Episode.5:1匹と1人、家でくつろぐ
主人に呼ばれ、抱きかかえられたボクは下の地面が光ったと思うと、主人に抱かれたまま公園にいた。
「おー、ほんとに転移したな。ここは元いた公園か...はっ!!今何時だ?
ルナ、降ろすよ。」
ああ、主人に抱っこされるの好きなのに。
そんな願いも届くことなく降ろされた。
仕方ない。主人の足にすり寄っておくとしよう。
「今はっと、うお、もう11時過ぎてるじゃねーか!てことは2時間ちょいダンジョンにいたのか...
んー?どーしたルナ、寂しいんかー?愛いやつめ、うりうりー。はあかわいい。
まあいい、いったん帰ろう。地震で家の中どうなってるかわかんないし。」
主人はしゃがんで撫でてくれた。うれしい。
それはそうと家に帰るらしい。そんなに遠くはない。ちょっと歩けばすぐだ。
ボクと主人は一緒に歩きながら、家に帰った。
★ ★ ★ ★
「よし家に着いたぞー!!さてと、家の中はどうなってるかな。」
俺は鍵を差し込み、ドアを開ける。
「おお、悲惨だな。幸い割れ物は平気っぽいな。それよりも漫画がひどい。全部落ちてる。
うーわ、[FORPEASE]とか100巻近くあるから大変だよ。ふう、片付けるかあ」
俺は気合で、日付が変わる前に500冊近い漫画や小説を棚に戻し終えた。
「ああー終わったぁ~。うーし、シャワー浴びよう。ルナ~!今日は一緒にシャワーだぞ~!
汚れてるからな~!」
さっき確認したところ、水道やガスは止まっていないらしい。
呼ぶとすぐに走ってきたルナを連れてシャワーを浴びた。
★ ★ ★ ★
主人と一緒にシャワーを浴びたボクは、ドライヤーとブラッシングをしてもらった後、ベッドで主人の膝の上でくつろいでいた。
「よし、テレビでも見よう。地震のことがニュースになってるだろ。えーっとリモコンはっと。」
そう言って、主人は"リモコン"を取って、突起を押した。
するといつものようにベッドの横にある"テレビ"に映像が映し出された。
『...中で同時に起きた震度5弱程度の揺れは約3分間続き、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカなどでは地震による死者も確認されています。日本では今のところ死者やけが人の報告はありません。さらに世界各地では、地震の後、大きな穴ができたという報告が相次いでおり、日本でも確認されています。日本では、発電所などのインフラ系統への被害はありませんでした。午前0時5分時点で、停電や水道・ガスの停止はありません。またこの地震による津波の心配もありません。大きな穴を発見した方は...』
「だってよ、ルナ。世界中で同時に起こるってのはすごいことだな。たぶん世界中にダンジョンができたってことだよな。スライム以外も出てくんのかな。」
ボクは"ニュース"を見ていたが、よくわからない内容だったので主人に甘えることにした。
なにしろ主人の膝の上はボクのお気に入りの場所なのである。あったかい。
★ ★ ★ ★
次回、陽人視点から
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