがたやー、銭ゲバ様〜」
「冒険者ギルドに投資してくれてありがとうございます〜あなた様のおかげで装備を整えて3級冒険者になれました〜ありがたや〜」
「でもできればもう少し利子を減らして下さ〜い」
「銭ゲバ様〜主教様〜お金の眷属さま〜」
なんかいまいち敬っているかそうでないか、よくわからない態度を取られている。
どうやら、冒険者の中での主教のイメージは悪くはないものの、あまり清廉なものでは最早なさそうだ。
馬車が、進む。
そして、その光景を馬車の窓を少し開けて覗いていた男がつぶやいた。
「……なあ、主教様、あんたの本性割とバレてね?」
「あん? ああ、冒険者どもね。全く銭ゲバとかないわよ。誰のおかげでなんの後ろ盾もない農家の三男坊や放蕩息子どもが最低限の路銀をギルドから渡されると思ってんの? うちのおかげよ、うちの」
「ああ、なんか補助してんのか。やるな。でも、なんか利子がどうのこうの……」
「聞こえないわね、私には何も」
言いながら馬車の対面に座る白髪の糸目美人、天使教会主教、カノサ・テイエル・フイルドが馬車に備わった盃から小さな果物を摘んで口に放り入れた。
ああ、そう。
男、遠山鳴人はそれ以上の言及を避け、馬車の窓からまた差とを眺める。
「これ、想像以上の人混みだな。狩猟大会ってそんな大きなイベントなのか?」
「あったり前でしょ、この祭りの主役が行う一大の催しよ。それにこの街の市民にとって蒐集竜様のお住まい、その敷地に入れることなんて一生に一度あるかないかの栄誉なことだしね」
「あれ。でも主教様はあんときも呼び出されてなかったか?」
「あんたの感覚がマヒしてんの。言っておくけど、あの時、アンタが蒐集竜様のご求婚を断った時に集められてたのってこの街のトップたちよ。アガトラのトップって言うとそのまま帝国にとっての重要人物でもあるんだからね」
「おー……そうか。考えたら俺、異世界転移物のありがちな権力者とのいざこざにあんま巻き込まれてないと思ったら、やっぱりあれか、ドラ子のおかげか」
「まともな頭の権力者なら、アンタに手を出そうとはしないわ。私の場合は、アンタに巻き込まれた形だけど」
「そう言うなよ、今更だぜ。相棒」
親指と人差し指を交差しハートマークを作る遠山。
「誰が相棒よ」
しっしっとそれを手のひらで払う主教。
もう完全に付き合いの長い腐れ縁のようなやり取りで。
「……ご歓談中、失礼します、主教さま」
ぴゅこん。
こんこん、窓が外から叩かれる。その瞬間、にゅっと窓の上から白毛の長毛ネコちゃんフェイスが馬車の中を覗き込んでいた。
「ご歓談してないから構わないわよ、どうでしたか。トッスル」
がらら、主教が窓を開き、返事をする。
主教の隠密、教会の羽の腕利き隠密、獣人のトッスルだ。
完全なネコちゃん顔、エメラルドの瞳。位置的に馬車の屋根の上から頭を逆さにして覗き込んでいるのだろう。
「索敵の途中経過の報告です。半径5キロ範囲に怪しい者はいません。この馬車を狙う者も現状の所は確認できません。また審問官殿の屋台、ラザール補佐官を含め、教会味方勢力付近に脅威となりうるものも確認できません」
「貴女が言うのならそうなんでしょうね。トオヤマナルヒト、アンタはどう思う?」
「主教様が信用する情報ならこっちも同じだ、そこを疑い出すとキリがない。だが、となると事が起きるのはこの後って訳か」
「ま、そういうことになるわね。今の所仮想の敵であるフォルトナの真意がつかめない以上、私たちは後手に回るしかない。歯がゆいわね」
「大丈夫さ、主教様、俺の故郷にある言葉に、後手必殺ってのがある。安易な先手よりも、確実に殺せる段取りをふもうや」
「……あんた、やっぱきっしょいわね」
「あ?」
「命がかかってるていうのに、あんた昨日からずっと楽しそうだわ。……そういう顔をする奴、何人か知ってるけど、長生きした奴は見た事ない」
「ひひひ、そりゃ失敬。……人知竜はもうついたころか?」
昨夜の話で人知竜はこちらの味方についた。一緒に竜大使館に来て、主教の護衛をしてくれるという話だがーー。
「どうでしょうね。あの方のことだもの。こんな風に噂話をしてたら急にまた現れて――」
「すぷぷ、糸目ちゃん、君は良い勘をしているねえい。秘蹟の副産物かな? 興味深い知見だよう」
トッスル以上の気配のなさ。
当たり前のように、主教の隣にいつのまにか人知竜が座っている。銀色の髪を隠す大きな三角帽子をそっと脱いで、膝に置いて笑う。
馬車内に沈黙。かぽかぽ、がらがら。馬の蹄の音と車輪が道を叩く音だけが響いて。
「あ、人知竜、よう。こんにちは」
「ふ、ふふふ、人知竜様、ご機嫌よう。な、慣れましたとも、ええ、こんな感じで現れるのではないかと思っておりましたもの」
それぞれの反応で人知竜へ挨拶。
遠山もカノサもそれなりに慣れてきた。
「やあ、親愛なる定命の子たち。わくわくしてきたねえい。死の予言と見えぬ敵に立ち向かう今日という日。とても興味深い知見だよ」
当たり前のように席でくつろぎ始める人知竜。銀色の髪がキラキラと輝き、怜悧な美貌がわずかに微笑む。
「そりゃどうも。……で、人知竜、ここにきてくれたということは、アンタは今回、味方してくれるって認識でいいのか?」
「すぷぷ。水臭いなあ、トオヤマくん、この僕がキミの危機に傍観なんて決めると思うかい? ああ、トッスルちゃんの隠密の報告はおおむね間違ってはいないよう。そして、トオヤマくんの采配も間違いではない。ラザール君たちの屋台組に第一の騎士を護衛に置くのも悪くはない。でもまあ、ダメ押しでうちの魔術師を数人、屋台につけているからねえい。このくらいしておいた方がキミ達も安心できるだろう?」
「……すげえ心強いけど、アンタ敵に回したらめんどくさそうだな。魔術師連中の全てが敵に回るのと同じだろ?」
「そうとも言えるねえい。幸い、僕のこどもたちは僕のことを好いてくれてるからねえい。だけど、すぷぷ、計画や準備というものは時に脆くもすべてが壊れるものさ。僕は万能ではあるが、無敵でも不滅でも、必勝の存在でもない。それだけは忘れないでくれよ?」
「そういう考えが出来るのも含めてアンタは恐ろしいよ、人知竜」
「いや、君たち人類種ほどではないさ」
人知竜が音もなく笑う。
その姿あとだった。
がらら、馬車が止まった。
「あら?」
「うん?」
「おや」
「ごめんなさい、主教サマ。少し馬車を停めます」
御者台に座るスヴィから声がかかる。どうやら何かあったらしい。
「どうしたの? スヴィ?」
「……かべ?」
主教の言葉にスヴィが首を傾げながら答える。
遠山とカノサが馬車の窓から外を眺めて。
「え?」
「うお、なんだこりゃ、バリア?」
2人の視線の先、そこには壁。
金色の輝く壁、そういうより他にない。見回す限りの場所に広がる壁が、行手を阻んでいた。
だが、何か妙だ。
その金色の壁を他の人々はなにも気にせずにその壁を通り抜けている。
その壁に気づいているのは、まるで遠山達だけのような。
「お止まりください、ご婦人」
声、凛々しくはっきりしたものだ。
執事服の青年が、馬車へ向けて。
「あなたは……竜大使館の執事さんかしら?」
窓から顔を出したカノサが執事服の青年へと声をかける。
「はい、執事見習いのラジと申します。申し訳ございません、ご婦人の馬車に"棲家の選抜"が作動してしまいました。大変失礼ですが、馬車の中に座す方のどなたかを、我が主人が拒否していらっしゃるようです」
深々と頭を下げる青年。
その言葉にカノサが数秒、むーんと黙って。
くるり、遠山のほうを向いて。
「らしいわよ」
「おい、らしいわよとか、なんで今の言葉で俺を見るんだ、主教様」
「……この香り、蒐集竜様の血と、別の竜の香り? もしや、馬車の中には竜殺し殿と人知竜様が? ああ、良く見ると、天使教会のお方ですね。……申し訳ございませんが、お引き取りを棲家の選別が発動している以上、決して竜大使館にあなたたちが近づくことは相成りません」
遠山とカノサが漫才してる間に、執事服の青年が何かに気付いた。整った顔、竜殺しという言葉にわずかな敵意を滲ませて。
「……どうしますか、主教様」
「ちっ、さっそくトラブルね。あー、執事見習いくん、申し訳ありませんが、天使教会は蒐集竜様と良い関係を築いていますの。あなたの言葉にはさっきから、そうね、若干のとげを感じます。その態度はつまり、竜大使館を代表してのもの、と解釈してもいいのかしら?」
ノータイムで煽る主教、口調の軽さとは別にその言葉の内容は的確かつ、陰湿。
竜を敬愛する者に対してよく効く言葉。
「なっ。ぶ、無礼な! 今の発言は撤回していただきたい! 私のようなものが偉大なるお方の意志を反映するなどと!」
「……竜の従者に選ばれる連中は視野狭窄で簡単ね。であるなら執事見習い殿? 尊き竜の祭典、狩猟大会に面通しするために足を運んだ我々を拒絶するのはいかなる理由がおありで?」
役者が違う。簡単に底を見抜かれた青年は主教の言葉に翻弄される。
「ぐ……っ天使教会、主教殿、失礼を。歓迎します、貴女を竜大使館の賓客として」
すんなりと主教に頭を下げる青年。主教が数回頷き、スヴィに馬車を勧めるようにジェスチャーを。
「よろしい、では――」
「ただし、その馬車にいる竜殺しと人知竜は別です。その2人は私が認める認めない以前に我が主がこの邸内に入るのを拒否されているのですから」
「……ちっ。めんどいわね。誤魔化せないか。ちょっと待ってなさい、トオヤマナルヒト。少し方法を考えるから」
カノサが舌打ちし、頭を巡らせる。
だが。
「いや、主教様よ、ありがとな、でも大丈夫だ。人知竜、これどうしたらいい?」
遠山は主教に全てを任せるつもりはなかった。
「ふうむ、おかしいねえい。くんくんくん、これは珍しい。あの幼竜の竜界の障壁が限定的現れているみたいだけど、この障壁からはあの幼竜の意思を感じないねえい」
「簡単に言うと?」
「ふむ、無意識か、それとも本当に、そう。たまたま幼竜の力が誤作動しているというべきだねえい。そう、運の悪いことに」
「なるほど。最後の確認だ。このバリア、ぶっ壊してもドラ子に影響はないか?」
「は? ちょ、ちょ、トオヤマナルヒト? ほんと、ほんとやめて。何する気? ほんとやめて、待って、なんとか穏便にするから、ほら、お金……いや、待ってお金はないわ、もったいない」
「トオヤマくん、問題ないよ。この竜界の障壁を壊した所であの幼竜には影響はない。ただ、それは、竜の権能によるものだよ、いくら君とはいえ定命の者に壊せるものじゃあない」
「OK、問題ないな」
遠山が馬車を降りる。
虚無の顔で、目の前、自分を遮る金色の壁を眺める。
「お、おい、君、何をするつもりだ、見ろ、この障壁を。これこそが竜の界を隔てる美しい力。触れることさえ許されない聖域だ。竜殺し、警告だ、それ以上近づくな」
「すまん、執事見習いさん。この先に用がある。もう決めたんだ、この先に進むよ」
「は? だから見たまえよ! この障壁を! 君を、蒐集竜様が拒んでいることがわからないのか! 以前の時とは違うんだ! そうだ、君、そういえば私の同僚達に怪我をさせていたな! そのことについてまずは謝罪の一つもしたらどうなんだ!」
執事見習いの青年が遠山へ言葉を飛ばす。竜に魅せられていれ彼らにとって、目の前の男、竜殺しともてはやされる彼は目障りな存在で。
「あ? ああ、前もそういや、執事服の連中に邪魔されたな。でも死んではないだろ? 殺せって命令してない」
「な、なんという野蛮な……君を、我が主人に合わせるわけにはいかないぞ! それに、この障壁がある限り君が進むことはできない!」
「ふうん」
遠山が進む。執事服の青年はもう彼の目に映っていない。映るのは一つ、自分の行手を阻む壁だけ。
「おっと、トオヤマくん。あの執事服の子の言葉は正しい。あれは竜の鱗と同じさ。竜は竜にしか冒せない」
すっと、当たり前のように空を歩く人知竜が遠山の頭上から声を。
「でも、君にはこの僕がついている。竜界を侵食できるのはまたこれも竜界。竜の闘争において互いの界を比べるのもまた一興でねえい、どうれ、あの炎竜と水竜の孫竜、どれほどのものかーー」
ふっと、遠山の側に降り立ち、ねっとりとした声を遠山の耳に。
その表情、興奮とも歓喜とも取れぬ。細工され造られた美貌が、わかりやすく高揚している。
暴力と支配を根源欲求として備えるその生命、彼女もまた竜なのだ。己の力を試し、相手の力を試す。そのシンプルな興奮に人知竜が目をぎらつかせる。
遠見の魔術式で人知竜を観察していた魔術師、数百人がその瞬間、目を潰した。そんな顔。
竜が、竜殺しの前に立ち、その障壁に白い手のひらを向けてーー。
「アイ」
「しゅぷっ」
唐突に呼ばれた名前。人知竜が髪の毛を針のように逆立たせて、ゆっくり、ゆっくり後ろを向いて。
「俺がやる」
「………………ハイ」
ぺたんとその場に座り込む人知竜。
黒いローブが汚れるの厭わず、ぽーっと口を少し半開きのまま砕けた腰をよいしょと動かし、体育座りした。
大人しくなった。もう人知竜の目には遠山の背中しか映っていない。
「え、やめ、ちょ、トオヤマナルヒト、アンタマジで!」
「主教様、頭痛に効くホロナの実を煎じた薬です」
「わお、ふふ、やっちゃえ、後輩」
馬車の中から頭を抱えて悲鳴を上げる銭ゲバ。銭ゲバに丸薬を渡す隠密、そして、御者台の上からクスクスと袖で口を隠して笑う聖女。
「む、無理だ、無理に決まってる、竜の、アリス・ドラル・フレアテイル様の権能だぞ!! 危険だ! 君の身の安全を保証できない!!」
執事服の若者が障壁を背に叫ぶ。
三者三様の反応。
それら全てを無視し、冒険者が進む。
ピコン
【警告・竜界の障壁を壊すには特性・竜が必要です。あなたにはその資格がありませせせせせせ、ーー"特性・お前の血は白色だ"により、今の貴方にはわずかな"神性"が備わっています】
【神性により上位生物の権能へ干渉可能です。警告、キリヤイバカウントが進行します】
「仕事の時間だ」
その細い目、茶色の瞳の虹彩に白が混ざる。
もうどうしようもなく溢れ出し、今か今かとその時を待つのは、遠山の体に巣食う古い存在の威が漏れ始める。
「うそ、なにあれ……」
「後輩……あなた……」
「……綺麗だねえい」
白。
遠山鳴人の首から白が漏れている。
遠山鳴人の目から白がたなびいている。
それは平原に溜まる霧、山野に広がる霧。古い霧の権能そのもの。
遠山鳴人の最強の道具にして、彼を蝕む宿痾。
だが、今はそんなことどうでもいい。
「遺物・霧散」
ズッ。当たり前のように首から引き出されるのは欠けた刃。栓となっていたそれが引き抜かれた途端、白が、キリがどうしようもなく噴き出て。
「うわ!? な、なんだこれ!?」
「霧? どこから?」
「なんで!? 晴れてるのに?」
周囲の人々が異変に気づく。世界を突如侵すように現れた真白の霧に辺りが包まれる。
それは、数々の冒険を経て強く、重くなり続けた。
一瞬で周囲を真っ白に染めたキリはたった1人の主人にして新たなる器の元に集まる。
欠けた刃から立ち上る白いキリが、主人の意思に侍り。
遠山が進む。そして、目の前、金色の障壁をじっと眺めて。
「よせ、む、無理だ、何をするつもりだ! 君、竜殺し! 君は、何をーー!?」
真面目で誠実な竜の従者の1人には想像だにしない。たった1人の男が、竜の権能をどうにかするなどと。
だが、理性では理解しているその道理を、ふと、彼の本能が嗜めた。
見ろ、見ろ、見ろ。
目の前の男の顔を。目の前の男の姿を。細い目は歪み、裂けんばかりに口は吊り上がり。
そう、この男は嗤っているのだ。
ああ、そうだ、そうだった。この男は元から、最初から、知っていたじゃないか、そういう存在だってことをーー
「竜、殺し……」
【技能・発動、"竜特攻"】
「満たせ、キリヤイバ」
ず、り。
金色の障壁に差し込まれる欠けた刃。その瞬間、血管のような筋が蜘蛛の巣のように金色の壁に広がってーー。
「直刺しが、1番効くんだぜ」
ぱき。
瞬間、一気に広がる血管のような筋が破裂。
白いキリを吹き出し、吐き出し、金色の障壁が粉々に砕け散って。
その力はすでに、在りし日の神話を思い起こすものまでに。
「よし、問題なし。行こうぜ、竜の家に」
正面突破で不法侵入かまし、遠山が笑った。
読んで頂きありがとうございます!ブクマして是非続きをご覧ください!
感想いつもありがとうございます、全部読んでます、感謝。
今週は凡人探索者の発売週なので少しそちらに比重多くなるかも。よければ凡人探索者の方もぜひご覧下さい。