Episode.33:クラン、結成!
陽人視点スタートです!
こういう話ってルナ視点が書きづら過ぎる...難しい。
一応補足ですけど、友人の名前は森田徹と遠山光です!
―DCO日本支部―
「森田さん、遠山さん、合格ですね。おめでとうございます。こちらライセンスです。失くさないようにしてくださいね。」
2人は旭さんに黒いライセンスを手渡され、その様子はまるで宝石を扱っているようだった。
「やった!本当にダイバーになれたぞ!陽人の人脈のおかげだなあ。ありがとう!」
「いやいや、受かったのはお前自身の力だろ!自信持てって!」
「そうですよ!私と徹君は夏休みの間頑張ったじゃないですか!特別枠に推薦してもらったのは陽人君のおかげですけど、受かったのは私たち自身が頑張ったからですよ!」
その通りだ。俺は推薦に関わっただけで、他は全部二人が頑張ったからだ。
「これから陽人とルナと一緒にダンジョン入るのかあ。楽しみだけどちょっと不安かなあ」
「クラン作るって話してたんですよね!祝勝会ついでに名前も決めて結成会もしましょうよ!」
光さんがそう提案してきた。
「そうだ!クランだ!受付はもう始まってるし早めに作っちゃおうぜ!ルナも待ってるし早く帰ろう!」
「そうだな。帰るかぁ。」
俺たちはさっさと帰ることにした。
★ ★ ★ ★
そろそろ帰ってくる頃かな。
ちょっとおなかすいてきちゃったな~。
まだ帰ってこないのかな。
そう思って部屋の中を歩き回る。
すると玄関のほうで鍵の開く音が聞こえた。
あっ!帰ってきた!
ボクはすぐに走っていった。
ドアが開いて、主人たちが入ってきた。
「ただいま、ルナ。いい子にしてたか~?」
「わふ!」もちろん!
そう答えると主人はいっぱい撫でてくれた。
トオルとヒカルさんはちゃんとダイバーになれたらしい。
今度から一緒に来るんだって。
ボクと主人がしっかり守ってあげないとね。トオルはなんかビビりだし。
トオルはまた僕に抱き着いて来ようとしたので、ボクはさっと避けて手を広げて待っていたヒカルさんの方へ行った。
「ルナちゃーん!私、ダイバーになれましたよ~!これから一緒に頑張りましょうね!」
「なんで...どうしておれからは逃げるんだよ~」
なんでって、なんかいやだもん。撫でられるのはまだいいけど抱き着かれるのはちょっと...
「ふふ、ルナちゃんと私と、女子組は仲いいもんね!」
「わおん!」
ヒカルさんに撫でられ、しばらく身をゆだねていたが、主人に呼ばれたので行かないといけない。
「ルナ~!どの肉がいい~?」
わお!おにく!この大きいのおいしそう!!
「わん!!」これ!!
「おっけー。これはルナのやつね。じゃあ、他ので料理作るか」
「えっ、ちょっと待って。その肉俺が後で焼こうと思ってた極上ステーキ肉じゃん!」
「は?何言ってんだ。ルナがこの肉を欲しがってるんだ。譲れ。」
「ル、ルナさぁん?別のお肉じゃあだめですか~?」
「わふ!」
「あっ、完全にキープしてるわ。ダメだこりゃ。おとなしく別の食べよう。」
トオルはそう言って台所に消えていった。
その後ボクはおいしいお肉を堪能し、主人の太ももに頭を乗せながらくつろいでいた。
ヒカルさんがいろんな料理を作っていて、主人もトオルも「おいしい!」と言いながら食べていた。
そして主人たちはクランのことを話し始めた。
「そんじゃ、クランの名前考えようぜ!森田の会とかどう?」
「却下ですね。私はルナちゃんを愛でる会とかでいいと思いますけど」
「それもいいけどクラン名だしもうちょいかっこいいやつにしようぜ。あ、森田の会は論外で。」
「二人とも辛辣すぎるって~。冗談に決まってんじゃん!」
「ルナちゃんのルナって確か月から来てますよね?」
「ああ、拾った日が満月だったからな。なんか印象的でさ。衝動的に名前つけちゃった」
へえ、ボクの名前はお月さまから来てたんだ。拾われたときのことはずっと覚えてるなあ。
あの時は苦しくて痛くて寒かった。でも主人が助けてくれて本当に良かった。
こんなにいい主人と出会えたのはお月さまのめぐりあわせなのかな?
「じゃあ、じゃあ、月のお姫さまって感じで"かぐや"ってどうですか!?ルナちゃんをかぐや姫に見立てて!」
「お~!いいじゃん!かぐや!光、やっぱセンスあるなあ!」
「いいな!かぐや!漢字表記してみるか?」
「漢字なら輝く夜で"輝夜"ですね!いいと思います!」
なんか盛り上がってるな。かぐやか。なんかいい響きだな。
「わん!!」いいね!
「ほら!ルナもたぶんいいって言ってるぞ陽人!」
「そうだな!なら俺たちのクラン名は【輝夜】で決まりだ!明日申請出しに行くぞ!名前取られちゃうかもしれないしな!」
「じゃあ、クラン結成を祝って、もう一杯ぶどうジュースいきましょう!未成年はワイン飲めませんし!」
ヒカルさんは冷蔵庫からぶどうジュースを持ってきて、主人たちのコップに注ぐ。
透明なコップが紫の液体で満たされた。
「ルナ、頑張ろうな!」
主人がコップをボクの鼻先にチョンとあてた。
「「「かんぱ~い!!!」」」
ヒカルさんもトオルもボクの鼻先にコップをチョンとあててきた。
そして主人たちはコップをかつんと当てて、ぶどうジュースを飲んだ。
あの寒かった時が嘘みたいだ。今はこんなにあったかい。
大好きな主人がいて。頼りないけどおもしろいトオルがいて。優しく包み込んでくれるヒカルさんがいる。
大事な人たちを守れるようにもっと強くなろう。
★ ★ ★ ★
翌日、俺たちはクランの申請を済ませた。
申請は問題なく終わり、クラン【輝夜】が正式に発足した。
親しい人たちにクラン結成を伝えると、とても喜んでくれた。
ヘンリーさんは近々依頼を出してくれるらしい。
ただ、まだ2人は経験を積んでいないし、ステータスも獲得していないのでまだ依頼は遂行できないということを伝えた。
依頼はもう少し先の話になりそうだ。
2人に言われ、明日から早速ダンジョンに潜ることになった。
2人にとって初めてのダンジョンだ。
後に最強と呼ばれるクラン、【輝夜】。
2020.10.04、発足。
というわけでギルド"輝夜"結成です!
名前考えるのに三日悩みました(笑)
他にもギルドいっぱいできます。
まだギルドの名前10個くらいしか考えていないのでこんな名前どう?というものがあればぜひ感想欄にお寄せください。
いいなこの名前!!って思ったら今後本編にそのギルドが出てくることがあるかもしれません。(たぶん99%出します)
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