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厄災の始まりは 神戸 から  作者: Ryu-zu
第二章 灘区 新在家周辺 サイコパス
23/216

サイコパス軍団化進行開始

  「たっだいまー」

衣摩が元気に挨拶をすると華那子と絵里は目を見開いて答える。


「おかえり、ってか なんや?その子?」

華那子は訝し気な表情で衣摩に尋ねる。


  「ん~レベルが上がってマリオネット覚えたから連れてきた」

  「この子、ゴブリンテイマーなんよ」

「聞いたこと無いわ!そんな職業」


衣摩の肩にゴブリンを乗せたまま、救済しようとしている子の家の前の廊下で3人が騒ぐ。




-☆☆☆☆-

多田衣摩(38)

Lv13


種族 【新人類】 選択

職業 【鎌術士】【人形師】 選択

恩恵 【技能貸与-人形師】

称号 【同族殺し】【殺人鬼】

状態 【使役-琴南華那子】

基本能力一覧

GMR/USU

HP 1575/1575(+110)

MP 232/232(+110)

STR 228(+22)

DEF 272(+22)

AGI 97(+22)

DEX 106(+22)

INT  45(+22)

SP/175

基本技能一覧

      死神の大鎌 

      打突 鑑定 回転斬 

2744/2245

-☆☆☆☆-



 「な、なんやて~?」

衣摩のステータスを覗き見した絵里が大声を上げた。


 「おっまえ~ 何してきたんや?」

 「なんでうちのレベルを超えとんや~!!!」


  「ゴブリンを200体くらい倒しただけやで~」

それまで一番下っ端は衣摩だったから自分の立ち位置も安泰だと思ってたのが、今は逆に絵里が一番下っ端に成り下がってしまった。


 「一生懸命、人殺しに精出してここまで来たのに・・・」

絵里は寂しそうにつぶやく。


「おい、下っ端― もうえぇか?」

 「下っ端言うなや~」

華那子がわざと意地悪で下っ端と呼んで楽しんでる。


  「絵里ちゃん、大丈夫やで。この子にゴブリン集めさせて一気に倒せばいいし」


  「そうそう、それで華那ちゃんに相談があんねん」

「なんや?金以外やったら聞いたんぞ」


  「その宝珠の力ってゴブリンにも使えるん?」

「前から気にはなっとったけど、肝心のゴブリンがおらんかったからなー」

  「んじゃ~ちょっと試してみてくれん?」


衣摩は華那子の手を引いて、先ほどの戦場に連れて行こうとする。


 「おいっ!こいつらどうすんねん?」

絵里が切れ気味に衣摩に怒鳴る。


  「絵里ちゃん、お願い!そのゴブリン使ってあの親子進化させといて」

  「男の子は殺さんでね」


「おうっ、下っ端やっとけや(笑)」

 「華那子~しばくどー ダボくれが~」

「絵里さん、お口が悪いですよ オホホホ」


だんだん絵里の言葉使いが、やさぐれたおっさん化してきている。

だが、華那子と衣摩に頼まれた事は、嫌々ながらも完遂するのが絵里の良い所だ。






緑の看板のコンビニの駐車場に着く。

隣の企業の駐車場まで、ゴブリンの死体で一杯だった。


「これ全部、衣摩が倒したんか~?」

  「うん、気持ちよく倒せたから、クルクル回ってたらこんなに一杯殺してた エヘッ」


  「華那ちゃん、こいつこいつ」

そこには一際大きなゴブリンが、胴体を上下に切断されまま横たわっていた。


「どっちでやるんが正解やと思う?」

  「心臓がある方が可能性高いと思う」

「ほいほいっ」


呪文を唱えると、オレンジ色の宝玉が現れて、華那子の手に収まる。

一応下半身にも呪文を掛けてみるが、なんの反応も無かった。


「ほれやるわ」

「ゴブリンからでもスキルは抜けると分かったのは大きいわ」


「これ、どないするんや?」

  「あの子に交換条件で渡したろうと思ってんねん」

「なんの?交換条件?」

 

  「もちろん、華那ちゃんの子分にするためやん?」

  「大きな隠れ家出来たから、仲間いっぱい作ったら誰にも負けんやろ」

「あはははははは」


  「あの子、播州弁でなかなかガラも悪いし、華那ちゃんの子分っぽいよ」

「こんな清楚な女性を捕まえて、何をおっしゃってるのでしょうか?」

  「???ゆ~とう意味がわからんけど???」

「チッ!」



「んじゃ一旦、モールに帰るか」

  「そろそろモールから離れる?」


「いやっ、もうちょっと避難しとらん奴らから経験値とスキル集めしてからやな」


「衣摩もまだ虐殺の称号取ってないしな」 

  「ゴブリンやったら、さっき大虐殺したんやけどなぁ」


「それと、絵里の人形を留守番させとるから、それも回収せんとな」


  「んじゃ取り敢えずマンションに戻ろっか」




帰り道すがら、華那子は疑問に思った事を聞く。

「なぁ、なんで急にあの親子、助けようと思ったん?」

  「ん~」

  

  「うち、頭そんなに良くないから上手に言えんけど」

  「今まで、のほほんと普通に生きて暮らして来た奴らなら、死のうがどうしようがどっちゃでもえぇんやけど、生まれたときから何の楽しみも知らんとこのまま障害持ったまま死ぬのんってさぁ、あまりにも不憫やなーって思ってん」


  「ほんで、健常者があからさまに見下したり、偽善者みたいな言葉で近寄ってきたりとか、見てて殺意が湧く」


  「何て言うんかな~」

  

  「なんて言うんやろ?」

「知らんがな(笑)」


  「身障者を差別したらあかんとか言ってる奴はほぼ間違いなく健常者やねんな」

「だから?」

  「これからそんな奴が目に入ったら、手や足を切り落としてやろうと思っとる」


「アハハハハハ、中には本当に真剣にそう思ってやっとる人もおるやろ?」

  「そうかも知れんけど、結局五体満足な奴の偽善にしか思えない」


「ほんま、おまえはサイコパスやなー」

  「えぇぇぇぇー 華那ちゃんがそれ言うの?」

「うちは3人の中でもまともな方やろー」

  「ん~」

  「だいたい壊れてる人間は、自分がまともだと勘違いしとるからなぁ」

「殺すぞー」

  「華那ちゃん、マジでやりそうやから怖いわ!」


2人は、ほんわか気分で散歩みたいな感じでマンションに向かう。


「そういや、もう一つ聞きたいことがあったんや」

  「な~に?」

「なんであの男を殺そうとしたん?」

  「ん~ 昔、あんな奴が病院におってな」


衣摩が昔話をしようとしてたが、ほどなくしてマンションに帰ってきてしまった。


 『あ、ありがとうございますぅぅぅぅ』

 『本当に本当にありがとう御座いますぅ―』

母親がレベル付きの体系に変わっていた。


子供も、ダウン症特有の顔つきではなくなっていたし、顔色もとても良い。

なにより、泣き笑顔がとても可愛い。


満面の感謝の言葉と感謝のお辞儀で脳が揺れないのか心配だ。




「それでは、一旦モールの方に行きましょうか」

  

「絵里ーありがとな」

 「華那子に礼を言われると、ちょっと怖いな」

「アホ言え、うちは優しい人やで?」

 「笑うところか?」


「衣摩ーこいつの両足切ってまえ(笑)」

  「ごめんね絵里ちゃん、華那ちゃんの言う事は絶対やから、切るよ」

 「アホー!華那子は冗談ゆぅとんやぞー」

  「華那ちゃん、そうなん?」


「あははははは!」

「衣摩~冗談や冗談」

 「衣摩~おまえ、別の意味で怖いやっちゃなー」


人形化した少年を華那子のテリトリーに入れて、親子を引き連れモールの自分たちのブースに戻る。



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