悪魔軍 ドラフト終わりの宴2
トオルの持つインスタンスダンジョンの中の前室ではまだまだお祭りのような賑わいが終わらない。
--青空美凪--
「グリートもイースも予定通りうちに来てくれてありがとうね」
「宜しくお願いします」
「こんな俺を所望して下さって感謝いたします」
「まぁそう畏まらないで良いよ、2人とももっと気楽にね」
「主から恩恵で頂いた【戦闘力特化】と言うのが凄すぎます・・・」
「本当に・・・ 戦力が高まればいいって位にしか考えてませんでしたが、ここまで戦闘力が上がると怖いくらいですね・・・」
グリート(34)
Lv30
種族 【黒豹人】 選択
職業 【隠密隠者】【--】 選択
恩恵 【戦闘力特化】【--】
称号 【暗闇に溶け込む者】
状態 【眷属化―青空美凪】
基本能力一覧
GMR/USU
HP 9801/5760(+2313)≪+1728≫
MP 2851/1694(+1157)
STR 2912/1476(+771)≪+665≫
DEF 2948/1555(+771)≪+622≫
AGI 3609/1720(+771)<+516>≪+602≫
DEX 2247/1476(+771)
INT 1108/337(+771)
SP/1626
基本技能一覧
隠密 索敵 気配探知 駿動 器用貧乏
闇染
耐性一覧
27000/25883
「グリートはセカンドジョブはどうするんだ?」
「今のところ戦闘系の職業が生えて無いので、しばらくは保留ですね」
「じゃぁ次はイースの命名だな、イースは欲しい名前とかあるのか?」
「いや、特には・・・ 今のイースに慣れ過ぎてw」
「とにかく名付けるよ?イース」
「宜しくお願いします・・・」
「青空美凪の名に措いて命ずる、汝の名は"イース"!」
イースの身体が一瞬ほんのりと輝いたように見えた。
「おっ?おぉぉぉ~~~?」
イース(25)
Lv28
種族 【人狐】 選択
職業 【ダークシーフ】 選択
恩恵 【戦闘力特化】
称号 【--】
状態 【眷属化―青空美凪】
基本能力一覧
GMR/USU
HP 7711/4436(+1944)≪+1331≫
MP 3409/2218(+1191)
STR 1853/887(+627)≪+399≫
DEF 1986/971(+627)≪+388≫
AGI 3624/1784(+627)<+589>≪+624≫
DEX 3135/1858(+627)<+650>
INT 1083/456(+627)
SP/1479
基本技能一覧
指弾 投擲 隠密 索敵 気配薄在 飛空
耐性一覧
24389/23339
「と、とんでもなく強くなっちゃいました・・・」
「ちょっとステータス見てもいいか?」
そう言ってイースのステータス画面をのぞき込むグリート。
「隠密特化だったのが盗賊らしいステになってきたなw」
「な、なんか急に強くなりすぎて気持ち悪いくらいです・・・」
「まぁ明日にでもレベルが上がればもうちょっと強くなるよwグリートには2番目の恩恵が付くしね」
「楽しみですw 主よ、このSPってのをどう使えば良いのか・・・」
「好きなステータスに振ればいいんだよw
まぁ自分の長所を伸ばすか、短所を補うか、どっちかだね。
明日からダンジョンで色々と検証すればよい」
「はいぃ~?ダンジョンって?」
美凪は笑いながら大黒門を指さした。
--掛井橋五十惟--
「坂東さん、よろしくねぇ~」
「下の名の瑛伖と呼ぶよ。
それと、セイラ、本当によぅうちに来てくれた・・・」
「宜しくお願いします~」
「うちのグループはね、この避難所の事務関係全般とダンジョンの管理を任されてるの」
「ダンジョンって?」
「あはは、そこの黒い大きな門の向こうがダンジョンになってるんよ」
五十惟の第一眷属の當間彩有里が口を挟んだ。
「・・・」「・・・」
「當間さんは今レベルはいくつくらいなんですか?」
「私は今日レベルが付いたばっかりだから、まだ20だよ」
「はぁ?私なんて厄災初日からでも、まだLv16なのに・・・」
「あはは、瑛伖、それが普通なんだよw」
「ダンジョン管理って事は、いつでもダンジョンに入れるって事ですか?」
「いやいや、キングの眷属なら、子でも孫でも誰でもいつでも入れるんだよ」
「特にうちらはここの事務所かダンジョンのどちらかに居るから、レベルも上がりやすいんよ」
五十惟の眷属達は、個人差は有るものの、たった一日で一般人よりかなりハイペースでレベルが上がっている。
「ただね、レベルばっかり高くなっても、やっぱりスキルが充実しないと強くはならないからね」
「ど、どうすれば良いのですか?」
「スキルの取得条件は知ってるよね?」
「いえっあまり理解していません」
五十惟は周りを見渡して、新人達の注目がこちらに集まるように大きな声で話し出す。
「色々なスキルの取得条件、それはねっ」
もう一度周りを見渡すと、多くの新人達と獣人達が五十惟に注目していた。
「今の世のスキルの取得条件は基本的に行動派生系だから、同じ動作を繰り返す事がまずは一つ目の取得方法だよ」
初めて聞いた人は首を傾けて?を思い浮かべている。
「例えば、何度もジャンプを繰り返していると跳躍とか超跳躍を覚えるよ、覚える速度に個人差はあるけど、一度試しにやってみてごらん」
そう言われて五十惟組とその他の数人がその場でジャンプを始めた。
「五十惟さんって冗談を言う人?w」
「いやwそんなんでスキルを覚えたら苦労せんでw」
「なんか、恥ずかしい奴らがおるでw」
五十惟に言われてジャンプをしている奴らも、心の中では少し恥ずかしい気持ちを抱いている。
「アホやでっ!、五十惟さんが言ってるのは正しい話や!」
「そうやぞっ、スキルは繰り返し努力した者だけが手に入れられる!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
いきなりセイラと瑛伖が天井に手が付く程の大ジャンプをしたのを鈹きりに、その場でジャンプをしていた人が次々に10mはある天井まで届く跳躍力を手に入れた。
「ヒャッハァァァ~~~」
「えっ?・・・ ・・・」
「さっきくだらん事言ってた奴は五十惟さんにきちんと謝っとけっ!」
(・・・ 猿も根っからのクズじゃない・・・ の・・・ かな?)
『五十惟、ありがとな~俺がするべき事やのに』
「いえいえ、うちの子らに説明するのに、ついでですよw」
「主の恩恵で頂いた、玆の魔法も色々と増やせるんですか?」
五十惟はあちらこちらでジャンプしている新人達を見ながら話し続ける。
「魔法に関しては、まず創造とイメージする事が大事なんだよ」
「創造とイメージ?」
「どんな魔法を使いたいのか創造する事、そしてどんな効果になるかイメージする事、その二つが出来たら次はそれを使った時のイメージを想像しながら繰り返す」
「少し難しいですね・・・」
「セイラは影魔法を持ってるよね?それはどうやって手に入れたの?」
「称号が付いた時に急に発生したんです」
「それからは影魔法の種類は増えてないの?」
「はい・・・」
「魔法は案外簡単に覚えられるのよっ!今から言うようにやってみてね。良いかな?」
まだジャンプをしている奴も居たので、五十惟はそいつらに問いかけた。
「まずは、手のひらを上に向けて、その上に火が乗る、もしくは灯るイメージをしっかりとしてみてね。
イメージが湧きにくいなら、ライターの火だとかガスコンロの火だとか、ランタンの火だったり焚火を想像してみたら案外覚えやすいかもね。
「おっ?おおっ?おおおっ?」
瑛伖の掌の上に100πくらいの火の玉が灯った。
「うっわぁ~不思議~ 全然自分では熱くないんだね~」
セイラも灯火と言う生活火魔法を覚えた。
五十惟の事を馬鹿にしていたモブ達も必死に火の玉を覚えようと頑張っている。
「次は拳を握って縦にして、そしてそこから水が流れ出るイメージでね。
水道の蛇口を連想してもいいし、雑巾を絞って水を出す感じでも良い。
とにかく、拳から水が出るイメージを強く持ってやってみてね」
「ちょ、ちょっと説明が早すぎです、俺、まだジャンプも覚えて無いのに…」
「当たり前やろ~ さっきまでうちの主を馬鹿にしてやがったくせに」
「そうじゃっ!人の言う事聞かずに、無知な癖に他人を揶揄してたのはお前らやろがっ!」
「・・・」
「いいよいいよw その火や水を投げるイメージと行動を続けると、火球や火弾とか、水弾や水投槍とかに派生していくよ~」
「攻撃魔法を覚えたなら、仲間内で弱めの威力で当て合うと、その魔法に対する耐性を覚えるから、それも修練の一環としてやるようにな」
火魔法や水魔法を覚えた新人や獣人たちは余程嬉しいのだろう、全員が喜色満面であった。
『さて、Erica、それと4天王はこっちに来てくれ』
トオルは個別空間を開き5人を呼んで中に入れた。




