告白
クレアとカントの2人は、特に何が変わったって気はしないが、Lv8になったら何かが起こるだろう。
ラグレアは二人の頭を撫でながら「よく頑張ったっ!」と労いの言葉を掛けた。
2人は満面の笑みで返す。
奈留は涙を拭いて二人を抱きしめる。
「さて、おまえらも眷属にしとくか」
「お、お願いしますぅ~」
「もうお忘れになったかと思った・・・」
「あははははっ そんな訳無いだろうがw」
そんな会話を交えつつ、眷属契約の文言を唱え獣人二人が仲間になった。
「ラ、ラグレアさん、な、名前を・・・」
「あぁwわかったわかったw」
ラグレアは終始にこやかだ。
眷属となった奈留や子供達、そして自分を慕って来る奴らと仲間意識が高まるスキルを行使していることがとても楽しいし、心が弾む。
「そうだな~ 我が名に措いて名付ける 汝の名は オグズッ!」
ヤモリ人の身体が一瞬光ったように見えて、名前が刻まれる。
「我が名に措いて名付ける 汝の名は ハナシロだっ!」
ハクビシンの獣人の名がハナシロに決まった。
2人は名前を貰った事で、今までよりもステータスが上がった事もかなり喜んでいる。
「ラグレア様、本当にありがとうございました~」
「おいおいw今まで通りの呼び方にしてくれ、様付けなんてこそばゆくて適わんわw」
横で藤浜とジャックはまた女性達を仲間やハーレムに誘い込むために甘言を囁いている。
Ericaは自分の眷属達と一緒に、龍鬼へと変異した二人の子供と共にワイワイと楽し気に会話を綴っている。
リーはラグレア達の所作をなにげに眺めている。
「さて、子供らの成長の為に狩りに行きたいが、どうしたもんだろうなぁ・・・」
「なにか問題でも?」
「ん~ トオルやレイン嬢と知り合ってから、どうも人間を狩る事に躊躇してしまうようになってしまったんだがな・・・」
「あれっ?私もキングもそんな些細な事を気にする事は無いですよ?
ラグレア殿、私の本当のステータス画面を見てみますか?」
そう言ったリーは、隠蔽スキルを解除して事実をラグレアに見せる事にした。
「うおっ~?!なんと強いっ!」
レイン・リー(38)
Lv35
種族 【新人類】 選択
職業 【暗殺者】【魔獣/蟲使い】選択
恩恵 【技能取得】
称号 【同族殺し】【元工作員】【殺人鬼】【虐殺者】
状態 【眷属化-櫻庭通】
基本能力一覧
GMR/UHG
HP 27729/10483<+3669>(+2859)[+10718]
MP 17210/5241(+2859)[+9110]
STR 8919/2107(+953)[+5359]〔+500〕
DEF 9093/2281(+953)[+5359]〔+500〕
AGI 11530/4203<+515>(+953)[+5359]〔+500〕
DEX 12684/4379<+493>(+953)[+5359]〔+1500〕
INT 7370/1058(+953)[+5359]
SP/494
sp/77.5
基本技能一覧
技能店舗⒮ 眷属契約▼ 闇装束 風纏 地図¹
身体強化² 刀(赤闇) 真刀剣術 空間倉庫 個別空間Ⓢ
魔獣使役 蟲支配
気配探知 懐柔 話術 隠密 隠蔽 駿動 剣豪 暗視
忍術¹-[短剣術]-[忍体術]-[回避術]-[速動]-[鑑定]-[風身術]
²┗[魔手裏剣]-[疾駆]-[遁術]-[必中]-[陽炎]-[透視]
³┗[縮地]-[超速]-[分身]-[金縛り]-[飛燕]-[影纏]
⁴┗[急所斬]-[神速]-[魔封じ]-[忍結界]-[無幻]-[鏡花水月]
耐性一覧
精神支配耐性 暗闇耐性 気配探知耐性 物理耐性
39008/37658
「何と言う強さだ・・・」
「ふふふっ でも相対的に見ればラグレア殿の方がかなりお強いですよ。
私は器用で素早いだけですw
それよりも、見て欲しいのは称号の所です」
「ほぉ~殺人称号がいくつも付いとるな」
「久々にリーのステを見たけど、驚くし引くわっw
いつの間にか魔獣使いになっとるしw
美凪はもっと強いってキングが言ってたが…」
「美凪は戦闘特化だからね、私は隠密部隊だからこんなもんだよw」
そうハニカミながらリーはまた隠蔽スキルでステータス画面を偽装した。
リーは小声でラグレアに話しかける。
「まぁ今見た通り、私ら幹部は皆殺人称号が付いてるのですよ」
「あぁ、俺にもEricaにも殺人称号は付いてる」
「お前ら自身、人間を殺す事を厭わないという事か?」
「自分に仇名す者を殺す事に忌避感は覚えない。
逆に躊躇していたら殺される世界ですからね・・・
今では、人間も獣人も魔物もあまり区別はしてない感じかな?
大事なのは、味方なのか敵なのか、モブなのかだけだっ」
その話に聞き耳を立てていたEricaが話に入ってくる。
チラリと眷属と龍鬼の2人に目をやったが、こちらの事を気にしている様子は無いので、話し始めた。
「うちは、人をもう3人も殺してるんよ」
「それはこんな世界になってからなのか?それ以前にか?」
「1人目はここに出入りしてる藤子んとこの若い子だった・・・
部屋に連れ込まれて犯されそうになったから抵抗してたら殺してしもたん・・・
あとの2人も同じように、女と見るや性処理の対象としか見てないような奴らだった・・・
うちを犯そうと言葉巧みに近寄って来てそれを行使してきたから殺したったっ! 」
「殺した事を後悔はしてないのか?」
「あはは、後悔なんてする訳が無いじゃない。
やっと気づいたんよ、自分がサイコパスやったって事をw」
Ericaは厄災以降、自分の残虐性に目覚めていた。
それをしっかりと自覚したのは、他でもない佐助の拷問殺を見たからだった。




